志望校に落ちて浪人を考えた時、多くの人は予備校に通うという選択をしますが、宅浪をする人も少なからず存在します。
宅浪には様々なメリットがある一方で、精神的に不安定になりやすいという負の側面も持ち合わせています。
この記事では実際に宅浪をしてメンタルに問題を抱えてしまった筆者の体験を元に、宅浪生に起こりがちな精神面のトラブルやその対処法についてお話しします。
・現役東大生ライターが執筆
・宅浪時に精神崩壊を経験した
・適切なメンタルケアをして大学進学に成功
宅浪生が精神崩壊を起こす典型的な原因
最初に、宅浪生が精神崩壊を起こしやすい理由について解説していきます。
以下のいずれかに必ず当てはまると思うので確認してみましょう。
周りと自分を比較して焦ってしまう
宅浪生が精神崩壊を起こしてしまう原因1つ目は、自分と周りを比較してしまうことです。
これは浪人生全般に言えることですが、高校までは同じラインに立っていた友達が大学に進学して勉強やサークル、バイトなどに励んでいるのを見るとどうしても焦る気持ちが出てきてしまいます。
大学に入ってしまえば一年や数年の浪人は特に気にならなくなってしまうのですが、当事者にとっては一大事なので焦ってしまう気持ちはあって当然です。
コミュニケーションの機会の減少
宅浪生が精神崩壊を起こしてしまう原因2つ目は、コミュニケーション不足です。
宅浪を始めると、基本的には自宅にこもって勉強を続けることになります。
もちろん人によっては塾に通ったりや友達と頻繁に会ったりすることもあると思いますが、高校生の時と比べると人と会って話す機会は格段に少なくなります。
個人差はありますが、人は他の人と雑談をしたり、悩みを相談することによってストレスを軽減することができます。
しかしその機会が少ないと抱えている問題を自分の中にしまいこみ、それにとらわれやすくなってしまうのです。
落ちたらどうしようという不安
宅浪生が精神崩壊を起こしてしまう3つ目にして最大の原因が、落ちたらどうしようという不安を強く感じすぎてしまうことです。
宅浪の場合は特に、「自分のやり方で本当に合格できるんだろうか」「予備校に通っている人に比べて自分は勉強が足りていないのではないだろうか」という考えに陥ってしまいやすく、落ち込んでしまう可能性が高いです。
しかし、受験が終わるまで誰にも結果はわからないので、こればかりはどうしようもありません。
なかなか難しいですが、不安をできるだけ和らげるような考え方や行動を心がけて本番まで付き合っていく必要があります。
宅浪で精神崩壊した際におすすめのメンタルケア4選
それでは既に精神的にしんどくなってしまっている場合はどうしたら良いのでしょうか。
ここからは実際に宅浪中にメンタルに不調をきたしてしまった筆者の体験をもとに、宅浪生におすすめのメンタルケアをご紹介します。
趣味の時間を作る
精神崩壊を起こしてしまった宅浪生におすすめなのは、勉強以外に趣味の時間を確保することです。
ありきたりですが、趣味の時間を持つことはメンタルを正常に保つのに役立ちます。
宅浪といっても睡眠やご飯の時間以外はずっと勉強しなくてはならないわけではありません。反対にそんなに自分を追い詰めてしまっては、集中力も下がって結果的にパフォーマンスレベルを下げてしまうことになります。
1日に30分でも1時間でも良いので、読書や音楽、ゲームなど自分の好きなことに時間を割いてみてください。
気分転換なので、それをしている間は勉強のことはあまり考えなくて済んで、なおかつ短時間で終わらせることができるようなものがおすすめです。
反対に焦りの気持ちから気分転換をすることに罪悪感を感じてしまうこともあるかと思います。ですが、遊んでいるわけではなく効率を上げるのに役立つ作業なので、「これは必要なことなんだ」と自分に言い聞かせながら続けてみてください。
運動をする
精神崩壊を起こした宅浪生がメンタルを少しでも健康に保つ方法の二つ目は運動をすることです。
当たり前のことですが、長時間座って勉強していると運動不足は避けられません。
