東大受験に失敗してしまった時、真っ先に悩むのが「予備校どうしよう…」という問題だと思います。
実際、筆者も不合格になった時には悲しむ間もなく予備校探しをはじめました。県内に予備校がなかったため隣の県の予備校に通い始めたのですが、新幹線での通学時間や授業のスケジュールがかなりの負担になってしまい、すぐに宅浪に切り替えました。
今振り返るとどうしてあんなハードな生活を送ろうと決めたのか理解できないのですが、ネット上に東大宅浪の情報が全然なかったので仕方がないと言えば仕方がなかったと思います。
しかし、未来の後輩には自分と同じような経験をしてほしくないので、今回は東大宅浪受験の経験者である筆者が宅浪のメリット・デメリット、失敗しないコツをお伝えしていこうと思います。
記事自体は3分程度で読み終わるので是非最後までご覧ください。
東大宅浪受験が上手くいく人の特徴
「宅浪で東大なんて失敗するに決まっている」「予備校に行かないと受かるわけがない」
受験に失敗した直後は後悔や焦る気持ちが大きく、こう考える人が多いと思います。宅浪という選択肢すら浮かばない人もたくさんいるはず。実際に東大の中でも宅浪を経て入学した人は多くはない印象です。
しかし全くいないというわけではありませんし、筆者が出会った宅浪経験者はほとんど皆「宅浪だったから合格できた」と言っています。
東大宅浪受験する人の性格は様々!
では東大宅浪受験で失敗しないのはどのようなタイプの人間なのでしょうか。
宅浪というと、孤独に耐えられるいわゆる「ぼっち」気質の人間か、はたまた固い意志のもと淡々とやるべきことをこなせる超真面目人間、などといったイメージがあるかもしれません。
しかし実際は本当に様々です。一人で作業するのが好きな人がいる一方で、ものすごく社交的な人もいるし、筆者のように今やなぜ宅浪生活が送れていたのかわからないくらい怠惰な人も割といます。
つまり私の経験上東大宅浪受験に特別な資質は必要ありません。宅浪をしようと決意した段階でやる気は十分だと思いますから、あとはやるだけです!
基礎がしっかりしている人
また高校時代の受験勉強の方法も本当に人それぞれです。高校での勉強がメインだった人、塾にバリバリ通っていた人、Z会などの教材を活用していた人など多岐に及んでいます。
その中であえて共通点を挙げるとすれば、それは基礎がしっかりできていることです。当たり前のことですが、宅浪と予備校での浪人の圧倒的な違いは授業があるかないかなので、宅浪は次々に新しい知識をいれていくというよりも演習をこなしまくるという勉強スタイルに特化していると思います。
そうなると基礎的な部分は頭に入っていることが前提になってきますが、地方の公立高校出身で塾にもほとんど通った経験がない筆者でも最低限の基礎力はついていたので、現役時代も東大をはじめとする難関大を受験した人であれば問題ないと考えてよいと思います。
東大宅浪受験のメリット
以下では最初に東大宅浪受験のメリットをお話しした後にデメリットについてお伝えしていきます。
自分のペースで勉強できる
宅浪のメリットは何と言っても自分のペースで勉強ができることです。
高校時代は授業があるため、学校以外の勉強は空き時間にしかすることができません。予備校に通った場合も少し自由度は高くなるものの、やはり拘束時間があります。
その点宅浪は自分の好きな時に好きな内容の勉強ができるため、時間の融通がかなり利きます。得意分野と不得意分野の差が顕著な人、映像授業や通信教材を活用したい人は特にその重要性を実感できるのではないでしょうか。
あまりに自由に時間を使えるため宅浪をしばらく続けていると曜日の感覚がほとんどなくなってしまいますが、土曜日だろうが日曜日だろうがひたすら勉強し続けることに変わりはないので問題ありません。
余計なことで悩まないから集中できる
東大宅浪受験の二つ目のメリットは余計なことを考えずに済むということです。
この世にはどんな環境でも全く動じない強メンタルの持ち主もいますが、東大受験に失敗して浪人生活を送るとなると程度の差はあれどうしてもストレスを感じやすくなってしまいます。
筆者が予備校通いをやめた理由の一つもここにあります。予備校という特殊な環境になかなか適応できず、通学時間の長さもあわせて明らかに勉強の効率が落ちてしまいました。
そこで予備校に固執せずに宅浪に切り替えられたのは我ながら良い判断だったと思っています。東大宅浪受験を選択した結果、周りを気にすることなく自分のやるべきことだけに集中できるようになりました。
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東大宅浪受験のデメリット
次に東大宅浪受験のデメリットを赤裸々にお伝えしたいと思います。
メンタル管理が大変
東大宅浪受験で筆者が最も苦労したのは自分のメンタルを正常に保つことです。
宅浪中は家族以外ほとんど誰にも会わずに過ごしていて、今考えると本当に申し訳ないことですが、精神的に参ってしまい家族に当たってしまうことがありました。
楽しそうなキャンパスライフを送る友達を羨望の眼差しで見ながら一人黙々と勉強するのは結構大変なことです。ですので宅浪をする際には簡単にできる息抜きをすることをおすすめします。
ストレスを溜め込んでしまうと勉強の効率も確実に落ちてしまうため、定期的にリフレッシュして自分をいたわってあげてください。
ちなみに筆者は運動不足の解消目的と英語の勉強も合わせて、好きな映画を英語音声・英語字幕で見ながら踏み台昇降をしていました。
生活リズムが乱れる
