東大古文を得点源にするための勉強法とおすすめ参考書を現役東大生が紹介

「古文で点数を稼がなきゃいけない」「東大古文はどの参考書を使えばいいの?」といった事情や悩みをもつ東大受験生が多いです。

難易度の高い現代文で点数が期待できない分、古文と漢文では点数をしっかり稼ぎたいのが正直なところ。

そこで今回は、古文を得点源にするための参考書を使った勉強法を文学部4年の現役東大生が解説したいと思います。

前半は東大古文の基本情報と勉強法について説明しているので、参考書だけ知りたいという方は飛ばして途中から読み始めてくださいね。

 

この記事でわかること

・東大古文を得点源にしたいなら、まず古文単語・文法を完璧にしよう

・古文で変な失点をしないためには忠実な現代語訳を徹底すること

・鉄緑会出版の『東大古典問題集』は高価だが、東大受験者は絶対買うべき

 

東大古文の基本情報

最初に東大古文の基本情報について確認します。

ここでは、配点・難易度・出題傾向・合格者平均点の順にみていきましょう。

配点

東大の過去問演習をしていると、しばしば「あれ?古文って何点満点?」という疑問にぶつかります。

東大国語の構成は現代文・古文・漢文・随筆(理系はなし)の120点満点という設定になっているのですが、東京大学は詳細な配点を公表しておりません。

ただ、文章量・問題量を総合的に判断した結果、現代文(40点)・古文(文系:30点、理系:20点)・漢文(文系:30点、理系:20点)・随筆(文系:20点、理系:なし)という配点が妥当だと考えられています。実際に大手予備校でありかつ東大模試を実施している駿台・河合塾もこの配点に従っています。

ですので、信憑性は確かだと思って構わないでしょう。

以上のことから、東大古文の配点は文系が30点、理系が20点だということが分かりました。

難易度

東大古文の難易度ははっきり言って高くはありません

文章のレベルでいうと、センター試験の方が難しいときがあるのでは?というくらい標準的。

したがって、古文単語と文法の学習を怠っていなければ読解には苦労しません。読解には。

ただ、そうはいってもやはり天下の東大が出題する問題だけあって、簡単に解けるかといえばそうとも限りません。

「これはどういうことか?」「なぜか?」という本質を問う記述問題は、論理力なしには解けないので日頃からの鍛錬が必要です。

出題傾向

残念ながら、東大古文には特定の出題傾向はありません。

幅広く出題されます

説話が出る年もあれば紀行文がでる年も、あるいは軍記物が出題されたりと…ヤマを張るのは難しいですね。

ここは素直に満遍なく色々なジャンルの文章に読み慣れるのが賢明でしょう。

ただ、設問の構成にはパターンがあって、これを知ったから得点が伸びるというわけではないですが、

だいたいいつも

現代語訳(1行)

説明問題(2行)

がそれぞれ数問出題されています。

出題傾向に関してはあまり神経質にならなくてもよいというのが所感ですね。

合格者平均点

(文系メインで話します)

古文単体での合格者平均点は出ていませんが、東大合格者が平均して60/120くらいを得点している状況を鑑みると、得点源である古文は20点から24点は得点したいところ(理系だったら10〜12点で十分)です。

どの受験生もこのように言われていると思います。現に筆者も受験生の頃は22点くらいを目安に問題演習を行っていました。

これから東大受験を考えているみなさんも、古文に関しては22点をひとつの目安としてみるとよいかもしれません。

東大古文を得点源にする勉強法

以上が東大古文の基本情報でした。

ここからは東大古文で人並みに得点するための勉強法を詳細にお話ししていこうと思います。

単語と文法を完璧にする

これは筆者が個別指導で中高生に教えるとき、いつも口酸っぱく言っていることなのですが、古文を得意にしたければまず古文単語と文法を完璧にしましょう

なぜかと言うと、古文は英語と同じで一種の外国語だからです。多少日本人にアドバンテージのある外国語に過ぎません。

みなさんは外国語(主に英語)を学ぶときは最初に単語と文法から学び始めますよね?

