「多浪」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
東大でもまれに出会うことのある「多浪」。
今回は、多浪の友達から聞いた話や1浪を経験した私の実際の体験に基づいて「多浪の実態」について解説していこうと思います!
・現役東大生が執筆
・自身も浪人を経験し多浪にも出会う
・5浪→東大理3の阿修羅さんをはじめとした100人近くの東大生に取材
そもそも多浪とは?
2浪を多浪に含めるかどうかは諸説ありますが、少なくとも3浪からは確実に多浪と言えるでしょう。
個人的には1浪と2浪の間には大きな差があると思っていて、2浪からを多浪と言っていいのかなと思います。基本的は1浪と2浪の数の差はかなり圧倒的で、大変さも格段だと思います。
多浪の特徴
偏見かもしれませんが、多浪は変わった人が多いです。
浪人は1年でさえきついのに2年以上やるのは精神力が必要で、普通の人にはかなりきついからなのかなと思います。
また、何年も受験の世界に浸っていることもあり大学の過去問や参考書などの受験情報にオタクと言っていいほど詳しい人が多いです。そのような受験関係の話をよく固まって話していたりします。
そして、多浪する人はだいたい以下の3パターンに分かれます。
東大や京大志望
東大や京大などの最難関大学の受験者にはやはり2浪以上の人がざらにいます。
私が通っている東大には「東京大学多浪交流会」なる団体があるなど、多浪は珍しくないタイプとなっています。
医学部志望
医学部志望に関しても東大京大志望と同じことが言えます。むしろ医学部志望の方が多浪は多いです。
「医学部」「東大・京大」、どちらも「何年浪人したとしても入る価値のある大学」という認識が強いということなのでしょう。
ただ、東大生が早慶に行くことにはあまり抵抗がないことが多いですが、医学部志望の人は「医学部」以外に代替策がないという観点から、医学部の方が浪人という道を選ぶことが多くなっており、それに伴って多浪の人数も多い傾向にあります。
引きこもり・ニート
多浪は、1年でさえきつい浪人を2年以上するので、精神を病んで引きこもってしまう人もいます。
多浪しがちな人の特徴として「予備校に行かなくなる」というのもあるので、精神を病まないにしても引きこもってしまう人は多いです。
また、世間からは「ニート」として捉えられることも多いので、親戚や近所の人などの世間の目にも苦しめられることが多いのかなと思います。
そういう意味では今年はみんなが引きこもり生活を余儀なくされていたので、引きこもりがちな多浪には優しい世界だったのかもしれません。
多浪の平均年数
次に、多浪の平均の年数とは一体どのぐらいなのでしょうか?
サイトやアンケートからの意見をもとに考えてみました!
平均は3.7年
3浪以上だけを考えた多浪の平均年数は3.7年という声が多かったです(何人か多浪の友達に聞いてみました。)。意外と4浪などをしている人は多く、特に医学部志望に多いようです。
私も実際多浪を経験している人から「4浪5浪は普通にいるよ」と言われて驚きました。多浪どうしのネットワークも割と広く、深いようです。
最低2浪
1浪したら「もう浪人はしたくない」と思う人と「ここで諦めたくない」となる人と綺麗に分かれます。
私は確実に前者だったので、後者のように思える人はかなりすごいなと思います。
最高16浪!?
10浪以上している人もまれにいるようですが、浪数が長さの話をすることは実は少し難しいです。
というのも多浪ってかなり限度がなくて、どこまでも浪人できてしまうんです。実質ニートのような生活をしている35歳のおじさんでも「16浪目の東大志望です」とか言えば浪人生を自称できてしまうので、言及するのが難しいところです。
確実にきちんと浪人していた人で考えると、聞いたことがあるのは5浪の「阿修羅」さんという方で、TVにでたこともある有名ツイッタラーです。
5浪ぐらいが現実的には限界なのかもしれません。
多浪のメリット・デメリット
さて、ここからは多浪のメリットデメリットをそれぞれ紹介していきます。
これから多浪しようか考えている受験生は注目ですよ〜。
多浪のメリット①夢に挑戦できる
多浪することのメリット1つ目は「満足いくまで自分の夢に挑戦できる」ことです。
私は1浪時に自分の力の全てを出し切ったと思えたからこそ、1浪で終わろうと思えましたが、もし何か予想だにしないことが起こったり、実力を出しきれなかったと感じていたりしたら、「もう1回挑戦したい」と思ってしまう気持ちもとてもわかります。
学歴は全てではないし、医者になることが人生の全てではないかもしれませんが、人生においては重要な分岐点であり、何年もそのために頑張ってきたからこそ自分にとって譲れないものでもあるはず。
多浪は自分の追ってきたものを追い続けるための選択肢とも言えます。
メリット②精神力がつく
多浪するメリット2つ目は「精神力がつく」です。
これは1浪にも言えるとは思いますが、「何かのためにひたすら努力する」「最後まで諦めない」などという精神力は1浪よりも2浪、2浪よりも3浪、というように、どんどん鍛えられ、高まっていくものかなと思います。
頑張れること、簡単に諦めないことは、今後の人生において何をするにおいても重要なことです。
また、辛い体験は人を成長させるので、何年もの浪人という経験は「修行」のようなものであり、自身を成長させる時間でもあると思います。
多浪のデメリット①青春を棒に振る
今度は逆に、多浪のデメリットについてお伝えしていきます。
多浪するデメリット1つ目は「せっかくの若い時間を勉強ばかりすることになる」でしょう。
人間、お金や仕事だけが全てではなく、友達や恋人との時間、旅行に行ったり本を読んだり遊んだりする時間があって満ち足りることができます。
特に若いうちにしかできないことも多く、多浪をしているとそんなゴールデンタイムを逃してしまいます。
例えば、現役で入ると大学に入るのは18歳ですが、4浪していると大学に入るのは22歳。18歳と22歳では遊び方ってかなり変わってきますよね。
また、就職するのも遅れ、結婚の時期なども遅れ・・・と色々な出来事が遅れていく覚悟が必要そうですね。
デメリット②末路が悲惨になりがち
多浪で1番怖いのは「何年もかけて勉強してきたけど、それでも受からなかった時」です。
私自身、現役のときに「こんなに頑張ったのに落ちたんだ」と自分に失望して、かなり絶望しました。
多浪ともなると、その「こんなに」の量が多浪は現役の比ではないです。だからこそ自○してしまう人もいるぐらいには病んでしまいます。
多浪は闇が深いって本当?受からない理由は?
