東大理系受験の国語対策法とおすすめ参考書を理系東大生が徹底解説

「東大は理系でも2次試験で国語が課されるらしいけど、東大理系国語がいまいちどんな試験なのか知らない…」「そもそも国語って他の科目に比べてどう勉強すれば良いのか全然分からない…」と悩んでいる方はいませんか?

 

今回は、東大二次国語で50点台を叩き出した現役東大生の筆者が東大理系国語の対策方法を紹介したいと思います!

東大理系国語の基本情報

東大理系国語の具体的な対策法などを解説する前にまずは基本情報から確認しておきます。これを確認するのとしないのとでは効率性が大きく変わってきますからね。

形式

大問は3つあり、1問目が現代文(評論)、2問目が古文、3問目は漢文の問題です。

 

最初の現代文は問題となる文章中に傍線が引かれていて、そこに関して「どういう事か?」か「なぜか?」のどちらかの聞き方で文章の理解を問われます。近年は2行で答える記述問題が3問(以前は4問)、100字以上120字以内で答える問題が最後に1つ、漢字を問う問題が3つあります。

 

次の古文では傍線部の基礎的な語彙や文法の知識を確かめるための現代語訳の問題が3つ、さらに内容理解を問う現代語訳問題や記述問題が数問用意されています。

 

最後の漢文は古文と形式がほぼ同じです。問題文は白文ではなく訓読文となっています。つまり、返り点や送り仮名が原文に付加されています。

時間

東大理系国語の制限時間は100分です。

 

時間配分戦略はそれぞれですが、現代文60分、古文と漢文にそれぞれ20分ずつみたいな人が多かった印象があります。恐らく、東大2次の試験科目の中で東大理系国語は一番時間に余裕があると感じる人が多いので、そこまで心配する必要はありません。

 

模試や過去問演習の中で自分に合った時間配分を見つけましょう。

 

配点

東大理系国語は80点満点です。

 

公表はされていませんが、恐らく現代文に40点、古文と漢文に20点ずつだろうと言われています。

 

現代文だと、漢字は2点×3、2行問題が6〜7点×3、120字問題が13〜16点くらいの配点となっていると一般的に考えられています。

 

古文や漢文だと最初の文法知識を問う現代語訳問題が3点×3、後の記述問題に5点前後の配点となっていると予想されています。

 

ここから導き出される戦略のポイントとして、現代文の120字問題において何が何でも100字以上の答案を完成させる必要があるという事です。ここを白紙、もしくは時間が足りず100字未満になってしまえば十数点を確実に失う事になり圧倒的に不利となります。難しくて100%理解できる事は少ないかもしれませんが、それでもなんとか答案を作り上げるべきです。

目標点

東大理系国語は35〜45点を目標にする人が多いです。

 

年度にもよりますが、50点以上になると東大理系国語の高得点者層と捉えられる印象があります。しかし、他の科目に比べて本番どれくらいの点数がくるか予想しにくいため、国語が得意な人でも50点台を目標にして合格プランを立てている人はほとんど見かけません。40点くらいを目指していたら本番50点台だったというケースがと多いです。

 

60点台は恐らく毎年数人しか存在せず、合格プランの必須条件として設定するのは現実的ではないと思います。得意と思っていてもいざ得点開示を見てみたら平均的だったという人がちらほらいます。

 

最高点

歴代最高点についての情報は残念ながら僕の情報網では見つかりませんでした。僕が知っている範囲では東大理系国語の最高点は65点でした。60点台の人は他にあと2人(3人とも学年は別々)いるので、毎年そのレベルの人がごくわずかにいるのかもしれません。すごすぎ…!

