【完全版】東大化学の分野別対策法とおすすめ参考書・問題集

「理系で東大を目指しているが、化学に対してどう対策をしたら良いかわからない」「地方に住んでいて東大対策の情報が入ってこない」といった悩みを抱えてはいませんか?

 

この記事では、今年東大に合格した理系東大生の筆者が東大化学の対策法を紹介します!

 

塾に通う人は勿論、独学の人でも実践できる内容となっています。

東大化学を解くにあたっての注意点

まず東大化学全体の形式と特徴を説明し、そこから導き出される注意点について説明します。

東大化学の形式

・大問が3つあり、それぞれ有機化学、無機化学と理論化学の融合問題、理論化学という内容になっています。

→題材は高校化学の範囲から満遍なく出題されるので、典型問題ならどの分野から出題されても解けるようにする事を心がけましょう。

 

物理と合わせて150分で、化学にどれだけ時間を割くかは自分で決められます。

→実戦演習をする時は必ず物理と一緒に行い、自分に合った時間配分を身につける事が重要です。物理と化学のどちらの処理能力向上に注力したほうが効率良いかという分析がバランス良くできますし(これ以外と大事!)、どちらかに時間かけ過ぎたというミスをした時の対処も訓練できます。

東大化学の特徴

分量が多い
→解ける問題を正確に素早く解く能力、問題の取捨選択と時間配分が非常に大切です。具体的には、やはり典型問題ならどの分野でも解けるようにする事、一通りできるようになった後は問題を単発で解くよりも実戦形式で演習していく事を強くおすすめします。
目新しかったり、複雑に見えたりする題材が出る

→一瞬投げ出しくなる気持ちを一旦はぐっと堪え、実は簡単なのか本当の難問なのかを見極められるようにする事が超重要です。自分の知っている知識で解けるはずだと強く意識しながら考える習慣を日頃からつけて下さい。

 

論述問題が出る

苦手な友達に教える、または脳内授業をする習慣があるととても良いです。自分の理解が曖昧な点もあぶり出せます。

東大化学の分野別対策法

有機化学

構造決定の問題が圧倒的に多いです。この手の問題は演習を積めばできるようになるので、必ず得点源にするべきです。

 

頭の中がこんがらがりがちですが、僕は①分子式(特に炭素数)と炭素骨格②官能基、③官能基の位置の3種類に情報を分け、また実験の流れを図示して整理する事を心がけると上手くいきました。

 

例えば、元素分析や分子量測定、反応前後の質量変化の情報からは分子式に関する情報が得られるので①に分類できます。また、原子が反応の途中で消える事がないという事実と分子式とを意識すると(特に炭素数について)、実は炭素骨格が一意に定まる等して構造決定を素早く行える事が多いです。簡単な例をあげると、分解前は炭素数が7の化合物で、分解後片方はフマル酸で炭素数は4だから、もう片方は炭素数が3だから炭素骨格はこれしかないじゃん!という具合です。

 

不飽和度や検出反応に関する情報は②になります。特に不飽和度を考える時、二重結合やカルボキシ基は大丈夫な人が多いですが、環や三重結合、アゾ化合物が盲点になる人が多いようです。

 

ヒドロキシ基の酸化や二重結合の開裂の後の情報や幾何異性体、不斉炭素原子に関する情報は③に分類していました。不斉炭素原子が1つある構造を考えるとこの位置にヒドロキシ基がくるしかない!といった具合です。また、辞書的に候補を数え上げる力も大事です。

無機化学と理論化学の融合問題

反応式を書かせる問題がほぼ毎年出題されているのは見逃せません。ここは必ず得点しましょう。出題された反応は酸塩基、酸化還元、沈殿、錯イオン生成、分解の5つに分類されます。

 

基礎的な知識問題も出るので、その時は確実に答えを合わせましょう。模試やテストの度に暗記事項を詰めるという作業を繰り返していたら知らぬ間に知識が定着していたという人を割と見かけます。また、数学とは違って化学はセンター対策(多分共通テストも)にガッツリ取り組む事が2次試験にも良い影響をもたらします

理論化学

数値計算が大変だったり難しかったりする問題も割とあります。そういう問題も配点は簡単な問題と変わらないように思われるので、捨てる勇気も必要です。

 

典型問題は解けるようする事と、日頃からたくましく計算して数値を合わせきる練習をする事が肝要です。有効数字に気を配る習慣もつけて下さい。

 

以上の点を踏まえながら

①教科書の内容を理解する。
②典型問題を一通り解けるようにする。
③ひたすら演習
④弱点の補強or得意分野の強化

という流れで勉強していくのが東大受験生の定番です。

東大化学対策のおすすめ参考書・問題集

①の段階でおすすめの参考書・問題集を紹介します。

教科書

全ての基礎です。付属の問題集を解いて(セミナーとか?)手を動かしながら理解しましょう。付属の問題集は全てやる必要はありません。

資料集

写真やイラスト、図などの視覚的な情報ともに教科書を読むと定着が早くなります。特に無機化学の知識の暗記の際に重宝します。

化学の新研究

高校化学の辞書です。分からなかったり、詳しく知りたいと思ったりしたら該当箇所を読んでみるという使い方をしましょう。隅々まで読み通してやると意気込む人や、分厚いから居眠りする時の枕にしようとする人をちらほら見かけますが、僕の知る限りではそのような人はみんな学習内容が身についていないのでどちらの使い方も推奨しません。一部内容が微妙に間違っているみたいですが、大学受験の勉強にあたっては問題ありません。

