東大日本史は対策をミスると全く点数が伸びません。
「東大日本史まじで相性悪い」「全く成績が伸びない」
こういう東大受験生は少なくありません。
かくいう筆者も、出身高校では模試で校内1位を何回もとれるくらいには日本史が得意だったはずなのに、東大日本史ではボロボロという辛い時期がありました。
しかし、あることに気がついてからは直前期の過去問演習では安定的に7割とれるようになり、本番でも40点越えをすることができました。
東大日本史が苦手だった筆者が安定して7割越えを狙えるようになった勉強法とは一体何か、本記事で解説していこうと思います。
東大日本史で成績が伸びない理由
安定して7割を得点する勉強法を話す前に、まずは東大日本史の成績が伸び悩む原因を確認していきましょう。
用語ばかり暗記する
日本史の勉強=用語の暗記という理解は間違ってはいません。
用語を覚えないことには何も始まりませんからね。
しかし、東大受験生は早稲田や慶應、明治などの難関私立も併願校として受験するので、日本史選択者はその対策としてどうしても細かい歴史用語を暗記しようとしてしまいます。
ここに罠があるのです。
上記私立大の問題と東大二次の問題を実際に見比べればわかると思いますが、傾向と対策法が全く異なります。
個人的には両者はトレードオフの関係にあると言って過言ではないと思っています。
私大入試対策として歴史用語ばかり覚えることに努力値をふると東大入試が解けなくなる。一方、歴史用語の暗記は超重要語だけにして東大論述対策に努力値をふると私大入試が解けなくなる。
どちらが上でどっちの方が難しいかというのはないと思います。傾向が全く違うので比較しようがありません。東大には合格するけど明治大には不合格だったみたいな話は普通にあります。早稲田慶應なんて東大受験生でもバンバン落ちる人いますからね。
しばしば東大受験生から、 学生「東大日本史対策におすすめの参考書は?」「東大日本史の参考書がたくさんあって選べない」 といった質問や悩み相談を受けます。 […]
ちなみに筆者の話をすると、日本史の勉強は高3夏までずっと「私立型」の勉強法でした。とにかく誰よりも歴史用語を覚えてやろう。模試では校内1位をとってやろう。と。
歴史的意義や結果、流れは軽く押さえてとにかく歴史用語を極めておけば全対応可能だろうとたかをくくっていました。
そんな感じで勉強してきたんでいざ東大の過去問を解いてみると面白いくらいに手が動かない。
「資料からわかることは何か?書け?おいおいおい、俺が得意な正誤判定や一問一答問題は出ないのおお〜?」
ってな感じで自分の努力の方向性が全く違うことにショックを受け、しばらく東大日本史対策をするのが億劫だった覚えがあります。
模試の結果も最初の方は19/60とか散々でしたね。最後の東大模試も30超えてなかったと思います。日本史が武器だと思っていた自分としては相当ショックでした。いや本当に。
この記事を見ている東大受験生は、もし筆者と同じような状況にあるのなら、日本史の勉強法は早々に切り替えた方がいいと思います。
また、こちらの記事でも言っていますが、日本史世界史選択の東大受験生は私立大も合格しておきたいのなら、日本史ではなく世界史受験をするといい(数学受験も戦略としてアリ)と思います。
その理由は、東大世界史は日本史と比べるとはるかに知識ベースの問題が多いからです。見ればわかりますが第三問なんて完全な一問一答ですからね。
出題者の意図に沿わない回答をする
入試において出題者は神様です。
絶対的存在です。
ですから、歴史的には正しいことをいくらあなたがこれみよがしに書いたところで、その内容が出題者の意図に沿っていなければ最悪0点となります。
東大入試はこれが顕著で、なかなか設問の指示通りに解けない東大受験生が多いです。
日本語が読めないという非常事態。
冗談じゃなくて、本当に設問どおりに解けない学生が多いんですよ。まじで。
書いているうちにだんだん見当違いのことを書気始めたり、そもそも書き出しから間違っていたり、理由を聞かれているのに「〜ということ」で終わっていたりと、摩訶不思議なことが起きます。