東大理系国語の対策法

分野別に対策方法を紹介する前に伝えておきたい重要な事を2つ言います。

 

1つ目は、国語の対策に時間を割きすぎるべきでないという事です。国語の勉強法について書く記事でこんな事を言うのは変だと感じる方もいるかもしれませんが、

 

理由としては、まず受験の目標は大学に合格する事であり、かつその合否はたくさんある受験科目の総合点で決まるという事です。国語に注力したからといって総合点が最大化されるとは限りません。

 

それに加えて、東大理系国語は出来不出来と合否の相関が2次試験の科目の中で一番弱いです。これは僕が受験生時代に見せてもらった予備校のデータにも表れていました。やはり科目の得点と合否との相関の強さは数学>=英語>理科>国語という順になっていました。多くの人にとって東大理系国語の勉強はコスパが悪くなりがちだという事です。

 

管理人
文系も同じことが言えますね

 

全くやらない訳にもいきませんが、木を見て森を見ずの状態にならないよう気をつけましょう。

 

では、どれくらい勉強すれば良いのか?

 

2つ目に伝えたい事は、共通テスト対策をガチる+2次試験の過去問で慣れておく程度の勉強がおすすめだという事です。

 

共通テストがどのようなものになるかは分かりませんが、国語においてセンター試験と東大2次国語は出題意図や作問の仕方に共通点が多く見られ、2次試験はセンター試験を記述式で解く感覚に非常に近いものがありました。難易度としてはセンターの方が基礎的あり、センター国語対策は2次国語にむけての良質な基礎練習だとされていました。

 

管理人
共通テストに代わりましたが、管理人からもセンター演習はおすすめ!

 

筆者の知り合いで2次国語65点の人も、センター試験の過去問を丁寧に解き考え抜いた事が一番ためになったと言ってきました!(僕も共感します)恐らく、共通テストになってもそれは変わらないと思います

 

さらに、単純に共通テストの得点向上に繋がります。配点を見ると明らかな通り東大入試においては2次試験の結果の方が圧倒的に重要なのは事実ですが、第一段階でのテストの出来は思いの外直前期のメンタルに影響します

 

センター国語で爆死して1週間くらい(この時期の1週間は本当に貴重!)メンタルがえぐられて勉強に精を出しづらくなった受験生は毎年見られました。共通テストになっても変わらないでしょう。これを読んでいるあなたはそうはならなように気をつけて下さい。

 

以上の2点を踏まえた上で各分野の対策方法を紹介していきたいと思います。

現代文

問われている事は

①筆者の論理展開を把握できるか
②問題の要求通りに簡潔に自分で記述できるか
③常識的な漢字の書き取りができるか

の3つです。

 

①に関しては、文章を意味のあるまとまりに分ける力とそれらまとまりの間の接続関係を掴む力の2つが大切だと思っています。

 

まとまりに分ける力とは、「私は好きな果物は何かと聞かれれば、リンゴを答えとして挙げよう。なぜなら…。例えば、…。(中略) したがって、私はリンゴという果物に非常に魅力を感じるのだ。」のような部分を1つのまとまりとして認識できる能力の事です。この部分で筆者が伝えたいメッセージはずばり「私はリンゴが好きだ」の1つです。

 

このまとまりを見抜くのに非常に重要な姿勢は、サンドイッチ構造を見つけようとするというものです。例えば、先程挙げた例の文章は「私はリンゴが好きだ」というメインのメッセージを表す文で挟まれており、このような僕は勝手にサンドイッチ構造と呼んでいます。あの有名な林先生は、この事を論理の貫通と言っていました。確かに、「私はリンゴが好きだ」という根本のメッセージがこの部分を貫いていますね。文章を読む時にこれを見つけようと意識すると、難しい評論文がいくつかのブロックに整理されて見えます。

 

接続関係を掴む力とは、具体的に言えば指示語の指す内容や接続語の意味を正しく捉えられる能力の事です。

 

指示語については言うまでもないでしょう。物書きは別の箇所を指示語で指し示す事で、同じ事が今ここで議論されている事を表し、主張と主張を繋げてゆきます。それゆえ、主張間の論理的な組み合わせの理解は、指示語の正しい理解が前提となります。既に出来ている方も多いかもしれませんが、文章を読んでいて指示語が来た時にはそれが指し示す内容に気を配りましょう。(今、この文で使った「それ」が指す内容が「指示語」だと反応できましたか?)

