浪人を決めるときに必ずぶち当たる疑問&悩みですね。
今回は、「東大は一浪してまで行くべきところなのか」と「東大一浪のリアルな実態」について、一浪経験がある現役東大生の筆者が赤裸々に話します。
正直、学校や塾ではなかなか知ることのできない、かなり重要なことを話しているので、ぜひ最後までご覧ください。記事自体もたったの3分程度で読み終わります。
・東大一浪の詳細
・東大は一浪してでも行くべき大学か否か
・一浪で東大に合格するために必要なこと
東大一浪の基本情報
京大に比べて東大は浪人が少ないですが、それでもやっぱりどのクラスにも少なからず浪人経験者がいます。
文系なら河合、理系だと駿台で浪人していた人が多いです。(文系駿台、理系河合も普通にいます)マイナーな予備校や塾で浪人してた人もちらほらいます。仮面浪人してきた人は大体早慶出身です。宅浪はほとんど見かけません。
以下では、東大の一浪に関して毎年多くの受験生が気になる「合格率」「一浪の割合」「難易度」「メリット」についてお話ししていきます。
東大一浪の合格率
しかし、科類によって違いもあります。詳しくはこちらの記事に載っています。
合格者の現役・浪人別の割合をみると全科類の合計ではこの10年間も大幅な変動はなく、その割合は概ね2:1となっています。た…
東大における一浪の割合
先程と同じサイトを見てみて下さい。
東大に一浪合格する難易度
もちろん、100数点差落ちから翌年合格した事例も存在する一方で、前年僅差落ちなのに浪人しても落ちてしまった人もいます。
しかし、やはり余裕で受かる人の多くは前の年は数点差落ちだった事が多いですし、数十点差落ちとか京大阪大落ちの子はまた落ちてしまう事が多いです。
また、自分の性格のタイプによっても変わってきます。もう1年間油断せずコンスタントに努力し続けられそうなら、例え現役時は大差落ちでも翌年は合格できる可能性がかなり高まります。
学生「東大ってどれくらいの難易度なの?」「東大入試は難易度高そうだからやめとこうかな…」「実は基礎問ばかりって聞いたけど嘘だよね?」 こういった疑問や悩みを持つ方は多い。 […]
東大一浪のメリット
厳しい事を言うようですが、医学部浪人と違って、東大を目指して浪人する事はそこまでお勧めできるものではありません。
まず大前提として、浪人するという事は働き盛りの1年を犠牲にしてそれを高校の勉強の復習に費すという事を意味します。恐らく一番稼げるであろう人生最後の1年分の収入と、仕事で得られる経験やスキル等を失うという事です。つまり、浪人は自分の人生にとってマイナスに働くところからスタートするという事を覚えておいて下さい。
また、東大という学歴を過大評価しないように注意してください。例えば、就活時の学歴の強さは慶應も東大と肩を並べているといって良いです。そのため、僕なら現役で慶應に受かっている子が浪人して東大を目指すのにはあまり賛成できません。
京大、一橋、東工大あたりなら、最も学歴に厳しいとされる外資系の投資銀行やコンサルへの就活で弾かれる事はないようです。東大合格が無理でも、現役でその辺りへ行って入学後も努力し続ける道の方が、人生全体で見た時に得られるメリットの総量は多い気がします。
医学部志望の浪人生が理3を目指すのも手離しで勧められるものではないです。理3入試の難易度はとてつもなく高いため、何度受けても合格するレベルへ1年間で到達するのは他の科類に比べて非常に難しいです。現に理3合格者の8割ぐらいが現役生であり、合格できるような人は現役の時点で突破してしまうように思えます。
また、理3に入りその後東大医学部を卒業したとしても、入試難易度に見合ったメリットを享受できる訳ではないようです。
メリットとしては、
・東大系列と慶應系列の病院が多く、勤務医として採用してもらう時に確率が高くなる。特に東大病院で。(東大病院は人気で、全国の医学部のトップ層が集まってくるらしい)
・日本最難関の大学入試を潜り抜けた理3生という称号を手にでき、ちやほやしてもらてる機会が少し増える
・東京で学生時代を送られる。
・国立なので、他の国立医学部と同様に私立に比べ学費が圧倒的に安い
くらいしかなく、それならもっと軽い勉強で確実に他の国立医学部に行こうと考える人も多いです。
このように浪人は、ただなんとなくやるだけでは自分の人生にとってプラスに働く事はありません。
しかし、浪人の1年間勉強を頑張り続けて第一志望校に合格する事で、高い目標に対しある程度の期間集中して努力し、成し遂げるという成功体験を得る事ができます。
また、(恐らく現役の時よりも)プレッシャーがかかり苦しい中でも頑張り抜いた結果、精神的な強さを得る事もできます。更に、もう1度頑張って東大に合格する事ができたなら、東大に未練を残し学歴コンプレックスを一生抱える事態も防げます。
記事のタイトルをみて「何をふざけたことを言っているんだ。ひょっとして嫌味か?」と不愉快に思われる方もいると思う。 たしかに天下の東京大学に入ってまで「学歴コンプつらい…ぴえん」なんて言っているやつがいたらぶん殴りた[…]
もし妥協せず努力して成功を収めたのならば、こういった直接的な形を持たないけれども自分の人生にとって大切なものを得られるというのは浪人のメリットの1つです。
また、先程は東大という学歴を過大評価しないように注意しましたが、なんだかんだやっぱり東大ブランドには他の大学にない力があります。また、東大に入ると周りに優秀な人が増えて感覚がインフレするので、自分も周りにつられて成長しやすいです。将来活躍する人の割合も他の大学より多く、ここで人間関係を広げておくとただ単に友だちが増える以上の価値があります。周囲に能力の高い人間が多いと良い刺激が得られます。