正直多浪している人はすごいなと思う一方で、闇は深いと思います。
Twitterには「浪人界隈」という界隈があって、私も1浪時にはそこに属していたんですが、2浪以上の方が炎上したりする人が多いな〜、という感じです。
Twitter三大やめとけ
・推しのアイコン
・学歴厨
・浪人界隈— 藤井四段 (@MTNRFG) March 4, 2021
遊びに走る人、マウンティングに走る人・・・など。浪人生自体に多いですが、多浪の方が割合的には高いです。
また、受からない理由に関しては、一概には言えませんが、そもそも「あまり勉強していないこと」が挙げられると思います。
浪人は落ちたての最初の頃こそやる気に満ち溢れているものの、夏休みぐらいにだれてきてしまうことが多いので、そこらへんで耐えられずに怠けすぎてしまうと、そのまま持ち直せずにそのまま成績が下降し、本試験にも十分に対応できなかった、というようになります。そして次の年にも最初の方こそはやる気に満ち溢れていますが、少し気が緩むと遊んだりしてしまい結局同じことを繰り返して落ちてしまう、という悪循環になります。
また、「本番に弱い人」というのも一定数います。「緊張してしまったり、体調を崩してしまったりして、本番でいつも通りの実力を出せなかった」。これはとても悔しいですよね。
他にも受からない理由として「元のレベルと志望校のレベルの差が大きすぎたこと」ということもあります。浪人には1年の期間があるとは言え、あっという間にすぎていきますし、人間すぐに成長できるものでもありません。
そのため、「1年では時間が足りなかった、もう1年やれば十分合格する」という多浪ケースも十分にあります。
多浪で失敗しないためのコツは何がある?
では、多浪に失敗しないためには何が重要なのでしょうか?
私が多浪の友達からの話や自分の浪人生を見てきた経験から、特に重要だなと思う2点を紹介します!
多浪で失敗しないコツ①勉強を継続すること
多浪で失敗しないためのコツはとにかく継続して勉強することです。一旦途切れたら上で説明した悪循環に陥ります。
当たり前ですが、予備校に通っているなら毎日予備校にきちんといって、引きこもったりしないことです。図書館に通うなどでもいいと思います。
外の空気を吸ったり、運動することも大事ですから、外出をちゃんとするようにしましょう。
家だと何かと誘惑が多いですから、気分転換に外出も勉強もできる予備校や図書館に行って勉強することがとても効果的です。
多浪で失敗しないコツ②一浪の人との関わりを持つこと
これは人にもよりますが、多浪の人は「サボり方を覚えてしまっている人」が多いです。
人間周りに影響されてしまうことは仕方がないので、逆にその性質を利用して周りを勉強している人で固めてその影響を受けましょう。
特に1浪の人と関わると自分が浪人を始めた時の初心を思い出してやる気も出るんじゃないかなと思います。
多浪すると就活に不利って聞いたけど本当なの?
正直不利なことが多く、必ず浪人のことについては言及されます。
多浪があまり一般的ではない経験だからこそ、その体験を通して自分が何を学び、どう変化したのかを印象的に語ることも可能ではないでしょうか。
ほぼ必ず聞かれると思って、どのように答えるか事前に考えておくと、逆に武器としても使えると思います。
多浪(留年)しちゃった…就活不利にならないかな? 面接で多浪(留年)について聞かれたら、どう答えれば良いんだろうか…? …
おまけ:多浪でよくある質問
お疲れ様です。以上が多浪に関する基本的な解説でした。
以下では多浪に関してよくある質問をご紹介します!
多浪は人生終了ですか?
決してそんなことはありません。
前述したように多浪にもメリットはもちろんあります。
大切なことは「自分が多浪という期間をどう過ごし、どう捉えるか」です。
せっかくの限られた若い時間を使うのだから、「人生終了だ」なんて思いながら浪人するのはもったいないなと個人的には思います。「自分は諦めないで挑戦するかっこいい人間だ」ぐらい思いながら浪人すればいいと思います。
多浪でFランってどうですか?
①の答えと少し被りますが、大事なことなので繰り返して言いますね。
重要なことは「Fランに行くことになった」ことではなく、「自分が多浪という期間をどう過ごしたか、そしてそれをどう捉えるか」ということだと思います。
世間は結果を求めますし、結果しか見てくれないので、正直世間的な評判は良くはないと思いますし、しょうもない人間は馬鹿にしてくるかもしれません。
しかし「自分なりにでもいいから全力で頑張った」と思える時間を過ごせたなら、それは例えいわゆるFラン大学に行くことになってしまっても誇っていい経験だと思います。
逆に、「たいして頑張れなかった」結果、Fラン大学に行くことになった、という内容だとせっかくの若い時間がもったいないなと個人的には思います。