勉強していれば誰もが一度は必ず頭を悩ます「計算ミス」。筆者も、下で説明する”ある方法”を試すまでは多くの計算ミスに悩まされてきました。
今回は、そんな計算ミスを劇的に減らす”ある方法”を現役東大生の筆者が解説したいと思います。
・現役東大生ライターが執筆
・受験時代は多くの計算ミスに悩まされてきた
・計算ミスを克服し東京大学に現役合格。東大首席など100人以上の東大生に勉強法をインタビュー。
そもそも計算ミスの原因は何?
計算ミスをなくす方法を解説する前に、まずは計算ミスが起きてしまう原因をきちんと理解しましょう。
緊張が計算ミスを引き起こす
計算ミスが発生する原因の1つに「緊張」があります。
脳科学者の西多昌規氏によると、人間の脳は緊張状態に入ると神経伝達物質の1つである「ノルアドレナリン」が分泌されて一種のフリーズ状態に陥ってしまうそうです。
「同時に複数のタスクを抱えると、心に余裕がなくなる」「急ぎの仕事が突然入ると、混乱してしまってうまく対処できない」 この…
つまり、緊張すると頭が働かなくなってしまうということです。その結果、計算ミスが増えてしまいます。
ですので、まずは計算ミスは脳の緊張状態によって引き起こされているという事実を知っておくだけでも対策としては十分でしょう。
焦りが計算ミスを引き起こす
計算ミスのもう一つの大きな原因は「焦り」です。
焦る原因は、テストの残り時間が少ないことがほとんどです。残り時間が少ないと、自ずと計算スピードも上げなければならないので、計算ミスの確率も上がります。
しかも、その少ない残り時間で一回でも計算ミスをしてしまうと余計焦ります。早めに気づいた場合は問題ないですが、焦っている場合は計算ミスを繰り返したり、計算の最後の方でミスに気づくことがほとんどです。
そうなるとだんだんイライラしてきたり、パニックで頭が真っ白になるくらい焦りだしてしまって、とても問題を解ける状態ではなくなってしまいます。
焦りが焦りを生む悪循環に陥ってしまうでしょう。
これが計算ミスの2つ目の原因でした。
途中式を書かず暗算しようとする
計算ミスの原因3つ目は、途中式を書かずに暗算しようとすることです。
幼少期から算盤をやっていて暗算がよほど得意ならば途中式を書かずに暗算してもいいのですが、そうでない限りはやめておきましょう。
途中式を書かない暗算に頼った計算は高確率でミスを引き起こします。
計算ミスがひどい・多すぎる人の特徴とは?
緊張している時と焦っている時、そして途中式を書かない暗算は計算ミスが多発しやすいことを確認しました。
しかし、この記事を見ている人の中には、普段の勉強の時から計算ミスがひどい方もいらっしゃるかと思います。そういった人はどのような特徴を持っているのか確認していきましょう。
勉強不足
緊張・焦り・暗算が原因でないのにもかかわらず普段から計算ミスがひどい人は、勉強不足が原因の可能性が高いです。
基本的に、ミスとは普段できているのにたまたまできないことを指しますが、平常時から計算ミスを多発する人はもはやミスではなく計算ができないということになります。
脳の疾患
上では、勉強不足によって計算ミスが多発しているかもしれないということをお伝えしました。
しかし、中には計算問題をたくさん解いているのにも関わらず一向に計算ミスがなくならないという方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方は一度、ADHDなどの脳の疾患を疑ってみると良いでしょう。
緊張もしていない、焦ってもいない平常時、しかも常日頃勉強する習慣もついているにも関わらずひどい計算ミスを多発してしまうのは異常です。脳に何らかの欠陥がある可能性が高いので、放置することなくしかるべき医療機関で診療してもらうのがよいでしょう。
ずっと自分のせいにして勉強を続けても根本的解決には至りませんので、お医者さんの判断を仰ぎ、必要なら薬を服用するなどして計算ミスを減らしていきましょう。
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計算ミスの発生確率を劇的に減らす方法とは?
ここからは、いよいよ計算ミスを効果的になくす実践方法をお伝えしていこうと思います。
もともと計算ミスが多く数学に苦手意識を持っていた私も、以下の方法を実践することでケアレスミスを劇的に減らすことができたので、凡ミスで悩んでいる人は騙されたと思って一度試してみてください。
計算ミスをなく方法は、発生確率を減らす方法と見直しの際に減らす方法の2つがあります。
順に見ていきましょう。
メンタルコントロールと時間配分を厳守
まず、計算ミスの発生確率を減らす方法として、メンタルコントロールをして時間配分を守るというものがあります。
計算ミスの原因に緊張と焦りがあるというのを上でお伝えしましたね?
