どちらの説もよく巷で聞かれます。勉強と部活のジレンマ、それは東大受験を考える高校生の、というより全ての高校生の永遠の悩みでしょう。
今回は、中高時代はガッツリ運動部で副部長もやっていて、今は現役東大生である筆者が東大受験と部活について語りたいと思います!
・現役東大生が執筆
・高校時代は副部長を任されてたくらいに部活ガチ勢
・東大首席など100人以上の東大生にインタビュー経験のある管理人が監修
東大生の中高時代の部活事情
まずは、実際に東大に合格した人たちが中高時代にどのように部活に接していたかを紹介したいと思います。
ただ、周りの話を聞いている感じでは、大体の人は何かしらの部活に所属していたようです。高3の秋までほとんどの時間を費やしていた人もいれば、幽霊部員だった人もいます。文化部の人も運動部の人もいます。
要するに色んな人がいて、すごく目立った傾向とかはありません。
それでも、部活動が盛んな高校から来た僕からすると、運動部でガッツリやっていた人の割合が少し減った気がするのは感じます。それくらいです。
東大受験において部活をやるべきか否か
実際に東大に合格した人達の中高時代の部活事情は、内部からみると上記のような印象でした。
しかし、これだけでは「東大に入るには部活をやった方がいいのか、やらない方がいいのか」について明確な結論が出ません。個人個人が部活をやるメリットとデメリットを天秤にかけて、自分にとって利益が最大になるように選択するほかないのです。
そこで、次からはそのメリットとデメリットを紹介していきたいと思います。なんとなく漠然と決めるのではなく、この辺りをきちんと明確にした上で考えましょう。
東大受験における部活動のメリット
筆者が考える東大受験における部活動のメリットは以下の4つです。
② コミュニティが広がる
③ バイタリティやチームワーク能力が上がる
④ 青春の思い出ができる
順に見ていきましょう。
自分のやりたい事ができる、学校の勉強以外の能力を高められる
スポーツや芸術、ディベート、または競技科学のような高度な勉強等、自分の興味のある事を追求するのは楽しいですし、色んな能力がある人は人間として深みがあって魅力的ですよね。
ただ、中高から始めておいた方が高いレベルに到達できるものの、これらは大学からやるという選択肢もある事にはあります。また、部活ほどガッツリじゃなくて趣味程度にやりたいという人もいるでしょう。
自分が深く関わるコミュニティができる
学校という社会の中で自分の居場所があるというのはとても大切だと多くの人が感じるのではないでしょうか。
勿論、日本の学校ではその前にまずクラスという集団に属していますし、別にそんなの要らないと思う性格の人もいると思います。
複数の事を両立させるバイタリティ、団体活動であればチームワーク能力も高められる
これらの能力は大学やそのあと社会に出てからもずっと役に立つものです。
ただし、これらは学校行事等を頑張る事でも身につけられます。
青春の思い出ができる
これにお金に換えられない価値を見出す人は多いように見受けられますし、自分にこれがないために青春コンプレックスに陥る人もしばしば見かけます笑。
でも、苦い思い出にもなり得るでしょうし、部活以外で作れば良いという考え方もあるので難しい所です。
以上が部活をやるメリットの代表的なところでしょう。
まあ後でも言う通り、個人的には部活をやる事がおすすめなのですけれども、実はこれらのメリットは中高での部活動からでしか得られない訳ではないところは注意してほしいです。4つの点それぞれで最後に言ったように、別の方法でもこれらのメリットは得られます。
次はデメリットを紹介します。
東大受験における部活動のデメリット
他の事をやる訳だから、どう考えたって勉強時間の最大値は減りますよね。
ただしこれはあくまで最大値の話で、勉強の時間も日々きちんと確保しておいたり、引退の時期を早めたりする事で、東大合格に十分な勉強時間を確保できている人が多い事は知っておいて下さい。
そもそも中高の時間を全て費やさなければ合格できないくらいの素質ならば、入学しても落ちこぼれてしまい、充実した大学生活を送れない可能性が高いので、無理して東大にこだわる必要はないという意見もあります。
以上がメリット・デメリットの話になります。これらの話を踏まえた上で両者を比べ、よく考えて自分にベストだと思う方を選んで下さい!
