東大生ライター西岡壱誠の『東大読書』系列本を読むにあたっての注意点を一般東大生が解説します

最近、学生や保護者だけでなく、東大生の間でも受験勉強ライター「西岡壱誠」が話題になってきている。

「東大」という文字をふんだんに使った彼の著作が将来受験を控えている中高生たちから注目を集めている一方、一部の東大生から「『東大』という主語がデカすぎる」「某東大生ライターがまた記事を出した…」等のネガティブな意見が出ているのも事実。

本が大手出版社の会議を経て全国出版されているということは、基本的には受験生にとって有益な情報が載っているのだろうが、上のような東大生の反応をみる限り、どうやら西岡壱誠が発信する情報には少し注意する必要がありそうだ

しかし、こうした一般東大生の批判的な意見が健気な中高生やその保護者たちに届くことはTwitterをやっていない限りほとんどない。

そこで今回、東大勉強図鑑の管理人である現役東大生の筆者が、西岡壱誠の著作を紹介しつつ、彼の著作物を読むにあたっての注意点や長所・短所をまとめて紹介してみることにした。記事の最後には、勉強法全般を扱った本や記事を読む際の注意点も書いているので、ぜひ最後まで見ていただきたい。

「東大ブランド」を濫用した著作活動に対して批判的な記事を書いている筆者も、このように「東大勉強図鑑」などという受験情報メディアを運営している。第三者からみたら致命傷レベルのブーメランを自分に向かって投げているようで、なんとも滑稽に映るかもしれない。ただ、実際に100人近くに及ぶ様々な東大生の勉強法を偏りなく紹介している当サイトの責任者として、ブーメランが刺さっているように思われてでも、偏った情報の被害に遭う情報弱者の増加を防ぎたいという公益性に根ざした使命感が私にはある。
これを読んでいる中高生のみんなはこの記事の情報も鵜呑みにすることがないようにくれぐれも気をつけて欲しい。何事にも常に中立的で批判的な姿勢で臨もう!

西岡壱誠のプロフィール・経歴

この記事を読んでいる人の中には、「そもそも西岡壱誠を知らない」という方もいるかもしれないので軽く紹介しておこう。

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現役の東大生の西岡さんとコルクの進藤さんと食事 西岡さんはこの若さで18万部ものベストセラーとなった東大読書の著者。 くーちゃん。 西岡 壱誠 (にしおか いっせい) Issei Nishioka 東京大学4年生 1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「暗記術」「読書術」、そして「作文術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。東京大学で45年続く書評誌「ひろば」の編集長を務める。講談社『モーニング』で連載中の「ドラゴン桜2」に情報を提供する東大生団体「東龍門」リーダーを務める。また全国4つの高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施、高校生に勉強法を教えており、静岡県沼津市にある誠恵高校では理事長付学習特別顧問を務める。18万部のベストセラーとなった『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)など著書多数。 #東大読書 #東大 #著者 #素晴らしい #天才 #アカデミック #読書 #文学 #iq #食事 #浜田山 #くーちゃん #西岡壱誠 #book #ベストセラー

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出身

筆者が調べた限りでは、出生地が北海道、出身地は東京都となっている。

中学

中学の情報は残念ながらわかっていない。高校が中高一貫の宝泉学園高校らしいので、もしかすると出身中学は宝泉学園中学ということになるかもしれない。

高校

出身高校は東京都中野区にある宝泉学園高校。もともとは中野高等女学校という女子校だったらしいが、2007年に中学・高校が共学となったという。

学部・学科

西岡壱誠は現在東京大学経済学部経営学科に在籍中の4年生ということがわかっている。

さんまの東大方程式に出演

TV出演歴として「さんまの東大方程式」に出ていたことがあるそうだ。

YouTubeチャンネル「スマホ学園」

新型コロナウイルスが蔓延して学校に行けなくなってしまった小中高生たちのために、東大生がYouTubeで無料の授業を配信するという企画があった。現在も続いているそのチャンネルが「スマホ学園」。

おそらくスマホで学べるからそのような名前となったのであろう。

同じく東大生の勉強法を無料で公開する活動をしている身として、彼の行動には一種の感動を覚える。

西岡壱誠の著作『東大読書』(簡易要約)

