しばしば東大受験生から、
といった質問や悩み相談を受けます。
これを読んでいるみなさんも似たような疑問や悩みをお持ちではないですか?
今回はそんな悩める東大受験生のために、現役東大生の筆者が厳選した東大日本史対策にオススメな参考書・問題集を紹介したいと思います。
学生「東大日本史のいろはが知りたい」「東大日本史の論述対策を教えて欲しい」このようなニーズが多いです。本記事では東大日本史の入試対策・論述対策の方法を1からわかりやすく丁寧に解説していきます。 […]
・東京大学に通う現役4年生が執筆
・高校時代は参考書マニアだった
・東大首席など100人以上の東大生にインタビュー
『詳説日本史B』山川出版
東大日本史対策におすすめの参考書(?)1冊目は教科書の『詳説日本史』です。
東大日本史において「聖書」的存在。必要不可欠ですね。
この詳説山川日本史を読み込まずに東大に合格した人間はいないのではないかというくらい、多くの東大生に愛され・感謝されている教科書です。
なぜそこまで多くの東大生が『詳説日本史』を愛読するかといいますと、東大の問題が基本的にはここに書いてあることからしか出題されないからです。逆にいえば、この『詳説日本史』を読んでおけばインプットの段階としては東大日本史対策はそれで十分だと言うことですね。
ちなみに、この教科書の執筆者が巻末あたりに載っているのですが、そのほとんどが東京大学の名誉教授たちです。このことからも山川出版社の『詳説日本史』が東大日本史のバイブル的存在であるこということが分かります。
理解に苦しむことなくこの『詳説日本史』を読破できる受験生は、東大日本史対策の参考書は他に要りません。この1冊をボロボロになるまで使い古しましょう。
【コラム1】東大日本史は教科書だけでいけるのか?
東大日本史の参考書に関してこの質問が非常に多いのですが、結論から言うと東大日本史は教科書だけでも十分合格できます。
自分は教科書以外にもたくさんの参考書に手を出してしまったのですが、東大に入学してから教科書だけで東大日本史を突破した人が少なくないことを知りました。
実はこれは日本史に限らず世界史や地理に関しても同じことが言えまして、基本的に東大の社会科目は教科書と過去問があれば合格できます。シンプルに受かるんです。
筆者のように余計な参考書に目がいってしまい勉強時間が分散してしまいがちな受験生はこの事実を知っておくとよいでしょう。1つのもので受かるならばそれだけを使うのが一番近道で無難な方法だと思います。
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【コラム2】教科書は複数冊持っておくべき?
東大日本史選択者が参考書に関してよく抱く疑問に、「教科書は山川日本史だけでいいのか?他の出版社のものを見ておくべきか?」というものがあります。
結論から言うと、東大日本史は山川の『詳説日本史』だけで大丈夫です。理由はほとんどの東大合格者が教科書は『詳説日本史』だけ使っているからというのと、山川に肩を並べる教科書が存在しないからというのがあります。
つまり、東大日本史において山川の『詳説日本史』以外のものを使う必要性がないのです。
東大世界史は山川の他に東京書籍や帝国書院の教科書を持っておくといいというのはよくある話ですが、少なくとも日本史に関してはそのようなことはなく、山川の『詳説日本史』だけ持っていれば十分だと言えます。
入試本番までにボロボロになるまで何回も読み返しましょう。
『日本史B講義の実況中継シリーズ』
東大日本史におすすめの参考書2冊目は『日本史B講義の実況中継シリーズ』です。
もし『詳説日本史』の内容が難しい、読みにくいという東大受験生がいるならば、こちらの参考書がオススメです。
この参考書は、『詳説日本史』のような堅苦しい語り口ではなく、タイトルのとおり「実況」しているかのような話し言葉で書かれています。ですので、読んでいて内容がすらすら頭に入ってくるんです。
基本的に語り口調の参考書は偏差値の低い学生向けに書かれていることが多いのですが、この参考書は東大受験に必要な基礎的な内容まで過不足なく網羅しているので重宝できる存在でしょう。
シリーズとなっているので値段は張りますが、日本史全体の流れを把握したい受験生は全巻集めたいところです。
一問一答
東大日本史におすすめの参考書3冊目は〜と言いたいところですが。一問一答はおすすめできません。
一問一答を多用して東大日本史の勉強に弊害が出てしまった筆者から忠告です。早稲田など滑り止めの私立で日本史を使わない限りこれは不要です。
なぜなら、東大日本史選択者が一問一答にハマってしまうと、それぞれの単語を独立して覚えてしまって通史の流れの中で覚える機会が減ってしまい、結果として教科書での勉強を重視する東大日本史の論述で回答が書けなくなるからです。