センターの過去問

基礎的な計算や教科書レベルの知識を完璧に定着させるのに役立ちます。非常におすすめです。

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ここから先は②の段階でおすすめする参考書・問題集です

重要問題集

内容は改訂されつつも、何十年も前から受験生のバイブルとして存在し続けている問題集です。難易度は標準レベルです。解説がやや不親切な箇所が散見されるので、身近に質問できる人がいると安心です。これ一冊を4〜5周しただけで、化学で40点以上取って理3に現役合格した人を知っています。

化学の新演習

難関校を目指す人の定番ですね。周りの東大合格者もたくさん使っています。僕はやった事がないのですが、難易度は標準〜発展のようです。

 

使った人曰く、有効数字が間違っていたり、無機の問題がマニアックすぎたりという欠点があるようなのでそこは知っておきましょう。分量は多いですが、やり切れば典型問題の網羅という目標は十二分に達成できるようです。

標準問題精講

・典型問題を一通り訓練する問題として、個人的に一番おすすめです。難易度は標準〜発展です。有機化学がやや手薄ですが、後の演習で補えば良いと思います。

 

新演習が331問もあるのに対してこちらは102問と必要十分な量ですし、重要問題集と違って解説が非常に丁寧な上に考え方や知識のまとめもあります。

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ここから先は③の段階でおすすめする参考書・問題集です。

東大化学の過去問

・問題演習ならまずはこれをやりましょう。直前まで残しておく人がよくいますが、それは全くお勧めしません。過去問という最高の演習素材をこなし切れないまま受験を終えてしまう現象がよく見られるからです(私も笑)。

 

僕は鉄緑会が売っている10年分のものを買いました。とても良かったですが、赤本でも良いと思います。

模試の過去問

駿台の東大実戦模試や河合の東大オープンの過去問は3年分くらいがまとめて市販されています。特に秋のものは、量・難易度共に本試よりレベルが高くなりがちですが、練習になります。

オリジナルセット

自分で好きな問題を集めて作成した東大形式のセットを解くのはすごく楽しかったし、ためにもなりました。特に、自分が今まで解いてきた問題で、間違えた問題や学びの多かった問題を集めて作るのはおすすめです。

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ここから先は④の段階でおすすめする参考書・問題集です。

化学の計算-原点からの化学

理論化学を強化したい方にはとてもおすすめです。化学の計算問題が体系立って整理されていて、理論化学の問題辞典のようになっています。

東北大学の過去問

有機化学の演習を積みたいなら東北大学の過去問が良いです。東大よりも難しいと思います。数年分をやり込んで実力がすごく向上したのを実感しました。

化学記述・論述問題の完全対策

その名の通り、記述問題を強化するのに役立ちます。余裕がある人向けです。自分で演習セットを作る際に、記述問題をここからとってくるという使い方もありです。

プラグマティック化学

化学用語の語源や日常生活で使える高校化学の知識、ちょっと高度で深い内容などがメインで載っている参考書です。その代わり、高校化学で習う事項を網羅して解説している訳ではありません。

 

一通り受験化学ができるようになった人におすすめです。とても面白く、点数よりもモチベ向上に役立ちます。受験が終わってからでも読みたくなります。

新理系の化学問題100選

僕はやっていませんが、京大医学部に受かった子に聞くと8割良問、2割はただただ重いだけだそうです。難問も解けるようにしたい人におすすめです。一応紹介しましたが、ミス対策を考えて演習を積む方が得点向上につながると思います。

二見の化学問題集 ハイクラス編

知る人ぞ知る難問集です。もう絶版ですが、中古のものが少しまだ流通しています。東大と京大の過去問を中心に、良問かつ難問である入試問題と筆者のオリジナル問題(超難しい)が、高校化学の内容を網羅できるように集められています。

 

非常に完成度が高いです。全体的に難易度が高く、特に最終章の気体や化学平衡の問題は完全に異次元の難しさです。人間が解く事を想定していません。化学マニアの人もいるかと思って紹介しましたが、東大に合格したいだけならやらなくていいです。

まとめ

繰り返しになりますが、対策の流れとしては、以下の4つのステップに分けられます。

 

まず教科書を理解する。
→簡単な問題を解いて、手を動かしながら理解していきましょう。分からないところは新研究で調べて、人に説明できるレベルにまで理解を深めて下さい。

 

典型問題を一通り解けるようにする。
→分からなかったらすぐ答えを見ても良いと思います。見たら一瞬で解けるようになるまで繰り返す事が大切です。先に挙げた3つの内どれか1つをやり込みましょう。

 

ひたすら演習
→ここが一番大事です。とにかく量をこなして処理能力を高めて下さい。1セット解き終わる毎に必ずミスの傾向分析や時間配分の反省などを行いましょう。

 

弱点の補強、得意分野の強化
→演習で明らかになった自分の苦手分野を潰す事、もしくは得意分野の実力を更に高めましょう。どちらに注力するにしても、難問を解けるようにするよりは、標準問題の処理速度向上やケアレスミス対策に取り組む方をおすすめします。その方が遥かに高得点に結びつくというのが僕を含め多くの東大生の意見です。

 

私からのアドバイスは以上です。東大合格を目指して頑張ってください!応援しています!!

 

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