話題を呼んでいる彼の著作を紹介しよう。

『東大読書』

「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書

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『東大読書』は、本を読む前に準備段階として「装丁読み」「仮説作り」、実際に読む際にインタビューをするつもりで「取材読み」をし、それと同時に複数冊の類書を読む「検証読み」、最後に(よくわからないのだが)アウトプットを意識した「議論読み」をすることで読解力と地頭力を強化するという摩訶不思議な方法が書かれた本である…。

筆者も昔、ほんの一瞬だが西岡壱誠とつながっていた時期があり、本人から直接「本を買ってくれたら東大生図鑑に協力してあげるw!」と言われ、心躍るままにこの『東大読書』を購入し、彼にインタビューするまでに全部読もうとしたことがあるのだが(取材協力の約束は反故にされた。残念(゚∀゚))、読んでいる最中に、彼がいう「東大生がみんな無意識にやっている読書法」というのがあまりにも自分のそれとはかけ離れていたことにショックを受け、完読するのを断念した辛い思い出がある。

「ふつうの東大生たちは普段からこんな複雑な読み方をしているのか」(絶望)

これは、おそらく筆者の読む能力が一般的な東大生に遠く及ばないレベルで低かったからだと思ってみたのだが(中3の時開成オープン模試で国語全国1位をとったことが信じられん)、後日筆者の東大同期に聞いてみると「いや、そんな読み方はしてないな」とみな口を揃えて言うものだから、わけがわからなくなった。自分は本当に東大の学生か不安になりその場にいた全員の学生証を確かめたのだが、たしかに「東京大学」の4文字が印刷されているのである…。

(Amazonのレビューからこの記事の趣旨に関係ありそうなものをピックアップした。高評価が少ないのは偶然なので許して欲しい。)

Amazonレビュー抜粋①
seasideoyajiさん

評価: 3.0

昨今、日本では東大ブランドをマスコミが持ち上げている状況があり、仕方ないのかもしれませんが、THE(Times Higher Education)で発表している世界大学ランキングによれば、東大は第42位、アジア大学ランキングでは第8位です。
要するに、世界では中位レベル、アジアでも中国、シンガポール、香港の大学に後塵を浴びています。

ことさら「東大では・・」「東大生のみんなは・・」の枕コトバでものを語るのは、恥ずかしいし、もっともっと世界は広いですよ。

私がもっともガッカリしたのは…(以下省略)

Amazonレビュー抜粋②
池田一平さん

評価: 5.0

この本のやり方を試すと、全然先に進めない。
でも、得られる知識は前とは比べものにならないくらいに多くなった。

Amazonレビュー抜粋③
Amazon Customerさん

評価: 3.0

『東大読書』と銘打っているが、その意味するところは、(自称)低偏差値だった著者が、東大に合格するまでに実践していた読書方法だった。
従って東大生全員がこれを実践しているわけではない。
また著者自身についても、この読書方法が奏功して東大に合格したのかどうかもわからない。
他の勉強法や地道な努力が報われたのかもしれないし、著者自身に元々受験の素養があったのかもしれない。
それらのことから、この読書方法の実効性は必ずしも保証されていない。

西岡壱誠の本を読む際の注意点とは?

西岡壱誠の本を読む際の注意点とは何なのだろうか?

一般人がふだん意識しにくい視点から解説していこう。

3000人いる東大生の1意見であることを念頭に置こう

西岡壱誠といえども1学年約3000人いる東大生のうちの1人に過ぎない。(実際は学部全体が3000×4で12、000人いるので…)

この表現は「3000人に1人の天才」ともとれるし、ひょっとすると「3000人の中の平凡な1人の東大生」ともとれる。解釈は読者に任せるが、ここでは彼を天才ということにしておこう。

このとき、世間的に「天才」とされている東大生3000人の中のトップ層の意見・勉強法を鵜呑みにして真似することの愚かさが想像できるだろうか?それはいささか危険ではあるまいか?本屋の”自己啓発コーナー”や”勉強法コーナー”あたりを思考停止でふらふらとしているような一般人たちが、そのような”情報商材”を喜んで購入して、鵜呑みにして、実践して、その域に到達できるとは、申し訳ないがとても想像できない。

参考までに、このサイトには東大理科三類という日本最難関に首席で現役合格を果たした東大女子の勉強法の記事があるのだが、彼女にインタビューした際に「たまたま1回の試験で首席合格だっただけなので、私の勉強法を強調し過ぎないように書いて欲しい」と頼まれ心の底から震えるほど感動した覚えがある。

東大理三首席合格にしてこの域に達しているのか!!!!!!