 

接続語の意味としては、1.解説(つまり等)、2.根拠(なぜなら、それゆえ等)、3.例示(例えば)、4.付加(そして等)、5.転換(しかし等)、6.補足(ただし等)が代表的です。1つの接続語に複数の意味があったり、他にも大切な意味があったりしますが、とりあえずこの6つくらいは意識できるようにしときましょう

 

まとめると、サンドイッチ構造を見つけようとする、指示語の指示内容を考える、接続語を見つけて意味も考えるといったことを意識して文章を読む事を繰り返せば、文章読解力は向上してゆきます。

 

最後に重要な事をさらに付け加えると、センター(多分共通テストも)や東大の問題は、問題毎に現古漢共に一定範囲の理解を問うてくるので、傍線部周辺のどこからどこまでの内容理解が求められているのかにも気を配るべきです。

 

②に関しては、自分で書く事を繰り返すしかありません。信頼できる人に添削してもらうのが一番良いのですが、それが難しい場合も多いでしょう。その場合、センター試験の正解の選択肢の書き方を研究するのも非常に有効です。名詞化するのは簡潔にまとめるのに有効、重要度の比較的低い内容は修飾語にして一番大切な部分は述語に持ってくると良い等のコツが学べます。

 

③に関しては、殆どの人が特別対策する必要がない気がします。中学受験や高校受験で培った力でなんとかなります。出題される漢字はほとんどが平易なものです。

古文

東大古文で問われている事は

①基礎的な古文単語の知識
②基礎的な古典文法の知識
③それを基にした文章読解・記述力

となります。

 

①と②に関しては、気合で暗記して下さい。現代の日本語の基になっている言語である分、英語よりも覚えやすいと思います。

 

単語の暗記で大事な事1つに、多義語の意味をきちんと覚えるというものがあります。東大古文では難解な古文単語の知識が要求される事はそうありません。それより、色んな文章で頻出の基礎的な単語に存在する複数の意味を使い分ける事が重要です。そのために、暗記の際には複数の意味に共通するイメージを掴むと良いです。例えば、「おぼつかなし」なら1.はっきりしない、2.待ち遠しい、3.不安だ、の3つの意味がありますが、「ぼんやり」という共通のイメージさえ頭に入れておけば、+の意味で使われていれば待ち遠しい、-の文脈から不安だ、+も-もないならはっきりしないという意味ぇ使われているのだとその場で対応できます。

 

古典文法の勉強で大事なのは、まず助動詞の意味から覚え始めるという事です。日本語は一般的に文の最後の方が重要なので、助動詞を先に抑えると早い段階で文章の意味が取れるようになり、その後の学習も捗ります。

 

これらの知識を頭に入れるコツとしては、実際に古文の文章を読みながら慣れていくというのをお勧めします。僕自身、受験勉強を開始した時期は単語帳と文法書を完璧にした後で文章読解の問題演習に移ろうと考えていたのですが、それよりも暗記と演習を同時並行でやっていった方が知識の定着がよいです。慣れは大事です。

 

③は現代文となんら変わりはありません。評論文というより小説文のような内容が多いですが、新たに注意すべきポイントは登場人物の心情くらいです。きっかけとなる出来事→心情→言動、の関係図で考えれば大丈夫です。

 

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漢文

古文とほぼ同じで、古文単語や古文文法が重要な漢字の意味や句形になっただけです。漢字といっても、現代文の時のような書き取りではなく1つの漢字から複数の熟語を連想する能力が大切です。

 

あと、本当に漢文が苦手な人でも、漢文は語順が英語と同じ(SVOの順)である事を意識して読むとかなり苦手意識が改善されるケースがちょくちょくあるようなので、もし苦戦している人がいたらそのように心がけると読解力が上がるかもしれません。