ただ、これらのような浪人で得られるメリットはやはり成功する事が前提です。もし浪人するなら、覚悟を決めて絶対に成功させるよう頑張って下さい。
付け加えになりますが、多浪は本当にやらない方が良いと思います。多浪してしまった人を差別する訳では決してないですが、流石に2年以上を犠牲にすると、多くの人にとってデメリットの方が上回ってしまう気がします。受験生の時は浪人のデメリットを過小評価し、東大ブランドを過大評価しがちなので気をつけて下さい。
タケヒサ東京大学前期教養学部理科Ⅲ類の2年生。5年に渡る浪人生活の末に見事日本最高峰の理科三類に合格を果たした。合格掲示板前で番号を見つけた時に本当に嬉しそうに「よっしゃあ!!」と叫んでいた彼を偶然見ていた管理人は彼の感[…]
東大一浪受験の実態
まず、予備校での浪人・仮面浪人・宅浪に分けて僕の周りの体験談を元に簡単に語っていきたいと思います。
予備校浪人
予備校で浪人すると大体100万近くかかります。代ゼミだと不合格者ランクがA〜Bならほぼ無料で通わせてくれたとか、超有名進学校出身だと駿台が60万割引してくたといった話は聞いた事がありますが、やはりお金がかかります。
また、値段に見合った価値のない授業や講師も多いように感じます。パフォーマンスの悪い先生の授業を生徒が段々切るようになるのはどこの予備校でも見られる現象です。(ただ、授業切っててもその間自分できちんと自分に合った勉強をしてる人は第一志望に合格する事が多いですが、遊んでる人は大体落ちてるので、切るにしろ切らないにしろちゃんと勉強しましょう)
ただし、予備校にいると情報は入ってきやすいです。入試に関する情報や過去の生徒の事例を知りやすくなります。もし駿台生なら話しかけやすいクラス担任にいっぱい聞きまくりましょう。その情報によって希望が見えたり、より緊張感を保ちやすくなったりします。
それに仮面や宅浪と違って、受験勉強に励む仲間が周りにいる事も予備校の良い所です。個人的にはこれが予備校に通う事で得られる一番のメリットだと思います。ライバルから刺激をもらってモチベーションが維持しやすくなりますし、適度に人と会話する事で心の健康も保ちやすいです。
更に、外部からの強制力がある事によって勉強のペースを保ちやすくなります。気が乗らない時でも「お金をこれだけ払ってるのだからサボる訳にはいかない」と思って机に向かうようになる事が多いです。なんだかんだ予備校に通うのが一番良い選択肢な気がします。
東大の倍率は3割。つまり東大を受験する受験生1万人弱のうち、6000人ほどが不合格となります。 かくいう私も、現役時はそのうちの一人でした。合格発表の日、自分の番号がそこになかった時、呆然と泣き崩れたのを私は今でも[…]
仮面浪人
次に仮面浪人の話をします。
仮面浪人の良い所は、例え全落ちしても大学生という身分が保障されていたり、もう一度受験するかどうかの決断を一旦大学生活を送ってから決められるという事です。
これは滑り止めの早慶には合格した場合、特に僅差落ちやびっくり不合格等で学力的にかなり高いレベルにある人には有効な選択肢でしょう。
実際、早慶で仮面浪人して東大に来た人はちらほらいます。秋まで大学生活楽しんで、11月くらいから受験勉強やっても受かったみたいな人が僕の周りに3人いますが、全員現役時は数点差落ちだったようです。
こんにちは。僕は慶應義塾大学で一年間仮面浪人した後に東大文科二類に合格することができた者です。 今回は僕の個人的な東大仮面浪人の経験について書かせていただきます。 ただし、以下は僕の個人的[…]
それ以外の浪人形態
東大受験で浪人する人の中には上で紹介した予備校浪人、仮面浪人以外にも自分の家で一人黙々と浪人生活を送る形態があります。
詳しくはこちらの記事にあるので、該当者は是非みてみてください。
東大受験に失敗してしまった時、真っ先に悩むのが「予備校どうしよう…」という問題だと思います。 実際、筆者も不合格になった時には悲しむ間もなく予備校探しをはじめました。県内に予備校がなかったため隣の県の予備校に通い始[…]
浪人中の恋愛
最後に恋愛についてです。「恋愛してる浪人生は落ちる」みたいなテーマがたまに議論されるらしいですが、僕の意見は「あまり勧めないけど、両立できる」です。
浪人生に限らず恋愛に溺れた受験生はそうでない人達に比べて不合格になる確率が高いです。特に、カップルの内男の方が落ちるみたいなケースはかなり見かけます笑!女子の方が切り替えがうまいのかもしれません。また、2人の内大学に通っている方が浮気なり心離れなりして受験生側が傷ついて勉強に手が付かなくなるみたいな図式もあるあるです。
ただ、片想いなり付き合うなりしながらも第一志望に受かった浪人生が僕の周りだけでもそれなりにいます。本質は恋愛するかしないかではなく、その人が勉強以外の事を適度に楽しみつつも勉強する時はちゃんと切り替えられるマインドの持ち主かどうかというところにあると思われます。
つい先日、現在浪人中の後輩から、一通のLINEが来ました。 「今お時間よろしいでしょうか?実は、ぜひとも相談したいことが…
【後日談】一浪で合格できた理由を考察
ありふれた事かもしれませんが、これはもう「真面目に向き合い続けた事」の1点に尽きると思います。
大学で遊んでる小中高の同期が羨ましくなったり、思うように結果が出なくて精神的にきつくなったりした事は数知れません。
単調な日々に嫌気が差して投げ出したくなった事もたくさんありました。
それでもなんとか堪えて勉強に対して真摯に取り組み続けられたからこそ最後に成功を収められたのだと思います。