東大の倍率は3割。つまり東大を受験する受験生1万人弱のうち、6000人ほどが不合格となります。
かくいう私も、現役時はそのうちの一人でした。合格発表の日、自分の番号がそこになかった時、呆然と泣き崩れたのを私は今でも覚えています。
どんなに努力した人間でも落ちる時は落ち、不合格者たちは失意に苛まれながら自分の進路を考えます。
進学か浪人か。
東大を受験した人間ならば浪人を選ぶことも多いのではないでしょうか。1度東大を目指してしまうと、東大以外考えられなくなる、少なくとも私はそうでした。現役時には前期東大一本で臨み、浪人時にはセンターで大失敗しても絶対に第一志望が東大であることは曲げませんでした。
浪人することを決めたなら、次に考えるのは「どこで浪人するか」だと思いますが、多くの方が駿台か河合塾かで迷っていることでしょう。
そこで今回の記事では、私が浪人した河合塾についてメリットやデメリットを解説していくので、駿台か河合塾かで迷っている人がいたらぜひ参考にして欲しいです。
・現役東大生が執筆
・河合塾での浪人生活を経て東大に合格
・東大首席など100人以上の東大生に勉強法をインタビューした管理人が監修
【結論】河合塾は東大浪人にオススメ
結論からいうと、東大浪人は河合塾でするのがおすすめです。
お世話になった河合塾を推すのは当然といえば当然ですが、客観的に見ても河合塾をおすすめできる根拠があります。
以下では、その根拠となる河合塾浪人のメリットをお伝えしていきます。
河合塾で東大浪人するメリット
河合塾で東大浪人をするメリットは以下の3つがあります。
テキストがいい
河合塾で東大浪人するメリットの1つ目は、テキストが良質という点です。
知っている受験生もいるかもしれませんが、河合塾のテキストは良問揃いなことで有名です。
私自身、夏休みごろまで他の東大受験用の参考書をほぼ使わずに、河合塾の基礎テキストをやり込んでいました。
特に数学に関しては通算4週ぐらいはやり込んだと思います。
良質なテキストを使って安心して浪人生活を送りたい人は河合塾で東大浪人するのがオススメです。
面倒見がいい
河合塾で東大浪人する2つ目のメリットは、チューターさんをはじめとしたスタッフの面倒見がいい点です。
河合塾はクラスで分かれており、クラスごとにチューターがつきます。チューターさんは親しみやすい人が多く、仲良くなる生徒さんも多いです。
私もかなり仲良くなって、チューターさんとお話しすることが良い気分転換になっていました。模試でいい成績をとった時、合格した時はまるで自分のことのように喜んでくれましたし、センターで失敗したときなどはチュータさんの前で泣いていたぐらい、心の支えとなっていました。
チューターさんだけでなく、先生方の面倒見もよくて質問などがしやすかったのもよかったです。よくも悪くも個性的な先生が多いので、好きな先生ができるとその教科の勉強にとても力が入りました。
このように、面倒見の良いチューターさんやスタッフ、先生が多いというのが河合塾で東大浪人するメリットになります。
設備が整っている
河合塾で東大浪人するメリット3つ目は、設備が整っているという点です。
これは校舎にもよるのですが、河合塾はどこも校舎が綺麗で自習スペースが豊富な気がします。
私の通っていた河合塾札幌校は、開放教室、ラウンジ、自習室、別館自習室など勉強できる場所が多く用意されており、集中力が途切れたら場所を変えて気分転換をしていました。
この勉強場所を変えるやり方は本当に効果的なのでぜひ実践してもらいたいです。
この記事にたどりついた人は、 「勉強しても成績が上がらない」「自分の勉強法が合っているか自信がない」「東大生の勉強法が知りたい」 という悩みや願望を持っている人が多いかと思います。勉強が順[…]
他にも河合塾新宿校、河合塾本郷校を利用したことがありますが、どれも綺麗で使いやすい印象でした。
設備が整った学習環境を重要視する人に河合塾での東大浪人はおすすめですね。
河合塾で東大浪人するデメリット
ただ、何事にも短所があるので、河合塾での東大浪人生活で感じたデメリットを赤裸々に書いておきます。人によっては重要な判断材料となりますのでしっかり見ておきましょう。