東大理系国語対策におすすめな参考書・問題集

現代文

入試漢字マスター1800+

収録されている語彙が日常で使いそうなものも多く、東大2次の漢字対策になるでしょう。まあ、これやる暇があったら英単語やった方がコスパ良いかもしませんが…。全部やる必要はないと思います。

センター試験の過去問

現代文、古文、漢文に限らず問題演習にはセンター試験の過去問が断然おすすめです。特に、選択肢ではなく自ら記述式で解く事をおすすめします。(復習で解く時は必ず記述でやってほしい)世に出回っている問題集の中で一番良質です。25カ年+追試とかやれば物凄い量なので、理系だとこれ一冊でもオーバーワークになるでしょう。模試の復習とかも考慮すると、これと過去問以外に演習書を買う必要はあるのか…?

東進東大特進の林先生の講座

東大現代文の過去問をやるなら、東大特進の林先生の講座をおすすめします。

 

参考書でなくてすみませんが、他に良いものが無いので…。大手予備校の解答は正直的外れなものばかりでおすすめできません。

 

筆者は東進の回し者ではありませんが、自分の学校に信頼できる先生がいない限りはこの講座に通うのが良いでしょう。進学校の東大合格者の中ではこれがセオリーになっています。知名度だけというイメージがあるかもしれませんが、先生の実力は本物です。

 

管理人
管理人もライブ授業わざわざ神奈川から受けに行ってました

 

夏くらいまでならそこまですごい成績でなくても授業料免除になると思うので、一旦東大特進の資料を取り寄せてみてはどうでしょうか(僕は東進の回し者ではありません!) それか、メルカリとかで林先生の書いた過去問の解答を買って独学するのもありです。

 

まあ、先生の教えを受けた事のない東大生も沢山いますし、2次現代文の配点が40/550点である事も考えると、別に教えを受けられなかったからといって気に病む必要はないと思います。

 

古文

読んで見て覚える重要古文単語315

古文単語ならこれが断然おすすめです!収録数も必要十分ですし、単語のイメージを表すイラストや語源、関連語句などが各単語に載っていて勉強のしやすさもばっちりです。多義語対策も万全にできます。他にもゴルゴとか有名なやつがありますが、周りの意見を聞いている感じ多分これが今のところベストかと思います。

ステップアップノート30古典文法基礎ドリル

正直古典文法の教材はなんでも良い気がします。学校の教材を使えば良いでしょうが、それが全く合わなくて頭に入ってこないのならばこれを試しても良いかもしれません。薄いですが、必要十分って感じで丁度良いと思います。僕の友達で古文が苦手な人も、これやった後に成績がすごく伸びていました。

東大古典問題集

鉄緑会が出している東大古文・漢文の過去問です。圧倒的な情報量と異常なほどの解説の詳しさで、他が出している過去問の追随を許しません。採点に関する情報が豊富なので、答案を自分1人で添削できます。付録には文法資料もついています。価格は高すぎますね…。

 

漢文

漢文ヤマのヤマ

漢文の基礎知識の教材も何でも良いと思うので、とりあえず学校で配られたのをやれば良いと思いますが、先程と同じくもしそれが合わなかった場合はこれをやってみる事を提案します。これもまた句形を覚えるには必要十分って感じです。

まとめ

最後に東大理系国語の全体的な流れについてまとめます。

 

まず、40点前後を目標にし、そこまで時間を割きすぎないようにしましょう。

 

古文や漢文の知識を詰めながら、センター試験の過去問を並行して解いていきましょう。

 

読む時には、いくつかのまとまりに整理しつつその接続関係を捉える事、また問題が文章中のどの範囲の理解を求めているのかよく考える事が大事です。答え合わせの時には正確の選択肢の書き方を研究しましょう。最初は選択肢でもいいですが、復習で解く時は必ず自分で答案を記述して下さい。過去問も時間を計ってやるようにしましょう。

 

以上が僕からのアドバイスとなります。東大理系国語の制圧に向けて頑張って下さい!

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