一般に大学受験には塾や予備校に行くことが必須であると思われているのではないでしょうか。
しかし、大学受験を独学で攻略することは可能であり、むしろうまく勉強すれば塾や予備校に通うよりも効率がいいです!
そこで今回は、地方公立校から独学で東大に現役合格した筆者が独学のやり方、メリットとデメリットについて解説します。
・地方公立校から現役合格した東大生が執筆
・東大首席など100人以上のインタビュー経験のあるサイト管理人が監修
東大独学は無理って本当なのか?
東大に独学で合格することは無理だと思っている人が多いと思います。
しかし、結論から言うと、東大に独学で合格することは可能です!無理なんてことはないです。
多くの人は独学のやり方を知らないだけで、正しい勉強法を実践すれば効率よく勉強でき、東大にも合格できるのです。
東大独学の難易度
ぶっちゃけると、東大で独学で合格する難易度はかなり高いです。
しかし、東大受験そのものがかなり難易度の高いものであるため、塾や予備校に行っている生徒も同様の難易度です。
塾や予備校に通っている生徒と比べると独学の合格難易度は若干高いですが、正しい独学法をマスターすれば逆に塾や予備校に通うよりも簡単に合格できると思います。
学生「東大ってどれくらいの難易度なの?」「東大入試は難易度高そうだからやめとこうかな…」「実は基礎問ばかりって聞いたけど嘘だよね?」 こういった疑問や悩みを持つ方は多い。 […]
東大独学勢の割合
東大生の中で独学で合格した人の割合はどのくらいなのでしょうか。
私の体感ですが、東大生の中でも首都圏の出身の人(つまり東大生のほとんど)で独学で合格した人はほとんどいません。東京をはじめとする首都圏には塾や予備校がたくさんあり、東大に合格するような生徒はほとんど塾や予備校に通っています。
では、私のような地方の高校出身の人はどうでしょうか。
これも私の体感になってしまいますが、地方出身者で独学で合格した人の割合は1割ほどです。
やはり、地方出身であっても塾に通うのが圧倒的多数派ではあります。
東大受験に独学で臨むメリット・デメリット
では、独学にはどんなメリットがあるのでしょうか。
あえて塾に通わない選択をした筆者が考える独学のメリット・デメリットを紹介します。
東大独学のメリット
完全に自分のペースで勉強できる
塾や予備校に通っていると授業に出席しなくてはいけないため、自分のペースで勉強することができません。
しかし、苦手科目・分野は人それぞれであり、勉強する科目配分はひとりひとり考えなければなりません。
したがって、塾や予備校の授業に出席することは非効率でもあるのです。(もちろん、そこで学べる事は多いので授業を否定しているわけではありません。)
しかし、効率性を考えると独学が最強なのです。独学ではすべての勉強計画を自分で立てます。
それなので今の自分には何が足りないのか、合格するためには何の勉強をどれくらいすればいいのかを自分で判断し計画を立てることで、最も効率よく成績を上げることができ、合格に近づくことができるのです。
塾の宿題に時間を取られない
塾や予備校では多かれ少なかれ宿題が出ます。しかし、塾の宿題はあまり意味がありません。
確かに授業内容の復習・発展という点では素晴らしいですが、先ほども言ったように生徒ひとりひとりに得意教科と苦手教科がある中で一律で同じ課題を出すのは本当に非効率なのです。
その点、独学では塾の宿題にとらわれることはありません。
これも自分のペースで勉強できるという点でとても有利になるのです。
東大独学のデメリット
勉強する習慣をつけるのが難しい
独学は文字通り自分一人で行うものなので、勉強をするかしないかも自分次第です。
塾や予備校に通っている生徒は授業などがあるのでさぼることもできず、学校がない日でも勉強する習慣が少しは身に付きます。
しかし、独学ではいくらでもさぼることができます。
実際、筆者もやる気がないときはとことんさぼり、土日をすべて無駄にしてしまったこともあります。このように、独学では自己管理をすることが非常に難しく、重要になってきます。
受験の情報を入手しづらい
大学受験は情報戦でもあります。
常に自分がどのくらいの位置にいるかを把握し、合格からの逆算を行わなければなりません。
その点、塾や予備校に通っている生徒はそこで多くの情報が入手できます。過去の受験のデータや独自のテストを実施することで独自のデータを作成し、受験生に還元している塾もあります。
しかし、独学ではそのような情報を全く入手することができません。
自分の現状を知るための機会が塾生に比べて圧倒的に少なくなってしまうのです。
筆者の場合は高校から毎年二桁の東大合格者が出ていたためある程度の情報を得られていましたが、高校から全く東大合格者が出ないという人は自分の実力を客観的に図る機会が本当にありません。
これが独学の大きなデメリットの一つです。
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東大に独学で合格する方法論
では、東大に独学で合格するために必要なことは何なのか。実際に私が独学で合格した方法、独学をするうえで重要なことを書いていきたいと思います。
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①勉強する習慣をつける
独学を成功させるためにもっとも重要なことが勉強の習慣化です。
塾や予備校に通っている生徒は授業を軸に勉強でき、自習室という勉強場所も確保できます。そのため、独学で東大に合格するためには勉強のスケジュールをしっかり立て、勉強スペースを確保して勉強を習慣化することが非常に重要になってきます。
ではどのように勉強スケジュールを立てればいいのでしょうか。
学生「東大受験したいけどやっぱり毎日塾に行かないといけないのかな」「いつ頃から本格的に勉強すればいいんだろう」 このように悩んでいる学生さんは多いと思います。 筆者も1、2[…]
筆者がやっていたことは学校の定期テストや模試を軸にスケジュールを立てることです。「~月~日に模試があるのでそこまでにやることを科目ごとに書きだそう。」といった感じですね。
東大合格という大きな目標があったとき、そこから逆算して合格するために必要なことを小さな目標として顕在化させることにより具体的な合格へのプランが見えてきます。
いきなり「よし、東大をめざそう!」と思い立ったとしてもあまりに大きな目標すぎて「何をすればわからない」状態になると思いますので、このように小さな目標を少しずつ立てて達成していくことが重要になってくるのです。
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また、勉強場所についてですが、絶対に家で勉強しないほうがいいです!