河合塾の模試を受けることになる
河合塾で東大浪人するデメリット1つ目は、他塾の模試が受けづらくなる点でしょう。
当たり前のことですが、河合塾の模試を無料で受けられる代わりに、日程などの関係で駿台の模試などが受けづらくなります。
どの予備校の模試を受けたいかも予備校の判断基準として踏まえるべきポイントだと思います。
河合塾だと全国模試は全統模試が基本になってきますね。
他の模試もガンガン受けたいという人は河合塾での東大浪人を慎重に考えた方がよいです。
授業料は安くない
河合塾で東大浪人するデメリット2つ目は、授業料が決して安くないということです。
これは校舎やコースによっても変わるとは思いますが、決して他の予備校と比べて安くはないですし、合計金額を考えると1番高くなることもある予備校です。
札幌の河合駿台代ゼミだと、1番高かった記憶があります。少額の奨学金はありますが、大きな額の奨学金の枠が少ないです。
その点代ゼミは授業料全額免除だったのでかなり惹かれましたが、授業の質などからそこで妥協してはいけないと思い、私は河合塾で東大浪人することを決めました。
学費の仕組み・支払方法。高卒生向け大学受験科のご案内。学費の構成・支払方法・決済手段、ご請求・お支払いスケジュールを確認…
授業や予習の量が多い
河合塾で東大浪人するデメリット3つ目は、授業や予習の量が結構多いという点です。
河合塾はテキストを軸に塾生の学習プランが考えられているので、予習復習の量は比較的多いです。予習復習をしっかりやっていると日々が過ぎていく感じですね。
テキストしかできていない、と焦るかもしれませんが十分に価値のあることをやっているのでそれをしっかりこなすだけで実力は伸びているので大丈夫です。
一方で、「自分である程度好きな勉強をしたい!」という東大浪人生にはあまり向いていないかもしれません。そういう人はそもそも駿台も河合塾も合わないので、予備校で浪人生活を送るのではなく、宅浪するのがいいかと思います。そこらへんは自己判断、自己責任で決めましょう。
東大受験に失敗してしまった時、真っ先に悩むのが「予備校どうしよう…」という問題だと思います。 実際、筆者も不合格になった時には悲しむ間もなく予備校探しをはじめました。県内に予備校がなかったため隣の県の予備校に通い始[…]
河合塾での東大浪人生活はこんな感じ
河合塾では基礎シリーズと完成シリーズに分かれており、前者では志望大学に関係なく幅広く基礎的な内容を復習し、後者では本格的に大学別の対策を行います。
東大受験生といえども意外と基礎で抜けがちなところがあるので、その総復習という点で、東大受験生だけでなく全受験生にとって良いシステムだと思います。基礎力なしに過去問演習を始めてもただただ点数が伸びないことが続くだけです。
「基礎力を固めよう!」と思っても「何からやればいいの?」って途方にくれますよね、河合塾の基礎シリーズは本当に良問が集められていて、そんな人たちにぴったりです。
以下では、季節ごとに河合塾東大浪人生活を書いていきます。
春
河合塾での東大浪人生活は、春にクラスの顔合わせや予備校内テストが行われます。
授業数がそこそこあり、移動教室的な感じでやるので高校の授業みたいな雰囲気です。
まずは予備校に毎日行って授業に参加し勉強習慣をつけるよう意識していました。思ったよりも授業数は多かったですが、最初から切るようなことはせず最初のうちは全部出ていました。
1限が多くて辛いですが、それを昔チューターさんに言ったら「あえて入れているんだよ」と言われました。浪人生は特に生活サイクルや勉強サイクルが乱れがちです。
1限の授業にきちんと出席することの意義を理解してしっかり生活と勉強のリズムを整えるようにしていましたね。
夏
河合塾の東大浪人クラスの授業に慣れてきたと思ったらあっという間に夏休みです。
計画表を予備校で書くことになるので、ある程度見通しを持って夏休みに入りました。
ここで基礎テキストの解き直しをしていました。特に数学。年度初の大学別模試も夏休みにあるのでその前には少し過去問やオープン模試の過去問に触れておきました。やっぱり模試でいい点数をとれるとモチベーションが上がりましたね。