緊張しなくなるのはなかなか難しいですが、普段からメンタルコントロールしてテスト慣れしていれば、大事な試験の日に極度の緊張状態に陥って計算ミスが多発することは避けられるでしょう。
また、各大問の時間配分をしっかり決めて守って解き進めれば、時間がなくなって焦るということもなくなるはずです。落ち着いて解けるので計算ミスの発生確率もぐっと下がるはずでしょう。
途中式を書き残す
計算ミスの発生確率を減らす方法、お次は「途中式をしっかり書き残す」ということです。
計算途中の経過をしっかり書き残すことによって、視覚的に計算が間違っていないかを確認しながら1つ1つ丁寧に計算を進めていくことができます。また、下の「計算ミスを見直しの際に発見する方法」でもお伝えしますが、途中式を書き残しておくことで見直しによって計算ミスを発見できるメリットもあるのです。
記述式の試験の場合は、仮に答えが間違っていたとしても、途中式から正しい論理展開であると採点者が判断した場合部分点がもらえることがあります。計算ミスを起こしてしまっても正しい方向性の途中式を書いているだけで加点される可能性があるのです。
ここまで聞けば、計算の際に途中式を書き残さない理由がありませんよね。この記事を読んでいる人は早速今日から途中式を書く練習をしてみましょう。
工夫して計算する
計算ミスの発生確率を減らす方法として次に挙げられるのは、なるべく工夫して計算をするという方法です。
① 2 × 21 + 5 × 21 = (2 + 5) × 21 = 147
② 1001 × 999 = (1000 + 1) × (1000 – 1) = 1000000 – 1 =999999
③ 36 × 25 = 9 × 4 × 25 = 9 × 100 = 900
上の問題はいずれもそのまま力技で解いても解けなくはないですが、工夫して解いた方がはるかに計算ミスの発生確率を下げることができます。
計算ミスを減らすためには、分配法則や約分、その他にも因数分解などを利用して工夫して計算することが大切なのです。
有名な計算結果は暗記しておく
計算ミスの発生確率を減らす方法として次に挙げられるのは、有名な計算結果は暗記しておくという方法です。
① 13 × 13 = 169
② 2^10 = 1024
③ 6^3 = 216
11~19までの二桁同士の掛け算や2^10などは有名計算結果として覚えておくと便利です。また、さいころの確率で6^3も頻出ですので、毎回計算せずに暗記しておくと計算スピードも飛躍的に上がりますし、なにしろ計算ミスの発生確率を抑えることができます。
この他にも多くの有名計算結果がありますが、紹介すると枚挙にいとまがないので各自勉強していて「あ、これ前も出てきたな」というのがあったら、覚えておきましょう。
発生した計算ミスを記録する
計算ミスの発生確率を減らす方法の最後は、発生した計算ミスを記録しておくということです。
あなたが起こしたミスは、偶然その時だけ発生したミスというよりも、計算の癖などで発生したものである可能性が高いです。
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これは↑こちらの記事でも書いてあるのですが、ミスを記録して満足しているだけでは意味がありません。計算ミスをまとめノートやらに記録したら必ず定期的に振り返るようにしましょう。
計算ミスを見直しの際に発見するコツとは?
上では計算ミスの発生確率を事前に抑える方法をお伝えしてきましたが、私たちは所詮人間ですからミスを0にすることは不可能です。
そこで以下では、テスト中にしてしまった計算ミスを発見するコツを紹介します。
ただ、闇雲に見直ししても効率的でないですし、得点に結びつきにくいので勉強が得意な人がやっている見直しのコツを知っておきましょう。
大問1〜3の簡単な計算問題だけ見直す
テストの時間には当然制限がありますから、それゆえ見直しの時間にも制限があります。全ての問題を見直そうとすると、ただ自分が頑張って書いてきた途中式を眺めて「まあ、大丈夫だろ」と自己満足して終わってしまう謎の時間が生まれがちです。
それよりも、限られた見直しの時間を前半の単純〜ちょい複雑な計算問題の見直しに集中して使う方がよほど効率的に計算ミスを見つけることができます。そして、そのような問題は正解率が高いので、計算ミスを徹底的に抑えることで確実に得点していき他の受験生と差をつけにくくします。
したがって、見直しの際は全問チェックするよりも前半の計算問題に近いものを見直ししていく方が効率的ですし、戦略的だと言えそうです。
特定の単元の問題を検算する
難関大入試を受ける予定の人や前半の簡単な大問の見直しが終わった人は、可能であれば後半の難し目の問題や記述式の問題の見直しもしましょう。
その際にも、思考停止で闇雲に全体を見直そうとしてはいけません。検算がしやすい単元の計算をピンポイントで見直ししていきましょう。
具体的には、
✔︎ 微分したものを積分して元通りになるか
✔︎ 確率問題で答えが1を超えていないか
などですね。
まとめ
つかれたので、まとめは気が向いた時に書きます。ふぁああああ