彼女もきっと、「首席合格者である自分の勉強法を鵜呑みにするのは危険」というのを十分に分かっていたのだろう。

東大理三首席女子の記事

中高すべて首席&東大理科三類首席合格の天才美少女ひなさんに直接インタビューする機会をいただいたので、イラストと勉強法付きで記事にしてみました。感謝。   この記事でわかること ・東大理科三類首席のひなさんは中高時代も首席[…]

「東大」という主語のデカさが目立つ

これは筆者自身に対する戒めでもあるのだが、東大生として記事を書く時には「あたかも東大生全員がそうやっている」と思わせてしまうような記事の書き方は避けた方がよいかもしれない。

全国出版するような書籍はなおさらだ。その影響力を考えるとなかなか功罪が深い。

当サイトのような社会的影響力の低いブログに近いような記事はグレーゾーンだと思っているが、それでも常日頃から「主語がデカくなってはいまいか?」ということには気をつけなければならないだろう。

1つ、筆者の知っている東大系の書籍でタイトルも内容も良質な本があったのを思い出したので紹介しよう。

それがこちら↓

非進学校出身東大生が高校時代にしてたこと

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『非進学校出身(の)東大生が高校時代にしてたこと』という、進学校ではない「ふつう」の高校から東大に合格した学生たちの合格体験記兼勉強法をまとめた本。タイトルは主語がデカくないし、むしろちゃんとターゲティングできていて秀逸。

刺さる人には刺さる非常に参考になる本だと思うのでオススメしておこう。

西岡壱誠の著作の長所

なんだか批判的な意見が目立ってしまった気がしなくもないが、彼の著作にも当然に長所がたくさんある。

そのうち重要なものを2点解説しておく。

東大生は能動的に学習するということを主張している点

東大生というデカい主語を使ってもぎりぎり問題なさそうなのが「東大生は受け身ではなく能動的に学習する傾向にある」という主張だろう。

これは比較的、真だと思う。

東大生が無意識でしていることを言語化しようとしたこと

受験勉強が得意な東大生は、長期間にわたる受験勉強の中で、他の人にはできないことを無意識にこなしていることが往々にしてある。

たいていそれを発見するのも言語化するのも難しい。

自身の成功体験もふまえつつそれに挑戦してオリジナルの結論を出した彼は、その結論の内容がどうであれ、称賛に値する。

ただ、もっときちんとした統計をとればまともなデータがサンプリングされて東大生から批判の矛先が向けられることも少なかったのではないだろうか。

まとめ

いかがだろうか?

西岡壱誠の著作を読む際には「本当に多くの東大生が実践していることなのか?」「主語がデカくなり過ぎていないか?」というような批判的な態度で臨む必要があることを話してきた。筆者なりに彼の著作活動に関して一般東大生たちが感じていることを代弁したつもりだったが、うまく表現できたか少し不安である。

最後に、筆者から読者のみなさま伝えたいのは、今回取り上げた西岡壱誠だけが問題ではないということ。彼は氷山の一角に過ぎない。

実は彼以外にも数えきれないくらいの問題書籍があるのだ。

「スタンフォード式〇〇」「GAFA〇〇」「99%の〇〇が〇〇」…例を挙げたら枚挙にいとまがない。

出版不況でタイトルと内容にエッジが効いた本じゃないと売れなくなってきたことが原因として考えられ、それは仕方がないといえば仕方がないのだが、それらの悪書を手に取る善良で無垢な一般市民のことを考えると心が痛いのは筆者だけだろうか。

この記事を読んで、少しでも多くの人が良書を見分ける慧眼を養ってくれればと切に願う。

少なくともこの記事を見ている中高生たちはもっと多くの東大生たちの勉強法に触れるためにも、当サイトの他の記事をたくさん読んだり東大生YouTuberの勉強に関する記事を読んだりするのが良さそうなことは間違い無いだろう!

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