東大物理対策でオススメの参考書とその使い方 | 現役東大生(物理学科)が解説 |

「東大物理の対策の仕方がわからない」「そもそも学校の進度が遅くて問題集も何を使えばいいのかわからない」「物理さっぱりわからん」といった悩みをもつ受験生は多いでしょう。

勉強したはずなのに問題が解けなくて困っている人も多いと思います。

この記事では物理が1番の苦手科目だったもののなんとか入試をくぐり抜け、なぜか物理学科に進学してしまった自分が、大学に入った後に知ったこともふまえて東大物理で問われることやおすすめの参考書などを解説していきます。

これを読んで物理を得意科目にし、物理のことを好きになってもらえると嬉しいです。

東大物理の特徴とは?

知っている方もいらっしゃるかと思いますが、そうでない方のためにも東大物理の特徴について確認していきましょう。

東大物理の設問形式

東大入試の物理は3つの大問からなります。

例年1問目は力学、2問目は電磁気学、3問目は熱力学か波動が出題され、まれに原子の問題が出ます。

まずは力学と電磁気に力を入れて勉強すべきなのがここから分かりますね。ただし、大問中の小問の数や各分野の中での問題の傾向は年度によってばらばらです。また、いくつかの分野が融合したような問題ももちろん存在します。

解答用紙は大問ごとに分かれてはいますが小問ごとには分かれておらず、罫線が引かれているだけです。

時間は理科2科目で150分です。字面では長く見えますが実際には意外と短く、時間との戦いという側面もあります。

東大物理の難易度

決して簡単とは言えないものの、難易度は年度、大問によってまちまちです。

自分の場合、大体解けるつもりで問題冊子を開いたら全然わからなくて思わず笑ってしまった記憶があります。

実際の試験の場では、難しいと思ったら一旦自分が選択した他の科目に移ったり、他の大問を解いたりするのがよいと思います。

大問の最初の方はそう難しくない場合が多いですし、物理にこだわりすぎてもう1科目にかける時間がなくなるのも危険だからです。

東大物理の配点

東大物理は60点満点です。

模試などでは各大問に20点が配分されていますが、実際の細かい配点はわかりません。

ただし残りの理科3科目(化学、生物、地学)と難易度に差があって、物理の受験者の特点が低いときにはある程度得点が嵩増しされるのではないかという説もあります。自分が受験した年がそうでした。体感では4割ほどしか解けなかったのに30点(半分)もらえましたし、周囲のあまりできなかったと言っていた人も40点ほどとっていた人が多いように感じます。

また、大学の定期試験の採点の話などから推測すると、おそらく入試の採点では、答えだけでなく途中経過や考え方まで含めてかなり丁寧に採点されていると考えられます。たとえ最後まで解けなくても考えたことなどを積極的に書くべきでしょう

東大物理の目標点

採点はおそらく周囲の解答の出来などにも依存するため、自分の手応えと得点が一致するとは限りません。

目安として、物理が得意な人であれば50点以上を目指し、物理が得意でなければ30点から40をとることを目標にすると良いでしょう。

東大物理の分野別対策法とは?

分野別の対策法は極論するとないと言えるでしょう。

もちろん力学では問題を複雑にするために複数の物体が登場しがちなので運動量保存則を使えるべきであるなどと言ってしまうことはできますが、各分野に対して言えることは結局、「基礎的な理解をする」ことに終始すると思います。

東大物理を解く上で、力を入れなくてもいい点は一つもないと言ってもいいでしょう。そこで以下、物理全体に対して言えることをまとめようと思います。

東大物理では基礎的な理解が問われるといった話をよく聞きます。基礎的というと簡単な問題を想像してしまいそうですが、基礎的な理解は実は難しい問題でこそ問われます。簡単な問題では知っている公式を使って計算するだけで答えが出ますが、複雑で難しい問題ではそうはいかないというわけです。

例として作用反作用の法則を挙げて解説してみましょう。物理の初めの方で習うこの法則ですが、問題を解く時にはあまり意識していない人が多いと思います。実際一つの物体に関する運動方程式を立てる場合にはそこまで気になりません。

しかし問題が難しくなって複数の物体が出てくると、物体の及ぼし合う力を見逃さないために作用反作用の法則を意識することが必要不可欠になってきます。

したがって基礎的な理解をするためには実は難しい問題を解くことが必要不可欠なのです。また基礎的な理解を進めるために、習った公式がなぜ成り立つのか理由を押さえておくことも効果的だと思います。

実際の試験ではある程度の速度が必要になります。理解や記憶があやふやだとそもそも問題を見るたびに何かを必死に思い出さなければならず時間がかかってしまいます。目指すべき理解度は、思い出すまでもなくわかるというレベルだと言えます。

ここに到達するために必要なのは、アウトプットの訓練、すなわち問題演習です。

必要なのは基礎的な理解ですが、結局基礎的な事項を知るためにも、それを理解して問題を速く解けるようになるためにも問題演習が重要になるというわけです。

東大物理対策にオススメな参考書は?