東大宅浪受験のもう一つのデメリットとして考えられるのは生活リズムが乱れてしまうことです。
筆者は家族のおかげで宅浪中も規則正しい生活を送ることができていましたが、大学がオンライン授業続きの今では昼夜逆転寸前の状態に陥ってしまいました。
一度乱れた生活リズムはなかなか元に戻らないことを身をもって実感しています。
大学生はまだ大丈夫ですが受験生にとってそれは致命的です。特に東大は試験時間・日程が長いですから、午前中から長時間にわたって頭をフル回転させられるようにコンディションを整えなければなりません。
そのため宅浪中の東大受験生は人一倍規則正しい生活を心がける必要があると思います。
寝る間も惜しんで勉強したくなる気持ちはよくわかりますが、受験当日の自分のためにも生活リズムを一定に保つことが大切です。
東大宅浪受験を失敗しないコツ
ここまで東大宅浪受験のメリット・デメリットをお伝えしてきましたが、ここからは筆者の考える宅浪を失敗しないコツを紹介していきたいと思います。
東大模試を受ける
東大宅浪受験で失敗しないためのコツ一つ目は東大模試を受けることです。
東大受験者のたくさんいる高校や予備校では東大模試が校舎で受けられる場合が多いですが、宅浪をしていると模試の案内が来ることはないので、自分で申し込んでどこかの会場にいかなければなりません。
地方の会場だと数人、場合によっては自分一人しか受験者がいない場合もあるため、本番の受験会場に似た雰囲気の中で受けたい!という場合は東京の大手予備校で受けるのも手です。筆者も一度だけ駿台御茶ノ水校で受けたことがあるのですが、久しぶりに大量の人間を見たため怖くて震えました。
話が逸れましたが、なぜ模試を受けるのが大切かというと自分の得意・不得意を定期的に把握して、その都度自分の勉強スタイルを見直しアップデートすることが最も重要だからです。
予備校では先生やチューターの方からアドバイスをもらう機会があると思いますが、宅浪ではそれを全て自分で行う必要があります。その作業を行う際に成績表と採点された答案用紙という貴重な資料がとても役に立つのです。
宅浪生が模試を受けにいくハードルは少し高いかもしれませんが、絶対に全ての模試を受けるのがおすすめです。
他の東大受験生と比較しないこと
東大宅浪受験に失敗しないコツ二つ目は、自分と予備校生・現役生とを比べて落ち込まないことです。
先ほど駿台御茶ノ水校の話をしましたが、大きい会場では休み時間になるとあちこちで答え合わせが始まります。それが耳に入ってしまうと、自分の答えが間違っていたような気になったり、不安になったりしてしまうかもしれません。
また「受験は情報戦」とよく言われることから、大手予備校の生徒は自分の知らない重要な情報を持っているのでは…?と疑り深くなってしまう可能性もなきにしもあらずです。しかし、東大受験に情報が必要なのは事実だと思いますが、それが最重要事項というわけではありません。
大切なのは受験当日に問題をきちんと解いて合格することです。当日の問題はどんなカリスマ講師でも知ることはできません。小手先のテクニックのようなものがあったとしても、それは25ヶ年を全教科それぞれ何周かすればある程度自分でも掴むことができる程度のものだと考えています(浪人生は一年分のアドバンテージがあるのでなおさら)。
一見すごそうな他の人たちを見て不安に苛まれるよりも「自分の方が絶対できる」くらいの気持ちの余裕を(自分を騙してでも)持っておくのが良いと思います。
実際、宅浪で自分の弱点を克服し得意を伸ばすことを意識した勉強スタイルを維持していれば、強がりでもなんでもなく東大受験者の中でもかなりの実力をつけることは十分可能です。
結論:漠然とした理由で迷っているなら東大宅浪受験がおすすめ
以上、東大宅浪受験について筆者の体験をもとにお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか?
はじめの方であらゆる人に宅浪で成功するポテンシャルがあると述べました。本当にそう思っていることは確かなのですが、宅浪以外の様々な手段についても一度検討してみるのが大切だと思っています。
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筆者も短期間ですが予備校に通ってみて自分が宅浪向きの人間だと悟りましたし、人それぞれに適した浪人生活があることは間違いありません。
ただもう一度宅浪のメリットを強調しておくとすれば、それは周りに惑わされず自分のペースで勉強に打ち込めることです。
それを一年続けることができればどんな人でも宅浪で東大合格を手にすることができると筆者は考えています。
ここまで読んでいただいて「宅浪は自分でやらなければならないこと・考えなければならないことが多そう」と思われる方もいらっしゃると思います。誰からもアドバイスはもらえないし、決まったテキストもないのは確かです。
しかし先ほどもお伝えしたように東大受験に必要なことは勉強を続け、模試を受けていればある程度簡単に自分のものになってくると思います。東大入試は過去問の解説も豊富ですし、先輩たちの勉強法もこのサイトをはじめ手軽に入手することができます。
予備校に行かない分、自分の負担になることは案外少ないのです。
何より予備校を選んでも宅浪を選んでも本当に合格したいのであればその一年間は死ぬ気で勉強することが大前提なので、もし「なんだか大変そう…」という漠然とした理由で迷っている方がいれば宅浪を全力でおすすめしたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。