この記事では、生物基礎選択者向けに共通テストで9割以上を狙える参考書・問題集を東大生が厳選して紹介します。
紹介する中から自分に合った参考書を選んで極めれば誰でも9割は目指せると思うので、ぜひ最後までご覧下さい。
生物基礎の参考書&問題集を選ぶ際のコツ
共通テストの理科基礎科目は選択者もあまりいないため、英語数学などのメジャー科目と比べて参考書、問題集、塾での対応など様々な点で勉強する上での障害が多くあります。
そこでまずは、共通テストの生物基礎対策で生物を勉強するにあたってどのような参考書、問題集を選べば良いのか選ぶ際のコツを紹介していきます。
わかりやすい
生物基礎の参考書選びにおいて、なんといってもわかりやすさは1番重要でしょう。
特に生物基礎という科目は、他の科目と比べて知識の理解と各知識の繋がりがどのように作用しているのかなど、一貫性のある知識を蓄えることが非常に大切になってきます。
したがって、文字だけを追って学習するという方法だと理解度の点で不足がでてきてしまうことが多いです。
問題集は知識の理解というよりアウトプットがメインですからそこは詰めていく必要はないかもしれませんが、参考書に関しては知識のインプットがメインですので図表の充実度というのは必要不可欠なものです。
また問題集におけるわかりやすさの指標としては、解説の充実度が挙げられるでしょう。いかなる科目の問題集でも言えることですが、生物基礎でも同じで、問題集によって解説の量や比重が変わってきます。
もちろん問題集ですから問題を解いてアウトプットするというのが目的ではあるのですが、その答えに辿り着くまでにどのような思考経路でそうなるのか、どのような知識が使われているのか、またその知識はどう身につければいいのかなど、解説の部分がなければそのアウトプットも意味のないものとなってしまいがちです。(数学などで答えだけみて○×をつけてしまうのがよくないというのと同じような理由ですね)
発行年度
つづいて、生物基礎の参考書、問題集を選ぶにあたって重要な要素となるのが、それがいつ発行されたかです。
受験生なら知っている人がほとんどだとは思いますが、令和2年度をもってセンター試験が終了し、それに代わる試験として令和3年度入試より共通テストが導入されています。そのため、共通テストやセンター試験に含まれている生物基礎の形式にも多少の変化が見られます。
学習内容に変化はありませんので、参考書についてはセンター試験のときに発行されたものと共通テストがはじまってから発行されたもので大きな差はありませんが、問題集については形式に違いが見られますので注意が必要です。
以上、発行年度の違いについて述べたものの、まだ共通テストが施行されてすぐであるため、共通テストに特化した参考書、問題集はあまり良いものが少ないのが現状です。
他にも発行年度が影響するものとして重要なのが、新課程に対応しているかどうかです。
2015年以降の入試問題では新課程として理科の学習範囲に変更があり、科目名も生物Ⅰ、生物Ⅱから生物、生物基礎と名称の変更も起こりました。そのため、2015年より前のの参考書・問題集では新課程に対応しておらず、学習範囲が異なるものとなってしまいます。
こちらは発行年度でもある程度分かりますが、そもそもの名前として生物Ⅰ、生物Ⅱと記載されているものに関しては注意が必要です。
生物基礎の学習におすすめしたい参考書
次におすすめの参考書を紹介します。
基本的には上に書いたコツに従って選んで頂ければ良いのですが、その中でも特におすすめなものをピックアップしました。
以下紹介する参考書はもちろん新課程に対応したものとなっておりますので、その点は心配いりませんので安心して頂ければと思います。
センターはこれだけ!大森徹の生物基礎
駿台生物の人気講師として有名な大森徹先生の著者で、生物基礎対策の参考書として一番はじめに手を付けるのにふさわしいものと言えるでしょう。教科書だとボリュームが多くて、なかなか知識を頭に入れることが出来ないという人にもおすすめです。
内容はコンパクトで分かりやすく、生物基礎の重要な部分だけを抜き出した一冊となっています。扱われている問題はセンター平均レベルと平均プラス10点という2つのレベルで構成されていますが、さほど量が重いわけでもないため初学者であったとしても全ての問題を一通り完璧にするのがよいでしょう。
「センターはこれだけ!大森徹の生物基礎」は非常にコンパクトでその点周回するのにも適した参考書ではある一方で、共通テストで満点レベルをとりたいという人からすると少し物足りないものだとは感じます。
ただ標準レベルを身につけるにはとてもよいため、この参考書と並行して教科書を読んでみて、参考書には載ってない部分の知識を補うなどしてから過去問に取り組むなど工夫次第で問題はなくなるとは思いますので、簡単そうだからやらなくていいやとしてしまうのではなく、生物基礎で確実に点をとっておきたいという人にはおすすめできるものとなっています。
基本的には初学者や生物基礎が苦手だという人に最適な参考書ではありますが、さらにステップアップするための土台となりうる参考書ですので、是非工夫して使ってみましょう。
田部の生物基礎をはじめからていねいに
つづいて紹介するのが、東進ハイスクールの人気講師田部眞哉先生の著者で、はじめからていねいにシリーズの生物基礎バージョンとなっています。
こちらの参考書の一番の特長は内容の理解しやすさでしょう。一般的な生物の参考書と比べると図表が大きくて見やすく、教科書などの図は小さくて覚えにくい!という人にはとてもおすすめです。図表以外にも講義部分の説明文も詳しく解説されており、暗記だけでなく内容理解に特化した参考書といえるでしょう。
その内容も、難易度的には基本から応用まで載っていることから広い受験者層にマッチしていると言える点でもこの参考書は優れていると考えています。