また、夏季講習は大学別の講義を受けるか、あるいは自分の苦手分野の講義を受けてました。予備校の夏休みは比較的長いです。そこでサボってしまう人もボチボチいるので、講習を入れて気合を入れ直しました。
夏休みでも毎日予備校にくる、などの目標を立ててたのも良かったと思います。教室は涼しくて快適ですし、やっぱり予備校にいると周りが勉強しているので自分もやらなくては、という気持ちになりますよね。
秋
夏休みが終われば河合塾の東大浪人生は完成シリーズの始まりです。
基礎シリーズよりは問題のレベルは上がるので、予習に取られる時間が増えます。でもそれで良かったと思っています。難しい問題を解き切る力、考える経験も実力をつける上で欠かせないからです。
夏休みまでに積み上げた基礎力で、たくさんの演習をしました。
ただし、このぐらいの時期からはセンター試験(現共通テスト、以下センター試験という。)も近づいてきます。河合塾では週に一回センター試験の問題が配られて任意でそれぞれが取り組んでいました。
冬
河合塾での東大浪人生活も終盤、完成シリーズが終わって冬休み。
年内ぐらいまでは2次対策も少し続けるぐらいが良かったのかなと反省しています。私は河合塾の東大むけの冬季講習を受け終わる年内までは2次に全振りして、年があけてからセンターに全振りしました。遅すぎですね(笑)。
ここに関しての配分は、私はセンター試験に失敗しているので反面教師にしてください。いくら東大の2次配分が高いとはいえ、共通テストで稼ぐ点数も十分大事。共通テストが取れないとメンタルもやられてしまうので、甘くみすぎない方がいいです、本当に。
センター(共テ)明け
河合塾の東大浪人生活もあとはもう2次試験対策をするのみ。
直前のテストゼミなども河合塾がやってくれるのでガンガン受けていました。いい試験の練習になります。共通テストがよくても油断しないように、悪くても過度に不安になりすぎないように、という気持ちで最後の追い込みをしてました。
正直ここで踏ん張り切れるかどうかが、合否を分けます。
河合塾での東大浪人でよくある質問
以上が河合塾での東大浪人の基本情報でした。
ここでは最後に、河合塾での東大浪人でよくある質問に答えていきます。
特待生とかあるの?
駿台は全国で上位何人、というように選ばれるようですが、河合塾は校舎ごとなので校舎内で成績が良ければ簡単に特待自体は取れます。ただ、札幌校の話をすると、授業料全額免除が一人、半額免除が二人なので大きな額の特待を狙うには少し枠が狭かったですね。
特待を狙うのは、授業をきちんと出て、模試の成績をキープするモチベーションにもなるとは思うので、捉えよう次第ですね。私は授業料半額免除の特待をとることができました。
予備校には、成績が優秀だと授業料が免除などになる特待生制度というものがあります。駿台・河合塾・東進の特待生制度とはどのよ…
他の予備校にしておけばよかったって思うことはある?
特にないですね。。。この記事で河合塾をお勧めしていることからも分かる通り、特に河合塾に大きな不満もなくむしろよくお世話になったので、私は河合塾を選んだことに後悔はしていません。
おわりに
この記事では河合塾での東大浪人をおすすめしてきましたが、正直予備校で合否が決まることはなく、自分の頑張り次第なのだと思っています。
どの予備校を選んだとしても、日々自分自身と向き合って諦めずにやり抜くこと。これが一番大事ですね。
ただし自分にあった予備校を選ぶことで、「自分がどれだけ頑張れるか」や「自分の成績の伸び」は変わると思います。自分がいいと思った予備校でやるからこそ頑張れる、というのがありますよね。
浪人は正直しんどいですし、何回もできるものでもない。それでも自分の今後の人生を大きく左右する大事な1年間です。だからこそ後悔のない1年にしてほしいと強く思います。
ぜひこれから浪人する人たちには、いろいろな予備校をみて話を聞いて吟味して、自分にあった予備校を見つけてほしいです。そして予備校選びのための1つのリソースとして私のこの記事が役立つことを願っています
学生「一浪して東大行こうか悩んでる」「一浪したら東大生でも就活に影響ある?」 浪人を決めるときに必ずぶち当たる疑問&悩みですね。 今回は、「東大は一浪してまで行くべきところ[…]