部活と東大受験を両立する場合
さて、両立する道を選んだ場合について話します。
受験勉強開始前はどうするか、開始をどうするかに分けて考えましょう。
どれくらいコミットすべきか決めよう
受験勉強開始前であっても、勉強へ振り分ける時間が0になるまでするのはやめましょう。何を隠そう筆者がそれで失敗しました。
高校受験で地元の公立高校へ進学した筆者は、東大受験のレベルを完全に舐めていました。ウィンタースポーツの部活に熱中していた筆者は夏場もトレーニングしまくり、冬はほぼ学校にいませんでした。
まあこの時はその競技が上手くなる事が最重要と位置づけていたので、部活にたくさん時間を割く事自体は悪くないと思ってました。
筆者がダメだったのは、その熱中具合が、最低限の勉強すらしなくなるほどだったという事です。
テスト週間も練習ばっかりして定期テストは当日に意味を全く理解せず字面だけ覚えて乗り切り、「内申点とか日本の大学受験に関係ないし!」といって宿題も全くやっていませんでした。授業は疲労回復の時間〜♪とかほざいて全部寝ていました。
そのため、高3の4月の段階で、例えば数学なら余弦定理の公式を覚え直す、英語や古典は単語が全然分からない、理科は言わすもがなってレベルでしかなかったのです。
もちろん、秋頃には現実に気付き、結局浪人してしまいました。
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筆者が書いた別の記事↑にもありますが、その道のプロを目指す訳ではないなら、「浪人覚悟の部活全振り」という選択はお勧めしません。決して筆者のような生活はしないようにして下さい。
話が脱線しました。
どのくらいコミットすべきかでしたね。
例えばセンター同日だと、得点率が55%未満で翌年合格した人はおらず、75%以上で翌年の合格率が50%を超え、85%以上だとほぼ合格するというデータを見た事があります。
どのレベルに照準を当てるか決めて、部活の忙しい時期とかも考えながら計画立ててやっときましょう。本当にできる限り部活に全力を注ぎたい場合でも、最低限のペースはキープしましょう。
理科とか社会は一旦忘れても良いから定期テストの時はちゃんと理解して良い点とれるようにしておき、かつ高3の初めまでに鉄壁みたいな英単語帳一冊と青チャートみたいな網羅系の数学問題集が一通り頭に入っているレベルには最低限できるよう、必要な時間と残り期間から逆算して計画を立ててみて下さい。
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その際、絶対に崩さないような範囲で部活へのコミット具合を考えましょう。これはあくまで最低限レベルなので、もっと高いレベルにしておけばしておくほど合格確率は上がります。
部活をやっている高3生も、秋の2大冠模試では結果を残せるように頑張りましょう。この時点で最低判定だった人はやっぱり周り見てもすごく少ないです。
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そもそも起きている時間本当にずっと部活している訳ではないはずで、多分無駄にしている時間があるはずです。そこで頑張って勉強できるかどうかが後々運命を分けます。
また、奨学金を借りる場合その額が減るという観点からも、受験の年以前からある程度の学習レベルをキープするというのは大事です。
日本学生支援機構から貸与型奨学金(返済義務のあるやつ)を借りる場合、高校の平均成績が3.5以上あればある程度の額を利子なしで借りる事ができます。これをモチベーションに定期テストに向かうのも良いです。
いつまで部活をやるべきか決めよう
東大に数年に一度1人東大合格者がいるかいないかというレベルだった筆者の高校では高3の4〜8月に引退する人が多かったのですが、名門校では高2の冬で引退する事が多いようです。
このような相場は地方公立高校の生徒は知らない事が多いと思うので、知らなければ是非頭へ入れておいて下さい。
もし高3の秋までやりたい場合は、精神的や肉体的にハードな生活になる事も覚悟しましょう。秋まで吹奏楽とかサッカーをやっていてそのまま現役合格するケースも一応あります。
ただ、そういったケースは、早期から真面目に勉強していたり引退後の気合いがまじで半端ない人の場合なので、常人が真似すべきことではないと思います。
高三の夏前くらいに引退するのが無難と言えるでしょう。
部活をせず東大受験に臨む場合
真摯に打ち込みましょう。
中途半端になってだらだらしながらも、時間が人より多く取れたおかげでなんとか合格できたような人は、部活と両立してバリバリやってきた人に対してかなり屈折したコンプレックスを抱えてしまうケースもあります。
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しかし、「俺/私は勉強しかしなかったけど、その分めっちゃ頑張ったよ」と言う人からは確かな自信を感じます。
こっちの側の人間になれるようにしてください。
最後に筆者からの提案
東大に入ってみると、試験勉強以外に取り柄が無い人もいますが、+αで高いレベルのものを持っている人が結構いて、後者の人たちはやっぱり人生が充実してそうなオーラがあります。
勝ち組感ってやつです。
筆者もこういうタイプを目指す人が増えてほしいと思っています!
勉強が0になるのはいけませんが…。自分の人生の充実度が最大化できるようなバランスをうまくとって、ぜひ頑張って下さい!!