古文も同様に、得意にしたいならまずは古文単語・文法を9割以上の正答率に完成させることが喫緊の課題だと筆者は考えます。

特に東大古文を得点源とした受験生は問題演習やら過去問演習に突入する前に、まずは古文単語と文法を「これでもかっ」というくらいにまで仕上げてみて下さい。見える世界が変わってくるはずです。

古文常識を身につける

基本的には古文単語と文法をマスターすればそれで十分なのですが、しばしばそれだけでは得点できない場面に遭遇することがあります。

見出しにもある通り、古文の読解において「古文常識」を知っていないと不利だったり正答できなかったりすることがあるのです。

さっきからことわりもなしに「古文常識、古文常識」と連呼していますが、古文常識とは読んで字の如く古文世界における常識や慣習のことをいいます。

たとえば、「新嘗祭」や「裳着」、「方違え」など。古文単語では出てこなくとも、古文常識の観点からは知っておかねばならないことがたくさあるのです。

しかし、実際、多くの高校では古文単語や文法の重要性ばかり強調され、肝心の古文常識はノータッチなんて状況がよくあります

みなさんの学校はどうですか?

もし、古文常識について初めて知ったという方がいらしたら、今すぐ下で紹介する古文常識の参考書を買って知識を習得する必要があるでしょう。

 

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忠実な現代語訳の癖をつける

これは筆者が高校三年生のころに通っていた駿台の古文講師(大学教員でもある人)が言っていたことなのですが、古文という科目は大学研究員の正確な現代語訳があって初めて成立するものなんですよ。

古文の研究者はその研究の中で忠実な訳を施すことを求められているので、当然、入試として古文の問題を出題する場合も(特に現代語訳や説明問題)、基本的には忠実な現代語訳を軸とするように受験生に求めています

それなのに非常に多くの受験生がそれとは真反対のことをやってしまうわけです。

例えば、「雨降り、神さへ鳴りぬ。」という文があったときに「雨が降り、その上雷までもが鳴り始めた。」といった感じで、勝手に「始め」という要素を付け加えてしまう受験生が少なくありません。

理由を聞くと「なんとなく」「聞こえがいいから」「しっくりくるから」となんとまあ自分勝手な理由で言葉を付け足す場合が多いです。

百歩譲って英語ならまだ許せます(本当は英語もこういうことはやらないでほしい)。

でも、忠実な現代語訳を重視する古文という科目では絶対にこのような自分勝手な行動はやらないでください。容赦無く減点対象となります。

この項目を読んだ受験生の皆さんは、せっかく単語も文法も完璧にしたのに減点されては本末転倒ですから、古文で得点をしっかりととりたいのならば忠実な現代語訳というのを意識してみて下さいね。

第三者が見て分かる解答の作成を心がける

東大古文に限った話ではありませんが、記述問題を作成する際には「自分のこの解答を第三者が読んだときに、文章を読まずともその内容がイメージできるだろうか?」という視点で答案を書くとよいでしょう。

これは記述問題の意図を考えればわかることです。記述問題を通して出題者側は「この学生は物事を本質的に理解する能力があるのか?」ということの他に、「第三者にわかりやすく説明する能力があるのか?」ということが知りたいのです。

大学は基本的には学問をする研究機関ですから、大前提として物事の本質を掴めない人間はいらないわけです。ただ、それだけでなく、大学は研究の内容を世間に論文という形で公表して研究成果を社会に還元していく役目も担っているわけで、そうしたときに「他者にわかりやすく説明する能力」が非常に重要となってきます。

なかなか受験生目線だとこうしたことは「そんなの知るわけがない」と思うかもれませんが、一度はこうした背景を知る必要があるでしょう。

以上より、記述問題の答案を作成するときには誰がみてもわかりやすい文を書くことを意識するのが良いと言えるのです。

高1・2生の理想的な古文の勉強法

高1・2生は古文単語・文法をマスターすることに集中して下さい。

それ以外の文章読解などは焦ってやらなくてもいいので、とにかく基礎である単語と文法で知識武装すること。

塾・予備校の授業も受ける必要はありません。基本的には学校の授業で済むはずです。その際、学校の教科書で扱った文章は丁寧に消化し自分のものとしてください。もし、『源氏物語』を扱ったのなら、成立年代、文学史上の意義、基本的な登場人物やあらすじ程度はスラスラと説明できるようにしておきましょう。