直前期に詰め込むよりかはコツコツ積み上げていくのに適した参考書だと思います。ボリュームが多い分教科書の範囲は全て網羅しているといっても過言ではなくその点では安心してよさそうです。
生物基礎の共通テスト対策におすすめの問題集
上で紹介した「センターはこれだけ!大森徹の生物基礎」「田部の生物基礎をはじめからていねいに」はいずれも参考書ではありますが、各範囲について対応した問題が入っているため、基本的には説明部分を読んで対応する範囲の問題を解いていくという流れで進めます。
併せて別の問題集もやって力をつけたいという方も当然いると思うので、以下の問題集を紹介します。
一問一答
まず一問一答問題集です。
こちらの記事で以前おすすめ書籍を紹介したので、よかったら見てみてください。
生物選択のみなさんは一問一答形式の本を使っているでしょうか? もちろん使ってない人も多いとは思いますが、とりあえず生物は暗記だから使っている!という人から、過去問演習で知識問題を落としがちだから補強で使っている!と[…]
共通テスト対策問題集
駿台や河合塾が出している共通テスト対策問題集も非常に使えるものとなっています。
現状共通テストの過去問がなかなか少ない中で、駿台や河合塾の模試や予想問題が集められているものなので、過去問をまだ消費したくないだとか、直前期で過去問はやったけど実践的な形で演習を積みたいという人におすすめです。
こちらも参考書や教科書で知識をアウトプットした上での問題集となりますが、どちらかというと最終確認に使うのが良いかと思います。
参考書や問題集で知識のインプット、アウトプットを繰り返し力をつけたと思ったら、共通テスト対策問題集に手を出してみて実践的な得点力を磨いていくという流れで勉強できればとても良いかと思います。
生物基礎の参考書&問題集でよくある質問
最後に生物基礎の参考書・問題集についてよくある質問に答えていきます。
Q. 学校で配られた生物基礎の問題集はどうしたらいい?
学校で配られるということは、授業で使うものであったり宿題として出されているものだと思われるので、よほど簡単だったり難しくてわけがわからないと合う場合を除いて基本的には使ったらよいのではないでしょうか?
学校の先生が受験に詳しいかは学校によって様々かもしれませんので一概には言えませんが、学校で配られているということなので先生に質問だったりがしやすいとも思います。自分の受験校に沿っての学習法などのアドバイスももらえるかもしれませんし、その点自学自習で進めていくよりも効率よく学べますから使い方次第だと思います。
一方で、学校で配られた問題集だけで受験に臨んでも大丈夫なのかと言えば、それは別問題で、受験校やその問題集の難易度などを加味して考えましょう。
こちらも不安であれば学校の先生に「この問題集でこの大学にいけるでしょうか?」などと聞いてみれば有用な意見がもらえるかもしれません。(学校の先生からすれば自分がいいと思って出しているわけで、学校で出しているんだからそれで十分だよ!と言われていまうかもしれませんが笑)
Q. 生物基礎の参考書&問題集は薄いやつがいい?
こちらも使い方次第ではないでしょうか。
一般的に同じ科目の問題集で厚い、薄いなど様々ありますが、厚い問題集であればより多くの問題が載っているわけで、より網羅性の高いものであることは間違いありません。しかし、完璧にしようと思うとより時間がかかってしまい、途中で諦めてしまうリスクがあります。
他方、薄い問題集であれば問題数は少ないため周回しやすく、完璧にしやすい一方で、どうしても網羅性が低く必要なトピックがもしかすると載っていないみたいな事態も起こりうるものだと思った方がよいでしょう。
時間があって、根気強く勉強できるという人であったり、生物基礎で満点近くとりたいという人であれば是非厚い問題集に取り組むべきですし、受験まであまり時間が残っていないという人だったり、生物基礎はそこそこ点を取れていれば十分だという人であれば薄い問題集で十分です。他の科目に割ける時間を増やせるという点でも利点はあると思われます。
つまりは、自分には受験まであとどれくらいの時間が残っていて、限られた勉強時間の中でどのくらいの時間を割けるのかという観点で考えてみるのがよいでしょう。
基本的に1つの参考書、問題集をやると決めたら完璧にやりきるというのが学習におけるセオリーですので、中途半端にやるよりは1つの参考書、問題集を完璧にするという前提で無理なく参考書、問題集を選びましょう。
Q. 上で紹介されてる生物基礎の参考書&問題集で定期テスト対策もできる?
正直学校の定期テストの難易度によるところではあります。
ただ、センター試験、共通テストレベルの生物基礎であれば十分カバーしている参考書・問題集となっているため、基本的には大丈夫なのではないでしょうか?
定期テストも学校の先生がつくっているわけですから、この参考書・問題集で定期テスト対策になりますかと聞けたら一番よいですね。
Q. まだ高1なのですが生物基礎の問題集に手を出すのは早いですか?
なかなか難しい質問ですね。
高1ということは学校で生物基礎の範囲を勉強しているのでしょうから、その延長で問題集もやりたいということでしょうか。
基本的には受験勉強に早いということはないため生物基礎の問題集に手を出すというのはいいのですが、そこまで生物基礎というのは仕上げるのに時間がかかる科目ではありませんので、恐らく高1で手を出したら高2になる前に終えてしまうでしょう。
そのあとに何もやらないで受験まで過ごしてしまう場合、暗記事項などが抜け落ちてしまっているでしょうからあまりおすすめ出来ません。
受験までコンスタントに生物基礎に取り組むという方針であればよいとは思いますが、先にやってしまおう程度の考えであれば数学や英語の先取り学習をする方が余程建設的な学習計画だと思います。