『新明説漢文』の対象者やオススメの使い方を東大生が解説

学生
漢文のオススメ参考書ってある?

 

管理人
漢文は『新明説漢文』がオススメです。正直これ1冊で十分ですね。

 

今回は、漢文学習における伝説の参考書である『新明説漢文』の基本情報から使い方まで、元愛用者の現役東大生が網羅的に解説します。

 

この記事を読めば、大学受験の漢文学習は本書1冊で済むことや本当に効果が出る使い方まで丸々分かります。

 

それでは早速確認していきましょう。

 

■この記事の信頼性
・現役東大生ライターが執筆
・『新明説漢文』1冊で東大受験も乗り切る
・東大首席など100人以上の東大生にインタビュー経験あり

 

『新明説漢文』の基本情報

 

最初に、本書の基本情報を簡単にお伝えしていきます。

 

『新明説漢文』は漢文の基本文法や句法、頻出漢字の解説に特化した漢文学習参考書です。

 

管理人
筆者が通っていた公立進学校をはじめとした多くの高等学校で使用されています。

 

冒頭でも述べましたが、大学受験レベルの漢文学習はこの『新明説漢文』が1冊あれば十分対応できると思います。

 

以下、それぞれ細かく分解して本書の特徴を見ていきましょう。

レイアウト

ここでは『新明説漢文』のレイアウトを紹介します。

 

まず表紙をめくると、巻頭ページに本書で習う句法が一覧表として載っています(写真上)

 

管理人
巻末ページも同様です

 

一通り句法を習い終わった後、学校の小テスト前や移動中、模試直前などは、この巻頭巻末ページで赤シートを使って効率的に復習ができるので受験生としては嬉しいです。

 

 

次に、こちらは本書の大部分を占める句法の解説ページのレイアウトとなります↓

上段の枠で囲まれているところがその節で覚えるべき句法となっています。枠の横に書いてある文は句法の例文となります。

 

管理人
筆者の母校では例文を毎週暗記させられました。今となってはいい思い出です。

 

下段は上段の詳細な解説となっています。こちらは下でもお伝えしますが、重要となっている箇所以外は1周目は見なくて大丈夫です。

 

初見だと覚えるべき項目が多く見えて情報量の多さに圧倒されるかもしれませんが、読み飛ばして問題ない箇所も結構ありますので身構えなくて大丈夫です。

 

 

管理人
一応、用字編も載せておきましょう。

 

漢文学習は句法を覚える作業(英語で言うと英文法を覚えること)が一番重要ですが、その次の章である「用字」も同じくらい重要です。

 

ページのボリュームも句法編並みにあります。

 

そんな用字編のレイアウトは上記写真の通りで、基本的には句法編のそれと同じです。まず覚えるべき箇所が枠で囲まれていて、上段横に例文、下段に現代語訳と詳細な解説。

 

このレイアウトが数十ページにわたって続きます。筆者もそうでしたが、本書はレイアウトが単調ですので、一気に勉強しようとすると飽きます。計画的に勉強するのがオススメです。

ページ数

『新明説漢文』のページ数は約250ページです。

 

サイズも15×20cmくらいなので持ち運びに便利です。

値段

『新明説漢文』の値段は540円(税別)です。

 

管理人
はっきり言ってむちゃくちゃ安いです。

 

全国高等学校国語教育研究連合会が編著なので、安くて高品質という伝説の教材となります。

 

問題数

『新明説漢文』に掲載されている問題数は全部で19題あります。

 

ただ、これだと具体的なボリュームが分からないと思うので、下の写真をご覧ください。

練習問題はいわゆる章末問題みたいな形式で、各項目ごとに毎回あるとは限りません。

 

区切りのいい箇所で練習問題が挟まれます。肌感覚的に10ページに1題といった感じでしょうか。

 

管理人
量としては過不足ない良い感じだと思います。

 

解説の丁寧度

『新明説漢文』の解説は別冊となっています。結構薄いです。

 

冊子が薄いことから想像がつくかもしれませんが、解説には基本的には解答しか書いていません

 

しかし、所詮漢文の基本問題なので、詳細で丁寧な解説というのは必要ないと思います。

 

実際に問題を解けば分かりますが、だいたい正答できますし、間違えても解答と照らし合わせて該当箇所をもう一度確かめれば自分のミスに気づくはずです。

 

管理人
一応解説のレイアウトの写真も載せておきますね

『新明説漢文』のメリットとデメリット

上では『新明説漢文』の基本情報を確認しました。

 

ここからは本書を用いるメリットとデメリットを解説し、その次に『新明説漢文』の対象読者について述べていきます。

 

まず、『新明説漢文』を使って漢文学習するメリットですが、1冊で基本構造から句法、用字まで網羅的に学習できることです。

 

本書は大学受験の漢文の問題を解く上で必要な知識がしっかりカバーされています。

 

本当にこれ1冊で事足りるので信頼して学習を進めることができます。数多くの参考書がある中で「これ1冊やれば大丈夫」という科目や書籍は稀ですので、この点が最大のメリットと言えるでしょう。

 

 

一方のデメリットとしては、レイアウトが単調であることや説明文の使い回し&余分な知識が少し多く感じることです。

 

初学者にとっては見開いた時に情報量に圧倒されると上で言いましたが、まさにそれがデメリットで、すこしごちゃごちゃしてる感が否めないんですよね。

 

