今回は古文の参考書の中でもベストセラーである『古文上達』のレベルや使い方を現役東大生の筆者が徹底的に解説していきます。
この記事を読めば、古文の文法参考書は『古文上達』だけで十分であることや実際にどのように使えば力がつくのかが分かります。
ぜひ最後までご覧ください。
・文学部の現役東大生ライターが執筆
・『古文上達』を使った教え子たちは全員偏差値20up
・東大首席など100 人以上の東大生にインタビュー経験あり
『古文上達』の基本情報
本書のレベルや使い方を見ていく前に、まずは簡単に『古文上達』の基本情報について確認しましょう。
本書の特徴としては、裏表紙に書いてあるように
・読解につながる体系的な文法理解
・実戦問題で応用力アップ
・丁寧でわかりやすい解説
このような感じです。
値段
はっきり言ってコスパ最強です。
ページ数
“the参考書”という感じの厚さで、持ち運びにも非常に便利です。
構成
『古文上達』は先述の通り、古文文法の解説書であり、目次はだいたい以下のようになっています。
⑵動詞
⑶形容詞
⑷形容動詞
〜〜〜
⑻その他の品詞
⑼敬語
⑽和歌
入試古文に出題される古文文法を網羅的にかつ重点的に載せています。
レイアウト
『古文上達』はさすがZ会の参考書だけあって、レイアウトが見やすいように工夫されています。
文法解説ページ
『古文上達』の文法解説ページはこのようなレイアウトになっています。
右ページ上段で文法の説明がされており、左ページ上段には練習問題が載っています。一番左の部分は練習問題の解答です。
下段のピンク色部分は上段部分の注釈や一歩踏み込んだ内容が載っています。
演習ページ
文法解説ページをめくると次は演習問題のページとなっています。
文法習いたての状態で特にはちょうど良い塩梅の文章量で、問題も基本的にはその回に習った文法事項を問うものとなっています。
ページ下段は難しい単語の注釈ですが、「こちらも現段階では注にしておいた方が初学者に易しい」という配慮の注釈であって、入試的な観点からだといずれの単語も受験本番までに覚えておくべきものが多いです。
『古文上達』のレベルはどれくらい?
『古文上達』の基本情報を確認したところで、早速本題である本書のレベルや使い方についてお伝えしていきましょう。
一番最後のQ&Aでも言及しますが、本書は万能な古文参考書ですので、初学者ならどの志望校を狙って言おうが関係なく全員にオススメできます。
『古文上達』の力がつく使い方は?
『古文上達』が、これから古文の勉強を本格的に始めようとする人向けのレベルであることが分かりました。
それでは、一体どのように『古文上達』を使えば本当に力がつくのでしょうか?
ここでは、実際に筆者がこれまで指導を担当した教え子たち(偏差値40レベル→MARCH・早慶合格)にやらせていた勉強法をお伝えします。
いつから使い始めるか
具体的な使い方の前に、まず『古文上達』を使っていつから本格的に勉強すれば大学受験までに古文を完成させられるのかについて。
能力値に関係なく、以下の使用法を守って学習を進めればどんな人でも中堅校には余裕で合格する力がつくでしょう。
ただ、このように言うと
という学生が出てきそうなので、言っておきます。
高3春は食べ物に例えると消費期限です。「ギリギリ間に合うよ」というだけであって、理想はどんなに遅くても高2の冬までには『古文上達』を買って古文の勉強に本腰を入れたいところ。
ただ、受験勉強に早すぎるということはないので、もしこの記事を高1の学生が読んでいるなら今から始めちゃって全く問題ないです。
いつまでに1周するか
週1で指導をしていた筆者の教え子たちは半年で全文法をマスターしていました。
他の教科との兼ね合いもあると思うので、現実的に6ヶ月で1周というのが目標ではないでしょうか。
力がつく使い方
本題です。
『古文上達』を以下のような方法で勉強すると偏差値が爆上がりします。
動詞・形容詞・形容動詞まで短期集中!
まず、『古文上達』の構成でもお話ししたように、本書は最初に用言を学習します。
用言までの学習を通して下接続や活用など古文の世界がなんとなくわかってくるはずですので、動詞・形容詞・形容動詞の学習は一気通貫でやりましょう。だらだらしてはいけませんよ。
記憶力に自信がない人は、用言の学習が終わったところで一回復習を挟んでも大丈夫です。
助動詞・助詞まで終わったら全体的な復習をする
用言の学習が終わると次は古文最大の山場である助動詞・助詞です。
予備校講師や先生の中には「助動詞だけは頑張ってついてきて」「助動詞が山場」という人がいますが大嘘です。毎年その言葉に騙されて、助動詞が終わった瞬間に燃え尽きて助詞をないがしろにし、多くの受験生が受験古文に葬られます。
助動詞が言葉で言い表せないほど重要なのは当然ですが、実は助詞こそが裏ボスだと筆者は考えています。
この2つが終わったら、用言も含めて1回全体的な復習をしましょう。大掛かりな復習です。たっぷり時間を確保して問題演習をしつつ弱点補強をしていきます。
残りの単元を習う頃には演習の比重を増やす
助動詞と助詞が終わっても安泰ではありませんよ。副詞と敬語も非常に重要です。
敬語が重要というのは分かっていると思いますが、サブキャラ的な「副詞」を侮る学生が非常に多いです。副詞を押さえてないと文意が180度変わってくる場合があるので油断せずにしっかり勉強しましょう。
とはいえ、この時期になってくると古文のまとまった文章を読めるようになってくるので、文法だけの勉強は卒業して問題演習の比重を増やしてください。
『古文上達』の次にやるべきこととは?
『古文上達』が終わった後、次にやるべきことはひたすら文章題で演習することです。
真上に貼った問題集を終えたら、今度はより難易度の高いこちらの問題集がおすすめです。
『古文上達』に関してよくある質問
『古文上達』に関しては基本的に以上となります。
ここでは最後に『古文上達』についてよくある質問にQ&A形式でお答えしていきます。
何周した方がいいですか?
受験勉強は科目問わず理想は3周です。
時間がなくても2周はした方が良いと思います。
高3春スタートの受験生は1周でも構いませんが、落ちた場合は来春にもう2周して基礎の習得度を確認しましょう。
これ1冊で共通テスト対策できますか?
できます。
あとは共通テストの過去問なり予想問題集なりでしっかりと演習すれば8割は得点できるはずです。
早稲田にはこれ1冊だと厳しいですか?
インプット教材としてはこれ1冊で十分です。
しかし、記事の中でもお伝えした通り、これ一冊では演習不足なのでアウトプット専用の問題集を併用しましょう。
リンクは記事の中に貼ってあります↑
『古文上達』1冊で東大古文は攻略できますか?
できます。
難関私大と違って東大古文の文章や設問は基礎的です(簡単だとは言っていない)。
詳しくはこちらの記事をご確認ください↓
学生「東大古文で点数を稼がなきゃいけない」「東大古文はどの参考書を使えばいいの?」 といった事情や悩みをもつ東大受験生が多いです。 難易度の高い現代文で点数が期待できない分[…]