「あれ〜なんでこんなこと書いてるんだ」
模試後に1人反省会を何度したことか。
東大日本史は絶対に設問の指示通りに説いてください。それが得点を上げる一番の近道です。
知識をひけらかす
東大受験生の中には、聞かれてもいないのに「僕はこんなことも知っているよ!すごいでしょ!?」と関連する歴史用語を解答用紙に書き加えてしまう受験生がいます。
それが加点要素の歴史用語なら問題ないのですが、関係ない用語を書いてしまう傾向が強い。
いいですか。
文字数には制限があります。
不要な用語を自己満足で書いてもそれは点数に直結しないどころか他の加点要素を書くための文字数を奪うことになってしまいます。まさに機会損失。
出題者はあなたがどれだけ歴史に詳しいかなんて1ミリも興味がありません。
一番欲しいのは出題の意図に沿った回答をすることができる学生です。
よって、知識をひけらかすために余計な歴史用語をふんだんに使うのは絶対にやめましょう。
冗長な表現
余計な歴史用語に引き続き、東大日本史の伸び悩みに最も直結しやすいのが冗長な表現です。
これは日本史に限った話ではないですが、ほとんど全てが記述式の東大入試は端的で簡潔な解答を書くようにしましょう。
そのためには日頃から意識して文章を書く練習が必要です。
「この情報は必要か?」「冗長になっていないか?」
これを常に意識して文章を書けば、加点要素を十分に含んだ端的で美しい解答の作成が可能です。
偉そうに言っている筆者も勉強法の記事を書いているとついつい話が脱線したり冗長になったりしてしまうことがあります。
常に意識して予防するのが一番大事だと思います。
東大日本史で安定して7割得点を狙う方法
さて、東大日本史の成績が伸び悩む理由をざっと説明したところで、以下では日本史で安定して40点越えしていく方法を話していきます。
結論、指示通りに回答するのが一番
極度の緊張状態にある本番で7割得点することができた理由をずっと考えてたんですけど、
指示通りに解けたから
結論これだと思います。
東大日本史の「この資料からわかることは何か」みたいな問題はいかにその資料を読み解けたかをアピールしたもん勝ちです。
そこにうまく自分のもっている知識つまりは歴史用語を絡められるか。
全てはこれに尽きます。
本番は緊張して、本来使うべき用語が思い出せず何個か書き漏らした記憶があるのですが、それでも資料からわかることを自分の言葉で必死に表現していたら7割越えの点数がきました。
正直びっくりですが、やはり東大入試はそれが大事なんだなと。
点数が伸び悩んでいる東大受験生はまずは出題者の意図に沿うことからやってみてはどうでしょうか。
先生に添削してもらう
自分の書いた回答は合っている気がしますよね。
それゆえ自分では甘く採点してしまいます。
しかし、自己採点では自分のミスになかなか気付きにくく課題を残したまま次の演習に進んでしまうことが少なくありません。
東大に本気で受かりたいのなら添削指導を必ずしてもらってください。
自分で採点できるようになるのは本当に最後の最後の直前期です。
そうですね、12月くらいまでは信頼できる日本史講師に添削してもらうのが良いでしょう。
筆者の受験生時代は何十枚と添削してもらいましたが、どの答案も真っ赤かでした。
「冗長」「冗長」「冗長」
この2文字は、自分の名前の次に見た回数が多いと思います。
そんくらい添削を受けてようやくまともな回答が書けるようになります。
自分でなんとかなると思っている東大受験生は油断していると足元すくわれますよ。
絶対誰かに添削指導をしてもらってくださいね。
逆算して要素点を計算する
東大日本史は大問4個で合計60点。
1問15点ということになります。
大問によって小問があったりなかったりするのですが、いずれにせよ資料の数などからおおよその加点要素の数が逆算できる場合が多いです。
それを意識して解答を書くのと書かないのとでは結果が全然違ってきます。
日頃の過去問研究から設問数と資料数をヒントに加点要素の数を調べて逆算する習慣をつけておくと良いかもしれません。