この記事では河合塾(冠模試を除く)の判定が信用できるのか、また判定結果を受けてどうマインドセットし受験本番まで取り組んでいけばいいかについて解説します。
筆者も受験生時代は河合塾の判定に人一倍敏感だったので、判定に悩む全国の受験生のお役に立てるかと思います。
・現役東大生ライターが執筆
・受験生時代に河合塾D判定から東大に現役合格
・100人以上の東大生に受験に関するインタビュー経験あり
河合塾の判定は甘い?それとも厳しい?
河合塾の判定は信用できるのか否かについてお伝えする前に、まずは河合塾の判定が甘いのか厳しいのかについてお話ししましょう。
結論から言いますと、河合塾の判定は進研模試より厳しいですが駿台模試よりは甘くなっています。
進研模試の受験者は偏差値が低い層が多く、駿台模試はその逆です。河合塾はその中間といったところでしょうか。
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模試としては非常にバランスが良いと言えるでしょう。
河合塾の判定を気にしない方がいい理由とは?
筆者の基本的なスタンスですが、模試の主催がどの予備校であろうと模試の判定、概念そのものが当てにならないものだと思っています。
模試としてバランスの良い河合塾模試の判定も、大まかな参考程度にするにはいいかもしれませんが、鵜呑みにして一喜一憂するのは危険だと筆者は考えます。
その理由は、そもそも受験本番でもない模試のたった1回の判定で数ヶ月から数年先の本番の合否が決まるわけでないのと、統計的に正しいはずの各判定を覆すような現象が毎年どの学校でも起きているからです。
ここでは後者の珍事件について各判定ごとにお話ししていきましょう。
A判定
まず河合塾のA判定が当てにならないことがある理由についてです。
受験あるあるなのですが、受験の世界では毎年、A判定それも全国模試の冊子に掲載されるレベルのぶっちぎりで優秀な学生がボロボロ第一志望の学校に落ちる珍事件が発生します。
みなさんも部活動や委員会の先輩周りで経験ないでしょうか?「部活の憧れの先輩が〇〇大学に落ちたらしい」などなど。
これ、不思議なんですが、毎年どの学校でも必ずといって良いほど起きる珍現象なんです。
たしかに、A判定は合格する可能性が高いことには高いのですが、絶対に受かるかと言うとそんなことは絶対ないと筆者は思います。
B判定
河合塾B判定もA判定の話と少し似ていています。
一般的に、河合塾や駿台のような全国模試でAまたはB判定がとれる学生は優秀です。河合塾でB判定がとれる学生は、学校でもぶっちぎりではないものの「結構頭がいい人」という印象でしょう。
そんな結構頭のいいB判定の学生は、実際の受験では第一志望は当然のこと第二志望まで滑って第3志望の大学に流れ着くみたいな現象を結構目にします。
大学受験で例えると、「東大志望が落ちて早慶も滑った挙句に明治大学」というパターンですね。これよく見ます。
本来、模試でB判定といったら学校や塾の先生から「合格を信じていい」と言われますが、意外にボロボロ落ちる世界であることもお伝えしておきましょう。
B判定もA判定と同様に決して油断してはいけないのです。
C判定
続いて、河合塾のC判定。
C判定と聞くとみなさんはどういった印象をお持ちでしょうか?
筆者の中ではC判定は何方かと言えば悪いというイメージがあります。
塾や学校でも「運が良ければ受かる」と言われた方も多いのではないでしょうか。
しかし、C判定からの合格者は結構目にします。
ただ、こちらの記事でも書きましたが、筆者の経験では不思議なことに下でお伝えするD判定からの逆転合格の方がよく目にします。統計を無視しまくった現象です。
A,B判定の説明をみてきた人ならそろそろ察してきたかと思いますが、受験では各判定で説明できないような現象が起きるのです。
D判定以下
だいたいの模試ではDとE判定ですね。
筆者もD判定から東大に現役合格したのですが、このD・E判定からの逆転合格が非常に多いのです。
「模試の判定が当てにならない」という場合、A判定からの逆転不合格とDE判定からの逆転合格を指していう場合が多いです。
特に、逆転合格になりやすいD判定がよく取り上げられます。
個人的な考察ですが、ある志望校を目指していてD判定以下をとってしまう学生には2パターンあると思っていて、それが逆転合格を生み出しているのではないかと筆者は考えます。
まず1パターン目は本当に勉強の才能がない学生、つまりどんなに勉強しても落ちるタイプです。一方、2パターン目は未修範囲が多かったり復習不足で未消化な分野が多い状態のまま模試を受験したパターンの学生です。
後者は伸び代が非常にあります。筆者は大器晩成型の受験生タイプなのでこれに当てはまりました。具体的に言うと、社会で日本史と世界史を選択していて、分量が膨大でなかなか学習や復習が追いつかなかったのです。
2科目で学習が追いついていないと他の教科にも余裕がなくなり学習に偏りが出てきます。そんな状態で模試を受けたので、結果は悪くて当然でした。
しかし、秋以降に全ての範囲を学習し終えると、現役生あるあるの指数関数的な成長曲線で過去問演習の点数が上がっていき、本番は今までとったことのないような高得点で合格という逆転合格を果たしました。
こういうこともあり、D判定以下からの逆転合格は意外にも多いのだと思います。
河合塾でD判定以下だから絶対落ちるなんてことはないと思うので判定が悪くてもあまり落ち込まずに頑張るのがいいでしょう。
河合塾の判定の正しい受け止め方とは?
上では河合塾の判定を気にしなくていい理由をA判定から順に体験談を踏まえて説明してきました。
ここでは、河合塾の判定をどう受け止めれば受験生として正しい姿勢であるかについて考えていきましょう。
A判定からD判定以下までまとめて言いますが、模試の受け止め方は「〇〇判定だから受かるor落ちる」という平凡な捉え方ではなく、「自分が例外になるかもしれない」という違った捉え方をするのがいいと思います。
判定的に良しとされているA・B判定だったら「判定が良かった」だと油断材料になります。ストイックに「A判定でもふつうに落ちるから今度は(本番は)首席レベルを目指そう」のように目標を高くすれば残念な結果に終わることは少なくなるでしょう。
反対に、判定的に悪いとされるC・D判定以下の学生はずっとモヤモヤしているよりも、先の内容を踏まえて「判定が悪くても毎年多くの逆転合格が生まれている。自分も頑張ろう。それにA判定でもボロボロ落ちるからまだまだ捨てたもんじゃない」くらいのメンタルで頑張りましょう。
繰り返しますが、河合塾の判定は常に例外を意識するとメンタル的にも受験戦略的にもいいと思います。
河合塾の判定よりも気にすべきこととは?
とはいえ、せっかく河合塾の膨大なデータと統計学を基にして出されたデータですから有効活用したいのも山々です。
ここでは判定を気にするよりも大事なことをお伝えします。
それは、模試の復習を通して「実力では正答できたはずの問題」を青ペンで丸なりチェックするなりして、模試の返却点に足したもので本来の実力による判定を出してみることです。
判定が良かった人にとってはずるいと思うかもしれませんが、この記事を読んでいるほとんどの人が「もっとできたはずなのに・・・」「判定に納得がいかない」と思っていることでしょうから、この方法に需要はあると思います。
もちろん、受験本番はケアレスミスをしたら実力云々関係なく減点ですが、本番でもない模試で判定が悪くて落ち込み勉強に身が入らないなんて状況になるよりは、上のような合理化をしてメンタルケアする方がはるかにメリットがあると思います。
ふぁいてぃん。