本当にそれだけでいいです。わざわざ塾や予備校など他の媒体を使って勉強する必要はないです。

勉強時間も単語と文法だけですので、あまり時間がかからないはず。その分、英語と数学に時間をまわしましょう

高3生の理想的な古文の勉強法

古文は英語と違って単語と文法がしっかりと学習できていれば、高3から文章読解の練習を始めても全然間に合います。

高3生の理想的な勉強法は、どんなに遅くても夏休みに突入するまでに古文単語と文法を完成させ、夏休みからは文章読解の練習に入ることです。

そして、秋にはもう過去問解禁してよいでしょう。下でも説明しますが、東大古文は10月あたりから鉄緑会の『東大古典問題集』をつかって東大古文の研究を始めるのが理想的。

 

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『東大古文問題集』を一定のペースで解き進めれば、だいたい11月には古文を解き終わるでしょう。

そのあとは、赤本で数をこなすだけです。『東大の古典27ヵ年』をガリガリ解いていればもう古文は怖くないどころか、重要な得点源の1つとすることが可能です。

 

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古文が詰んでいる高3生の応急措置

高3夏まで古文対策を何もしてこなくて焦っている人もいるかと思います。

安心して下さい。

何回も言いますが、古文は古文単語と文法をマスターすれば短期完成することができるチートな科目です。

まずは『読んで見て覚える重要古文単語315』と『古文上達〜基礎編〜』をAmazonで購入して2ヶ月以内に終わらせて下さい。

「2ヶ月で終わるのか?」と不安になる方もいるかもしれませんが、古文単語はたったの315語しかなく、文法も2〜3cmの厚さしかないので、逆に2ヶ月以上かかることが想像し難い。特に東大を受験するのなら、その程度で音を上げてしまっているようでは全然ダメでしょう。

 

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浪人生の理想的な古文の勉強法

残念ながら浪人が確定してしまった浪人生のみなさんも、やることは変わりません。

もう一度基礎から学習し直しましょう。

浪人も期間が限られているので、ペースを早める必要があります。古文単語と文法は2ヶ月でおさらいしましょうか。

その上で、塾・予備校に通っている人はそこでのテキストをメインに、直前期にはもう一度赤門をまわしましょう。

独学の人は、東大の問題集以外にレベルの高い問題集を買って演習を積むのがいいです。その際におすすめなのが『古文入試精選問題集』。基礎を終えた人向けの選りすぐりの良問が揃ったハイレベル問題集です。

 

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東大古文の勉強におすすめな参考書

ここからは古文の勉強でおすすめな参考書たちを紹介していきます。

上でもちょこちょこ紹介してきましたが、ここでは値段や質・量、口コミ等を一緒に見てきましょう。

古文単語:『読んで見て覚える重要古文単語315』

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古文単語は正直なんでもいいです。学校で配られたものがある人は基本は新しいものを買わずにそれを何周も勉強するのが大切。

ただ、あえてオススメするとしたらこの『読んで見て覚える重要古文単語315』。

東大受験者の大半が購入する鉄緑会の『鉄壁』と同様に、この古文単語帳はイラストを用いることによって古文単語をなるべく覚えやすいように工夫がされています。筆者も高校生の頃につかっていたのですが、びっくりするほど頭に入ってくる。他の古文単語帳を持っている人も、一度騙されたと思って購入してみるといいかもしれません。

値段、質、量、ともに最高品質ですのでオススメ度5をつけさせてもらいました!

 

古文文法:『古文上達〜基礎編〜』

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古文文法書でどれにしようか迷っている人には、誰が何と言おうと『古文上達〜基礎編〜』をおすすめします!これは傑作の参考書。今使っている古文文法書を捨ててでもこれに買い換えて欲しい…そんくらいの良書です。

動詞、助動詞、敬語など文法項目ごとに45項目かな?に細かく分かれて文法の説明をしているだけでなく、インプット後にすぐアウトプットできるようにすぐ次のページに文章題がついている最高の古文文法書です。