もちろん、家で勉強すること自体は悪いことではありません。むしろ、家で全く勉強できないというのは問題になってきます。
ここで言っているのはメインの勉強場所を家にしてはいけないということです。
なぜかというと、家で集中力を保つことが本当に難しいからです。テレビやインターネット、ベッドなど、休憩しようとすれば快適すぎる環境が待っており、勉強に戻ってくることができないのです。
これは人間の性質上仕方のないことであり抗うことができません。
したがって、メインの勉強場所は近くの図書館や公民館、学校の自習スペース等にしましょう。このような場所では勉強に集中することができ、程よく休憩もとれます。筆者は毎日家の近くの図書館に通い勉強していました。
②学校の先生を活用する
学校の先生は積極的に活用しましょう!
独学となると質問できる人が学校の先生くらいしかいません。いくら参考書とにらめっこしていてもわからないところがいくつも出てくるでしょう。文字で説明されてもわからないことが言葉で言われればすぐわかるということがたくさんあります。
分からないことがあったらそのままにせず、すぐに聞きに行きましょう。筆者は本当にしつこいぐらい質問していました(笑)。
時には「なんでこんなこともわからないの?」といった対応をされることもありました。しかし、そこは変なプライドが捨てて聞きに行きましょう!
東大に独学で合格する科目別勉強法
ここからは筆者が独学で東大に合格した勉強法を科目別に書いていきます。参考にしていただければ幸いです。
東大英語の独学
英語は東大受験を突破するうえで非常に重要な教科です。
東大英語の独学で重要になってくるのは「英語を英語のまま理解する能力」です。
そこで、まずは単語と文法事項をひたすら頭に入れました。単語帳は本当に何百周もしたと思います。
ある程度単語力がついてきたら、あとは長文をひたすら読みます。
最初はゆっくりでいいので確実に訳していけるように、慣れてきたら速読を意識しました。また、リスニングも非常に重要なのでそこも手を抜かないでしっかり対策したいです。
東大英語の独学法についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
(この記事は約7分で読み終わります)東大を目指す受験生が文系・理系問わずにぶつかる壁が「東大英語」です。受験の前になると社会や理科に意識が向かってしまいがちですが、英語でしっかりと点数を重ねることは合格への第一歩です。 […]
東大数学の独学
数学も東大入試を攻略するうえで非常に重要です。
筆者がやってた東大数学の独学法は、まず、教科書で学んだあとに解法網羅系の参考書(筆者は青チャート)をやり込みました。ここでいろいろな解法パターンを見居つけることが重要です。
基礎ができてきたらあとは赤本をひたすら解くだけです。また、違う大学の問題などにも積極的に挑戦して数学脳を鍛えて行きましょう。
東大数学の独学法もこちらの記事に細かく書いてありますので、興味のある方はぜひご覧ください。
学生「東大理系受験したいが理系数学がどんなものか分からない」「東大数学対策の情報が不足している」 この記事では今年東大に合格した理系東大生の筆者が、東大理系数学の対策法だけでなくおすすめ参考書や問題[…]
東大国語の独学
東大国語は最も独学が難しい科目です。
古典に関してはひたすらに文法事項を覚えること、古文常識をしっかり身に着けることが重要です。また、学校の授業も非常に重要なのでしっかり聞きましょう。
東大現代文の独学法に関しては正直正解はないです(笑)。東大現代文はこれまでの読書経験が問われているような気がします。
ひとまずは設問が要求していることを正しく解答するように解答を作成していきましょう。そうすれば大きな差は生まれない科目です。
東大国語の独学法もこちらの記事で詳細をご確認ください。
学生「東大古文で点数を稼がなきゃいけない」「東大古文はどの参考書を使えばいいの?」 といった事情や悩みをもつ東大受験生が多いです。 難易度の高い現代文で点数が期待できない分[…]
東大日本史の独学
東大日本史は独特です。
ただ知識が問われるのではなく、持っている知識と提示される史料から考察できることを書かなければなりません。
そこで、まずは教科書を読みこんで正しい知識を蓄積し、あとは赤本を使って資料分析能力を磨きましょう。
詳しくはこちらをご覧ください。
学生「東大日本史のいろはが知りたい」「東大日本史の論述対策を教えて欲しい」このようなニーズが多いです。本記事では東大日本史の入試対策・論述対策の方法を1からわかりやすく丁寧に解説していきます。 […]
東大世界史の独学
東大世界史は日本史に比べると知識の比重が高いです。
まずは知識を大量に蓄積するためにひたすら教科書を読みましょう。また大論述は簡単には書けるものではないので、赤本を駆使してしっかりと対策しましょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回は東大に独学で合格するための考え方を紹介しました。
独学でも正しく勉強すれば必ず東大に合格できます。ぜひ頑張ってください。