まあ、学習してから3日くらい経てば「ページのどの部分をみてどこは無視して良いか」というのが分かってくるので慣れはしますが。何しろ、編著の方々がガチの専門家ですのでそういった受験参考書を意識したレイアウトというのに力を入れていないのかもしれません。

 

管理人
ただ、それにしても安くて高品質なので多少レイアウトが雑多でも我慢して使う価値が十分あるでしょう。

 

『新明説漢文』のオススメ対象者

『新明説漢文』の編著は国語教育研究連合会なので、レイアウトをはじめとして全体的に少しお堅い感じです。

 

説明も必要なことしか書かれておらず、ポップなイラスト・図解などもあまりないため「勉強が苦手」な初学者にはあまりオススメできません。

 

本書はそれよりも、筆者のような進学校に通う「ある程度勉強に慣れている」or「文字だらけの書籍を抵抗感なく読める」学生に向いています

 

読者の中には「楽しく勉強したい」「ポップな感じで分かりやすさ重視!」「噛み砕いた解説が欲しい」という学生もいるでしょう。そんな学生にはまず『漢文ヤマのヤマ』から漢文学習に入ることをオススメします。

 

『新明説漢文』の効果的な使い方

ここからは『新明説漢文』を購入するor実際に購入した人向けに、筆者がやっていた効果的な勉強法について解説していきます。

いつから本書での学習を始めるか

まず、いつから『新明説漢文』を用いて漢文の勉強を始めるかと言いますと、おそらく多くの高校生が1年次から漢文の授業があると思うので、そのタイミングで使い始めるのが良いでしょう。

 

漢文は正直1年あれば何とかなるのですが、高3まで全くの手付かずで0からスタートというよりかは、高1から少しずつで良いのでコツコツ勉強しておいた方が精神的にも受験戦略的にも好ましいです。

 

いつまでに1周するか

『新明説漢文』の分量的に半年あれば1周できます。

 

漢文の学習はほとんどが句法ですので、逆にその習得に半年以上かけるのは2つの理由でオススメしません。

 

1つは単調な作業に飽きるから。もう1つは過去の学習内容を忘れてしまうから。

 

漢文にしかり古文にしかり英文法にしかり、文法というのは短期である程度パパっと習得してそれを後から何回も復習する方が記憶の定着に効果的ですし、学習の効率性も高いです。

 

したがって、『新明説漢文』は6ヶ月を目安に学習を終わらせましょう。

 

どのように使うか

使い方は至ってシンプルです。

 

まず1周目は上段の枠内の赤文字部分の超重要事項だけ覚えましょう。上の写真で言うと、31や32のボックスです。それ以外の黒字部分は全無視で構いません。

 

そして下段の説明欄は、1周目は重要と書かれた箇所だけ見てください。

 

漢文に限らず勉強というのは1回あたりのインプットに最小限の時間をかけます。そのため、1周目は初見とはいえ1日の学習時間はマックス20分です。全集中の呼吸で1度で覚えるつもりで暗記してください。

 

といっても無理だと思うので、1回勉強した後に不定期で3分だけパラパラ復習する時間を1日の中に数回いれておくとよいです。そうすると、何回か見る頃には結構暗記できているようになります。

 

それを最後の単元までひたすら続けてください。

 

2周目以降の勉強は次の見出しでお伝えします。

 

受験本番まで何周すべきか

『新明説漢文』は受験までに最低でも3周はしてください。これは漢文に限らず全ての科目の参考書において言えることですが、できる受験生はどんなに少なくても同じ参考書を3周はします。

 

管理人
というか3周してやっと「1周した」という感覚です

 

『新明説漢文』を1周したら、2周目は黒字も含めてもう一度同じ勉強量で初めから勉強してください。結構忘れているので焦るはずです。受験勉強は「やばい!全然覚えてない」という焦りが非常に重要です。

 

3周目は巻頭巻末ページの一覧表をメインに赤シート等を用いてアウトプットを意識した勉強をしてください。

 

その際ミスったら適宜該当箇所に戻ってもう一度丁寧にインプットしてください。時間がないからといって巻頭巻末の赤シート学習だけ続けてるとミスった単元の根本的理解ができていない状態で本番を迎えることになりかねないので必ず本文に戻ってください。

 

『新明説漢文』と併用すべき書籍・問題集

東大国語の漢文についての記事になりますが、以前東大首席が漢文の勉強で参考書以外に使っていた辞書や教材を紹介していました。

 

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やはり多くのデキる受験生は、漢文学習の際『漢語林』などの辞書を使って漢字の語源や意味を逐一調べている学生が多いです。

 

『新明説漢文』を2周くらいした時のアウトプットは、センター試験の過去問がオススメします。分量も難易度もちょうど良いです。共通テストに代わってしまいましたがセンター過去問は永久保存版の演習問題として使えると思います。

 

『新明説漢文』に関してよくある質問

『新明説漢文』に関しては基本的に以上となります。

 

ここでは最後に本書についてよくある質問にQ&A形式で回答していきます。

本屋に売ってないんですけど、どうやって入手しますか?

amazonや楽天で購入しましょう。リンクを貼っておきます。

 

白文にして読める練習をした方がいいですか?

そこまでのレベルに持っていく必要はないと思います。

 

その時間があるなら英数に時間を割いた方が受験戦略的に賢明かと。

句法を覚えるのが苦痛です。いい覚え方とかありませんか?

漢文は語呂合わせなどが難しいので地道に覚えていくしかありません。

 

インプットを極力短時間で、かつ何回も反復する方法で学習していけば長期記憶に結びつきます。

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