教科書

教科書を完璧にすれば東大に受かるというよくある言説は少し誇張しすぎかなと思いますが、物理の教科書は基本を押さえるにはかなり良くできていると思います。

図も豊富ですし公式もある程度まとまっています。他の教材をやっていてわからない点が出てきたら教科書を読み返すのがよいでしょう。

ただ読むだけで終わるのではなく、例題や基本問題も解いていくとさらに理解が深まります。

リードα

学校によりますが基本的な問題集が配られると思います。自分の場合はリードαでしたが、他の問題集でも基本的なものであれば構いません。

教科書を見ただけでは不足する問題演習を補うのに使いましょう。解けない問題があったら解説を確認して解き直し、定着するまで何周かするのが良いと思います。

また学校の進度が遅く、予習したい場合にも基本的な問題集を解き進めるのが有効です。

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物理のエッセンス

自分は前述のリードαや後述の重要問題集を使いながらノートに物理の重要な事項をまとめて勉強を進めていましたが、より丁寧に重要事項を抑えたい場合や物理が苦手だと感じている際にはこちらの問題集を使うべきかもしれません。

難易度はリードαと同じくらいですが、問題の解き方に対する解説がよりまとまっている印象があります。

個人的には高校1年生の時にこれの存在を知りたかったです。

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物理重要問題集

様々な大学の良質な問題が収録された問題集です。

もちろん難易度は高いですが、このレベルが解けるようになることがまずは一つの目標ではないでしょうか。

この問題集には分厚い解説がついており、問題ではなく解説が本体と言っても過言ではないでしょう。

難しい問題でしか出会わない知識やテクニックがありますが、解説にそれらがきれいにまとめられているため、解けなかった問題の解説や重要事項をノートに書きためていくだけでもかなり力がつくと思います。解説から学ぶ姿勢が大事になります

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難問題の系統とその解き方

自分は物理に苦手意識があって使っていませんでしたが、周囲の物理が得意な友人はこれを解いていました。

何度か友人と問題を解いてみたことがあるのですが、重要問題集よりもさらに難易度が高いです。

ここまでしなくても多分合格はできます。

例題を解いて解説を見るのが基本的な進め方だと思いますが、腕に覚えがあれば例題以外の問題も進めると良いでしょう。

最近リメイクされてこれまでの硬めの表紙から少しポップなデザインに変わりましたが、中身はポップではないです。物理に自信がある人向けだと思います

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赤本(過去問)

時間配分や問題形式に慣れるためには過去問を解くのが一番だと思います。

解き始めるのはある程度難しい問題がこなせるようになってからで十分ですが、敵のことを知る意味でも早いうちに一度問題を眺めて見ることをお勧めします

最新の赤本には27年分の過去問が入っているため、何周もする余裕はないかもしれませんが、解けなかった問題を復習していくだけでも入試前の総仕上げになるはずです。

ただし解説が上に書いた問題集に比べて少しわかりにくい印象があるので、わからない点や納得のいかない点があったら積極的に友人や先生に聞くのがいいと思います。

もっと勉強したい方のために

自分が高校のとき、物理は結局よくわからない科目のままでした。

しかし大学に入ると、数学(特に微積分)を用いて物理が展開され、面白い科目だと思えるようになりました。受験に使える時間は限られており、出題科目も多いため大変だとは思いますが、数学が得意などの理由である程度余裕がある方は大学の物理に一歩踏み込んでもいいかもしれません。(自分はそうしなかったことを少し後悔しています)

物理の法則は大抵、何らかの量が小さく変化したときに他の量がどのように振る舞うかという形で書かれます。

実際の問題では、その小さな変化の影響を積み上げて、大きな変化が起きた際に何が起こるのか見るわけです。大雑把にいって前者は微分であり、後者は積分です。高校までのカリキュラムでは微積分を詳しく習う前に物理に手をつけるためか、極力微積分を使わないように物理を教わりますが、本来物理は微積分を使って書かれるものと言っていいでしょう。

ここではそういった発展的な内容(とは言え一部の予備校や塾では当たり前のように教わるらしい)に触れるための教材を紹介します。

まず無料で利用できるものとして『E M A Nの物理学』というwebサイトがあります。

大学で学ぶ基本的な内容が、途中計算の大きな省略なく丁寧にまとめられており、読むだけでも十分楽しめると思います。基本的には力学や電磁気学の部分を読めば十分です。

ただ、「相対性理論」や「量子力学」といった、聞いたことはあるものの学校では習わない分野についても解説されているので、興味があれば読んでみると良いでしょう。

また最近では大学の数学や物理をわかりやすく解説してくれるYouTubeチャンネル『予備校のノリで学ぶ大学の数学・物理』があります。大学に入学すると講義が想像以上に分かりにくくて困ることがありますが、このチャンネルの教え方はとてもうまく、息抜きがわりに眺めるだけでも大学の内容の雰囲気がわかってとても良いと思います。

書店で買える参考書としては『新・物理入門』や『理論物理への道標』があります。自分は受験期にここまでこなす余裕はありませんでしたし、当然発展的な内容なのでこれらに拘る必要はありません。受験で問われる問題と大学の試験で出てくる問題の間にもそれなりに乖離があるように思います。

それでも考え方の整理にはつながると思いますし、暗記することが少なくなる利点もあるので興味と余裕がある方は是非手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

東大物理を解くためには基礎的な理解が必要になります。そして基礎的な理解を得るためにはそれなりに難しい問題に触れることが不可欠です。問題集の解説から知識を吸収しましょう。また余裕と実力、そして興味がある人は是非発展的な内容にも手を出してみましょう。きっと面白い世界が広がっているはずです。

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