また、単純に東大日本史で合格点をとるのに不要な用語が多すぎるから一問一答を使った勉強はおすすめしません。東大世界史と違って日本史は暗記要素が少ないので一問一答の効用は得られないでしょう。
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滑り止めの私大入試で日本史を使う人へ
東大日本史選択者で滑り止めの早稲田や慶應でも日本史を使う予定の人は参考書選びでかなり悩むこととなるでしょう。東大と早慶の傾向が全く違うのでどちらに合わせた勉強をすべきか迷ってしまうからです。
東大は細かい知識が全く不要で全体的な流れや理解を必要とし、一方の私大は全体的な流れは抑えてなくても細かい知識は求められるので、受験生はまさに板挟み状態です。
もちろん第一志望の東大に全努力値を振るべきなのですが、そうとは分かっているものの滑り止めで滑るわけにもいかないのでなんとか私大日本史にも対応できる勉強法を実践しなければなりません。
そこでおすすめの参考書は『詳説日本史研究』(山川出版)です。
この参考書は山川の『詳説日本史』に私大入試で問われるような細かい知識を盛り込んだハイブリッド型の日本史参考書となります。教員向けの参考書とも言われてますね。
私大入試対策もしたい東大日本史選択者はこの『日本史研究』を読み込んで入試に臨むのが無難ではないでしょうか?筆者は途中から私大日本史対策は放棄して『日本史研究』も封印してしまったのですが、受験を終えて改めて見返してみるとなかなかいい参考書だと思います。
もしくは、あまりお勧めしたくはないですが、上で紹介した一問一答をやり込むのもアリです。その場合はちゃんと『詳説日本史』を読み込んだ上で使いましょう。
いずれにせよ、こんなこというのもアレですが、文系の東大受験生は私大入試を受ける際に日本史ではなく世界史(東大世界史は暗記要素強い)を使ったほうが効率よく勉強できると思います。
『東大の日本史27カ年』
『詳説日本史』は学校で配られる人がほとんどなのでインプット用の教科書は新たに何かを買う必要は基本的にはありません。
しかし、アウトプットとなると必ず問題集を買う必要があります。問題集というより東大の場合はいきなり過去問ですね。
はい、というわけで次におすすめする東大日本史対策におすすめの参考書は、ほとんどの東大生が使っているのではないでしょうか、『東大の日本史27ケ年』。赤本です。
その名の通り東大日本史の27ケ年分の過去問が詰まっています。
内容量が多いので、他の参考書に手を出すよりも早期に『東大の日本史27ケ年』をやりはじめて何周もするのが最も効率的かつ効果的な勉強法ではないでしょうか?
レイアウトも一問ずつ載っているので自らの学習進度に合わせて過去問を進めることができます。
『実践模試演習 東京大学への地理歴史』
一度解いた問題の答えをなかなか忘れられない人(強い)や嫌になる程過去問を回した人は東大模試の過去問を解くことをおすすめします。
筆者は東進の東大特進に通っていて、そこで東進の東大模試過去問セットをもらっていたのでこの問題集(?)を使いませんでしたが、浪人していたら使う予定でした。
駿台の東大日本史はレベルが高いので赤本を何周もした状態で解けば本番前のいい練習になると思います。
『日本史論述研究ー実践と分析ー』
「東大日本史はもう余裕だぜ!」「さらなる境地に行きたい」という方へ。(そんな人は滅多にいないでしょうが)
駿台の有名講師福井先生の著書。
人によっては「深すぎる」「思想が偏っている」という意見がみられるが東大日本史で50点越えを狙っている学生は買ってみてもいいかもしれません。
各時代の基礎的事項から応用まで解説の中で学べるようになっているので、日本史学習にさらなる刺激を求める学生には推しの一冊。
繰り返すが、解説がかなりレベル高いので腕に自信のある受験生だけ手を出してみよう。
あまり深入りしないように。
まとめ
いかがでしたか?
東大日本史対策におすすめな参考書といっても、実際はほとんど山川の『詳説日本史』1択なんですよね。
上では『詳説日本史』が理解しにくいと言う方は〜という形でもう一冊紹介しましたが、厳しいことを言うと『詳説日本史』レベルが理解し難いようじゃ東大受験はそもそもお話にならないです。
あの山川がわかりにくいなんてことはないので必死に食らいついてください。
問題集に関しても『東大の日本史27ケ年』以外は正直不要でしょう。やる暇がないです。これだけ1周するだけでも相当ハードなはずですので…。
東大の勉強は、というより勉強はそもそもシンプルなものです。
良質な1冊の教科書と過去問があれば基本的にはなんとかなります。
もしそれでも書いたいと言う場合は自分自身としっかり相談して、本当にそれを買ってつかいこなせるのか?買う必要はあるのか?を真剣に考えてから購入しましょう。
参考書・問題集マニアになって苦しんだ経験のある筆者だからできるアドバイスです。
1冊をボロボロになるまで使い古しましょう。
健闘を祈ります。