1つ残念なのが、この『古文上達〜基礎編〜』の続編である『古文上達〜応用編〜』があまりよくない、というより正直ク○なこと。応用編と謳っているので基本的に内容は文章読解だけなのですが、その文章がむちゃくちゃ短くて全く実践的演習にならないんです。前作の基礎編を執筆するのに力使い果たしてしまったのか何なのか知りませんが、応用編はあまりオススメしません。

ですが、基礎編はマジで神参考書ですので、買うならその1冊だけでいいでしょう。いいでしょうというか、全受験生が基礎編だけ買うべきだと筆者は思っています。

 

古文常識:『マドンナ古文常識』

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【オススメ度】★★★★☆

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Amazonにあった公式の売り文句?的なやつを紹介します。これ、少し間違っています。

古文常識とは、古典の世界観を知ること。これをおさえていないと文法も単語も使いこなせません。つまり、古文常識は「文法」「単語」「読解」の土台となる重要領域なのです。この1冊で古文の実戦力を大幅に底上げしましょう!

思考停止で信じてしまわないように。

別に「古文常識」をおさえていないと文法も単語も使いこなせないなんてことは起きません。

これ、本当に著者が書いたのでしょうか…。古文の土台はむしろ単語と文法だと思うんですがね。その上に古文常識が加わると古文で無双できるよってお話しであって、その逆ではないと筆者は考えます。

ということで、売り文句が微妙なのでオススメ度は4に下げましたが、内容や質・量は目を見張るものがあるので、むちゃくちゃオススメです。

Amazonの紹介文、本当にもったいない(2回目)。

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開成、麻布、桜蔭をはじめとした都内の名門学校の学生が通い、毎年多くの東大合格者を輩出する塾「鉄緑会」。そこが出版する鉄緑会シリーズの古文問題集が『東大古典問題集』です。正直、値段はアホみたいに高いです。しかし、その内容や質・量はそれに見合うだけのものとなっております

この1冊で東大古文と東大漢文の過去問演習ができるのですが、その解説と付録が素晴らしいです。解説は精度の高い分析と丁寧でわかりやすいだけでなく、鉄緑会の学生の回答例を用いた添削ケースも記載されており、どういう解答がダメで逆に表現がいたらなくてもこういうことが書けていれば点が来るということが事細かに書かれています。

付録は東大古文ででる単語を整理して収録したものがついてくるので、直前期の古文単語対策にもってこい。

過去問演習は貴重な過去問を消費して行うので、解答解説にはこだわりたいのが受験生の本望。鉄緑会の『東大古典問題集』はそれに見事に応えます。

『東大古典問題集』は秋の過去問研究の際に使うのがベストです。丁寧にじっくりと東大古文と向き合い、その傾向やレベル、解き方、時間配分などを数年分の過去問で研究しましょう。それが終わったら以下の赤本に突入です。

 

問題集②:『東大の古典27ヵ年』

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【オススメ度】★★★★☆

【値段】★★★☆☆

【質】★★★★☆

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いわゆる赤本。しばしば赤本から突入する学生がいるのですが、それはあまりオススメしません。

上でいったように、東大受験はまずは秋ごろに過去問研究から入って様子を見る時期が必要です。その際に重要なのが丁寧に解くことと詳細で良質な解答解説に触れること。鉄緑会の『東大古典問題集』はその点すばらしい参考書でした。

赤本である『東大の古典27カ年』を使い始めるのは、過去問研究が終わっておおよそ解き方や戦略がわかった頃から。演習量をこなすのに向いています。解答解説もざっくりとしているので、ある程度の実力がある人でないと「なんでこうなるの?」と理解不足と消化不良に陥ってしまいます。

27カ年と書いてあることから分量はかなり多めです。これをやりきるころには東大古文は得点源の1つとなっていること間違いないでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

東大古文である程度の点数を取るためには、まず古文単語と文法をしっかりと習得することが大切ということがお分かりいただけたかと思います。

その上で鉄緑会の『東大古典問題集』を用いて丁寧に過去問研究を行い、赤本で演習量を積むという戦略が一番自然でベストな勉強法だと筆者は考えます。

古文は現代文よりも難易度が低く、得点もしやすいのでオススメした参考書をうまく利用して東大古文を得点源にしましょう。

星の数ほどある記事の中から東大勉強図鑑を選んでいただき本当にありがとうございました。

みなさんの受験がうまくいくことを願っています。

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