運動不足はただ体に悪いだけではなく、メンタルにも悪影響を及ぼします。運動をすることで精神状態を向上させることができるという研究があるように、運動はメンタルケアに重要な役割を果たします。
そこで個人的におすすめしたいのは踏み台昇降です。適当な高さの足場さえ用意すればどこでもできる手軽さと、先にお話しした趣味の時間と同時にできるという点が非常に良いです。その他にも踏み台昇降をしながら一問一答などの暗記作業をすることもできます。
一見馬鹿馬鹿しいですが、最低限の運動にはなりますし気分転換にもなるのでおすすめです。
試験中に頼れるものを作る
これはやや深刻な話になりますが、精神的に不安定になってしまうとその影響が試験中にも及んでしまうことがあります。
筆者は浪人中にメンタルをやられてしまい、試験中にパニックになってしまうことがよくありました。東大模試でもパニックを起こさずに全ての教科を受けられたことは一度もありませんでした。
そこまでになるケースは稀だとしても、試験中に過度に緊張したりお腹が痛くなったりしてしまう人は少なくないと思います。もしそうなってしまった時には自分で自分を立て直す必要があるので、試験中に問題が起きた時のためのルーティーンを作っておくのがおすすめです。
もちろん重症の場合はそれだけで解決することは難しいですが、多少の助けにはなります。
然るべき機関に頼る
精神崩壊のレベルがどうしようもない場合の宅浪生は、病院やカウンセリング施設を頼ることが必要です。
「この程度なら大丈夫」と思って放置しておくと、筆者のように受験できるかさえもわからない状況に陥ってしまいかねません。
自分の周りにはいなくても、受験のストレスで病院にかかる人は少なくありません。カウンセリングや治療で少しでも良くなる可能性があるのなら、そういった場所に頼ることはとても大切です。
宅浪生の精神崩壊を未然に防ぐ!強いメンタルを維持する方法
上では、すでに精神崩壊を起こしてしまった宅浪生向けに解決策を提示しました。
ここでは再発防止や未然防止するための強いメンタルを維持する方法について解説します。
スケジュールを立てて規則正しい生活を送る
宅浪生の精神崩壊を未然に防ぐ方法1つ目のカギは、スケジューリングと規則正しい生活リズムです。
宅浪では「予備校に行った方が良かったのではないか」「自分の受験勉強の方法はあっているのかどうか」という不安をどうしても感じてしまいます。この不安が大きくなりすぎるとメンタルに不調をきたしかねません。それを避けるには自分で決めた勉強内容を淡々とこなすのが一番です。
この時に大切なのは行き当たりばったりの勉強をしないということです。それでは「あれもこれもできていない」という不安がむしろ強くなってしまいます。
まず合格までに何が必要なのかを大まかに確認して、それを元により細かいスケジュールを組むのがおすすめです。宅浪中の勉強方法についてはこのサイトに別の記事がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
自分に優しくする
宅浪生の精神崩壊を未然に防ぐ2つ目のカギは、頑張っている自分に優しくすることです。
宅浪で合格を掴むためには受験勉強を頑張るだけでなく、メンタルケアも自分でうまく行うことが必要です。
それには先ほどもお話ししたように気分転換や運動をするといった些細な行動が大切になってきます。
自分を追い詰めてしまっては精神状態も悪くなり受験勉強の効率も落ちてしまうので、自分で自分をいたわることを意識的に心がけるようにしてみてください。
宅浪生の精神崩壊まとめ
人によって程度に差があるものの、宅浪をすることによってメンタルが不調に陥りやすくなるのは確かです。
それを乗り越えて大学に合格するのは少し大変なことかもしれません。
しかし小さな行動の積み重ねや考え方を変えることによって精神状態が悪化する事を防いだり、良い方向へ向かわせることは可能です。
ずっと1人で勉強を続けていると様々な悩みや不安が出てきますが、時には他の人や場所を頼りながら、気分良く過ごせるように意識的に行動してみてください。