化学という科目においては理系分野であるにも関わらず、「暗記」が非常に大切になってきます。英語において英単語を覚えておくのが基本であるように、化学においても反応式や構造式を覚えておくことは基本中の基本です。
しかし、実際はどうやって暗記事項を把握したらいいかわからない人や、化学を勉強しようと思うけど問題集を取り組む前にどこから勉強したらいいかわからないという受験生も多いのではないでしょうか。
そんな時にオススメなのが「一問一答」です。
今回は「一問一答」のオススメ参考書を紹介するとともに、筆者の体験談も交えながら、その効果的な使い方などを解説していこうと思います。
化学基礎の勉強法についても述べているので、理系受験者はもちろんのこと、文系受験者で共通テストにおいて化学基礎を選択している方もぜひ参考にしてみてください!
化学・化学基礎における一問一答の重要性
大前提として、化学・化学基礎という科目においては暗記が非常に重要になってきます。
例えば、無機化学の分野などは暗記が9割以上ですよね。反応式などを覚えていないと問題に取り組むこともできません。
また、理論化学や有機化学の分野においても構造式の変化などを覚えていないと理解できない問題は多いです。
化学という科目において、構造式や反応式などは、英語における英単語と同じです。覚えていないと問題を解き始めることすらできません。
さらに、大学入試における化学のテストは非常に高い処理能力を求められます。問題数がかなり多く、一問一問にかけられる時間はわずかです。筆者も受験生の頃は、問題の物量に困惑し、過去問を解いていても時間が足りないことが多々ありました。
つまり、暗記しておくことは当たり前のことながら、それに加えて、瞬間的に答えまでの道筋を立てる能力が問われることになります。
普段から「一問一答」を使って、化学における瞬発力を身につけましょう。
化学・化学基礎の一問一答を選ぶ際のコツ
受験に出てくる用語・反応式・構造式をまとめてくれていると、模試の直前などにも一瞬で見直すことができます。
理系受験者は、受験生になって本格的な演習書に取り組むための基礎力を鍛えてくれるものを選ぶべきなので、難しすぎず、暗記事項を簡潔にまとめてくれているものを探すと良いでしょう。
また、分野ごとに問題をまとめてくれているものも使いやすいと思います。特に苦手な分野がある人は、その範囲を重点的に基礎から見直すことが可能になるので効果的に勉強することができます。
文系受験者で化学基礎だけを勉強したいという方も暗記事項をまとめてくれているかどうかで選ぶのが良いと思います。おそらく共通テストの理科1科目にそこまで時間をかけたくないという方がほとんどだと思います。
化学・化学基礎の暗記にオススメな一問一答はコレ!
理系は『化学一問一答【完全版】』
上で述べたような理由から筆者がオススメする「化学の一問一答」は『化学 一問一答』(東進ブックス)です。
これだけをやっておけば、共通テストに限れば9割近い点数を目指せると思いますし、暗記事項をまとめていることはもちろんのこと理論化学の計算問題も少なくない数収録されているので、暗記が苦手な人も飽きることなく解き進めることができると思います。
理系受験者はとりあえずこの一冊をやっておけば、より難しい問題集にも取り組み始めることができるので、まずは本書から化学の勉強を始めるといいと思います。
文系
共通テストのみのために勉強するならこの一冊でほぼ対応できると思えるほどに問題数が豊富です。
共通テストの直前は、二次試験の勉強のことも心配になりながら、今まで勉強してこなかった理科に手をつけなければならないので、時間的にも精神的にも追い込まれてしまいますよね。
そういう時に、この1冊をやっておけば大丈夫という参考書があれば、勉強計画も立てやすくなるのではないでしょうか。
もちろん過去問にはしっかりと取り組み対策したほうがいいですが、この「一問一答」を、この後で解説する方法で活用していけば、とりあえずは安心できるのではないかなと思います。
次の項目で、一問一答の使い方を詳しく解説するので、それを参考にしながら使ってみてください。
化学・化学基礎の一問一答の効果的な使い方
理系受験者にとって「一問一答」は基礎中の基礎です。なので、問題集などを始めて本格的に勉強しだすよりも前に「一問一答」は最低1周しておくようにしましょう。
筆者は「一問一答」に触れないまま受験生になってしまったので、スタートでかなり遅れてしまいました。というのも、再三繰り返している通り、化学において暗記事項をきっちり覚えていることは基本だからです。
受験生なら誰でも覚えているような基礎を筆者は覚えていなかったため、問題集を解こうにも全く手がつけられませんでした。その状態だったので、模試などでも、しっかり暗記している人からすれば簡単な問題も落としてしまいました。当然、はじめのうちは化学という科目に対して苦手意識があり、全然点数も伸びませんでした。
そんな時に、一度腰を据えて「一問一答」をはじめとして化学に必要な基礎を頭に叩き込むことでなんとか戦えるようになりました。
上で紹介した参考書は、計算問題なども載っていますが、それ以外にも鉛筆を使わずに覚えられる問題がたくさんあります。電車の中などで英単語帳を見ている受験生は多いと思いますが、英語ばかりやっていても飽きてしまうので、そんな時は化学の「一問一答」を見るようにすると良いかもしれません。
受験生になって新しい問題集に取り組んだり、模試や過去問を解いたりしていくと、この参考書には収録されていない情報がどうしても出てくると思います。そのような用語・反応式・構造式をためらわずにどんどん書き込んでいってください。余白が足りなければルーズリーフなどに書いて挟んでおくのもアリです。
計算問題は難しいかもしれませんが、覚えることが少しでもある問題を目にした時は復習しながら書き足していくと効率よく勉強することができます。
共通テストに向けての勉強計画としては、ほとんどの受験生が、この「一問一答」を勉強した後に過去問を解いていくという流れになると思います。
過去問を解いている時に間違えてしまった問題や、わからなかった問題に関して覚えておくべきだなと感じた用語や反応式などがあれば、それらをどんどん自分で書き足していくと良いでしょう。
購入した「一問一答」を自分の手でもっと詳しい参考書にし、「この一冊さえ見直せば大丈夫」というオリジナルの「一問一答」を作っておきましょう。
そうしておけば、受験直前に見直した時、自分がどれだけ勉強してきたかも一目瞭然です。きっと自信につながります。
まとめ
この記事では化学の「一問一答」における重要度とオススメの参考書、そしてその効果的な使い方を解説していきました。
それを以下にざっくりまとめたいと思います。
まず、化学において「一問一答」が重要な理由は、
・東大化学では特に一問にかけられる時間が少ないため、瞬発力が求められる
ことです。
そして、オススメの「一問一答」は、東進ブックスの『化学 一問一答』です。文系受験者で化学基礎を選択している方は、同じシリーズの『化学基礎 一問一答』をオススメします。
最後に「一問一答」の効果的な使い方は、
・苦手な分野を繰り返し復習する
・新しく覚えるべきことはどんどん書き込んでオリジナルの参考書にする
というものです。
いかがでしょうか。
筆者も受験生時代に化学が苦手だったので色々と勉強方法に苦労しました。
みなさんも色々と試行錯誤しながら自分なりの勉強スタイルを身に付けていくことと思いますが、そんな中で一つの方法として参考になれば幸いです。
とりあえず、化学は暗記することから始まるので、「一問一答」を活用しながら勉強を頑張ってください!